登山 | 地点 | 下山 |
5:30
5:55
6:40
7:45
9:00
9:20 |
登山口
林道跡終点
道を見失いウロウロ
三条沼
展望台
1662ピーク |
12:20
11:50
----
11:00
10:00
9:40 |
[3:50] | 所要時間 | [2:40] |
12:40 幌加温泉鹿の湯(入浴)
13:30 旭川へ
|
ニペソツ山は、『日本百名山』の深田久弥氏が、その本を出してからこの山に登り、一番先に入れ替えるつもりの山だったが、それが叶わないうちに亡くなったという北海道を代表する名山である。すでに、音更川十六の沢(杉沢)コースから2回登っているので、今回は、マイナーな幌加温泉コースから3回目の頂上を目指した。
このコースは標高差も大きく距離が長い上に、ここ数年手入れがされていないらしく、歩く人も極めて少ない悪名高き廃道寸前の登山道だ。地図上と実際の登山道が大幅に違うらしい。そのトラックログも取ってみたい。
幌加温泉の手前から右側に入る林道を進むとまもなく登山口がある。長丁場に備えて、5:30にスタート。登山記入簿には、今年になってまだ10人くらいしか書かれていない。それでも、2日前に登ったグループがいた。
まず、30分ほど、標高800mほどまでユウンナイ川を左下に見て、荒れた林道跡を進む。ところが、なんとその先から笹刈りされていてビックリ。それも、昨日か一昨日の感じだ。大喜びで進む。
しかし、30分ほどの標高980m付近で終わっていた。そこに笹刈り機がデポされているところを見ると、まだ継続されるようだ。どこまで復活するのだろうか?(1)
その後は、足元の踏み跡と赤テープだけが頼りの強烈な笹薮漕ぎとなり、ペースがガクンと落ちる。しかも、1130m付近で道を見失い、
広い沢地形の湧水帯に迷い込んでしまい(2)、40分ほどもウロウロする。
諦めて来た道へ戻ったら、その道が上へ続く道だった。まるで狐につままれた感じだ。帰りに確認したら、ヘアピンカーブの手前のたくさんの倒木をかわしているうちに、上に続く道へ入ってしまい、それを逆に進み、さらに直進したのだった。この手前から地図の登山道は実際と違っているようだ。
その後も、しばらく分かりずらい笹薮の緊張の歩きが続く。平坦地に移ると、左手に無名の沼が現れ、
その直ぐ先でより大きな三条沼の湖畔に出る(3)。杉沢コースにはないチャームポイントである。しかし、地図上の登山道ではここは通らないようになっている。その先も分かりづらい笹藪の中の赤テープと足元の踏み跡だけが頼りの道が続く。
1250付近から急な尾根に取り付くと笹藪が低くなって来るので間違う心配はなくなる。
やがて、広く平坦な台地上のアカエゾマツの森の中に入っていく。この平坦な台地は1500m付近まで続く。全く景色も見えない。しかも、この台地上の道は地図とは大幅に違っているが、道ははっきりしているので迷う心配はまったくない(4)。
やがて、顕著な尾根の急登となり、そこを登っていくと、
左側が崖となって初めて見晴らしの利く展望台に到着。ところが、そこから見えるはずのニペソツの東壁や天狗岳はスッポリ雲の中(5)。南側に見えるはずのウペペサンケ山も雲の中。
この山の最大の感動は、あのアルペン的山容との対面である。それがないのは、あんこの抜けた饅頭のようなもの。一気に気力が萎える。今回の目的は幌加温泉コースを歩くことだった。
その8割は達成できる1662ピークまで登って戻ることにして歩を進める
。ここから先が「シャクナゲ尾根」で、その由来となっているシャクナゲの群生が目立つ(6)。また、ダケカンバや灌木の紅葉が美しい(7)。
やがて、ハイマツ帯の登りとなり、1662ピークへ到着。
そこからは杉沢コースと合流する前天狗岳の斜面が見えるだけで、天狗岳もニペソツも雲の中(8)。
腹ごしらえをしながら、天候の回復を期待するが、ニペソツの東壁を根元からスッポリと覆った黒い雲はまったく動く気配はない。
あと1時間も頑張れば杉沢コースとの合流点の前天狗岳であるが、そこへ登ってもニペとの対面がなければ頑張る意味はない。あっさりと諦めて下山開始。
戻る方向は少し晴れていて、広く平坦な軍艦山の向こうにおっぱい山(ピリベツ岳と西クマネシリ山)が見える(9)。
下山してもまだ12:20だった。2日続けて途中撤退。天気には勝てない。幌加温泉の鹿の湯でゆっくりした後、昨日撮り損ねた2箇所の
アーチ橋の写真を撮りに回る。
<登山道整備の情報について>
NPOひがし大雪自然ガイドセンターの河田氏から下記のようなメールをいただきました。
「先日、入山の名簿見ました。HYMLの坂口さんだとわかりました。
感謝の言葉が添えられていて、感激しました。
昨日(9/23)までで、1250mまで終了しました。これからは杉沢コースから登り、幌加尾根から下りながらハイマツの処理や笹刈りをする予定です。道標も適宜整備します。
これは上士幌観光協会の今年度事業で、私たちNPOひがし大雪自然ガイドセンターが受託・実施しています。事業主体は観光協会になります。
降雪があったようなので、これから少し難儀しそうです。」