○前天狗の稜線を目指し、3回目の頂上へ

 1662ピークから前天狗の稜線までは初体験ルート・・・・コルまでの下りは、ハイマツと岩の細い尾根。ここから30分ほどが、このコースの核心部であった。踏み跡はしっかりしているが、ハイマツが覆い被さり、その下に潜り込んだり、体で掻き分けたりしながら進む。ときおり、大きな岩の上を越えたりと、久しぶりに日高主稜線の薮漕ぎを思い出す。

 コル手前で、突然踏み跡が消える。尾根の上をずっと辿ると思っていたので、ちょっとウロウロする。しかし、左側の谷地形の方へ下っていく獣道のような踏み跡を恐る恐る辿ると、赤テープがあったのでひと安心。

 そこから前天狗の稜線までは、その広い凹地形の草付き斜面を繋いで登るようだ。もう薮漕ぎがないことが分かり、さらにホッとする。しかし、踏み跡がはっきりしないので不安になることもしばしば。赤テープを探しながら高度を稼いでいく。暫く登って、振り返ると1662ピークと漕いできたハイマツ帯が見える(1)。その後は、カールのような地形の中の踏み跡を辿って行く(2)最後のカール壁のような急斜面には、ロープが設置されていた。


 ロープを頼りに登り切ると、飛び出すような感じで、前天狗の稜線へ出る。一番先に目に飛び込んできたのは、真っ白に雪化粧をした旭岳を中心とした表大雪の山々とその手前の石狩連峰(3)。

 杉沢コースから登ってくると通過しない前天狗のピークまで登ると、ニペの頂上部が頭を出してくる(4)

 やがて、杉沢コースと合流し、ニペとじっくり対面できる天狗平へ到着。途中の展望台からも眺めたが、やはり、ここから眺める姿が一番好きだ(5)

  ここまで来て、この姿を見れば大満足なのだが、まだ9:30・・・戻るには早すぎる。幸い最高の天候なので、頂上からの展望も楽しみたい・・・あと1時間もあれば行けるであろうと考えて頂上を目指す。


 最後のピークから雄姿をバックに自動シャッターで撮影し(6)さらに急な最低コルまでの稜線を下る。そこに、同年代の男性が休んでいた。挨拶し、少し話したら、「その口調は函館の方ですね?私も函館出身ですが、今は浜中町に住んでいます」とのこと・・・うん?「もしかしたらKaさんではないですか?」と私・・・初対面なのに、それだけの情報で名前を当てられて向こうが驚いている・・・。

 実は、私にとっては、12年越しの大感激の初対面なのである・・・・12年前にこのHPを開設するときの土壇場で、息子さんにお世話になっているし、実家のご家族も知っているし、yamaさんから毎年いただいている大学の山岳部OB会の機関誌で、いつも山行記を拝読してよく知っている先輩なのである。

 帰りが長いので、先に頂上を目指す。頂上直下で迫力満点の東面の崖を眺める(7)途中で新得の男性も抜いて、期せずして一番乗りとなった。すぐに、新得の男性がやってきて、記念撮影をし合う(8)少ししてKaさんも到着し、3人で山座同定や山談義で盛り上がる。

それにしても素晴らしい天候だ。360度の大展望が広がっている。雪で覆われた表大雪はもちろん、十勝連峰や夕張山系(9)、もっとも感激したのは、日高山脈の端から端まで見えることだった(10) 

 無風でポカポカ陽気に、この展望である・・・下山するのが惜しい感じである。しかし、帰りの距離が長いので先に失礼する。下山後、幌加温泉鹿の湯へ。まもなく、新得の男性もやってきて、また風呂の中で山談義・・・。翌日は、紅葉と雪見登山で銀泉台から赤岳でも登ろうと考えて層雲峡の駐車場へ落ち着く。まもなく、ganさんをリーダーとするHYMLの仲間が美瑛のアバレ川遡行をするという情報が入り、そちらに合流することにした。

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94,8.02の杉沢コースからの「ニペソツ山」へ   04,6,27の杉沢コースからの「ニペソツ山」へ 
  08,9,17の幌加コース下見・1662ピークまでへ


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