熊野古道1日目(中辺路)・滝尻〜近露<13km>
 単独 2014,10.19

 5:00 ホテル発
 (JR)天王子と和歌山で乗り換え
 9:55 紀伊田辺着
10:15 紀伊田辺発
 (バス)
11:00 滝尻着
時刻
地点
11:10
12:45
13:25
15:10
15:50
滝尻王子社
高原霧の里休憩所
大門王子社
大阪王子跡
近露王子跡
[4:40]所要時間

16:15 民宿なかの(泊)
○中辺路(なかへち)とは
  
  中辺路は、平安当時より京都または西日本からの参詣者にもっとも頻繁に遣われた熊野三山への参詣ルートである。大阪湾沿いに南下し紀伊田辺から東に向かって山の中を通って熊野三山を巡るルートである。

 中辺路のスタート地点は、中辺路の解釈によっていくつか考えられるようだが、世界遺産に登録された状態では中辺路は、熊野の神域の入り口とされる 「滝尻王子跡」から、熊野本宮大社を経て熊野速玉大社、熊野那智大社、青岸渡寺を巡る参詣道、 そして熊野本宮大社から湯ノ峯温泉までのルートを指しているようだ(1)

 このルートの最大の特徴は、ルート上に複数の王子、(熊野神の御子神を祀ったといわれている)やその遺跡が点在することだ。当時から上皇や貴族の参詣の際には、それらの王子で神仏混淆の宗教儀式や法楽のための舞、相撲、 和歌会などの娯楽などが行われ熊野詣での中継点として広く利用されていたようだ。

○1日目スタート

 スタート地点となる滝尻までの移動と近露までの13kmだけの歩きなので急ぐことはないが、5:00にホテルを出る。新今宮駅で北海道より45分ほど遅い日の出を迎える。

 天王寺での乗り換えでもたついて予定より遅くなる。さらに、和歌山で乗り換えて9:55に紀伊田辺到着。10:15発のバスに乗り換えて滝尻へ。この滝尻は熊野三山の聖域の入口とされ、ここから車道を離れていにしえの古道歩きスタートとなる。

 11:00、バスを降りて、まず、熊野古道館に寄る。古道関係の資料展示もあるが、熊野古道入口の観光案内所といった感じ。


  いよいよ210kmの歩き旅のスタートだ。滝尻王子の前で記念撮影(2)。ここを起点として熊野本宮大社まで500mごとに標識があり、ペースを掴むのに便利だ(3)



 滝尻神社の左横から裏へと続く古道へと入って行く。尾根の末端から一気に急峻な尾根の登りが続く(4)アイドリングなど許してもらえない。もっと優雅な古道歩きを予想していたが、いきなり先制パンチを食わされた感じだ。息が上がる。

 やがて、胎内くぐりの大岩がある。右に道が続いているが、覗いたら、同じバスから降りた先行者が潜りこんでいる(5)自分も真似をして潜りこんだ。これまでいろいろな胎内くぐりを経験したが、こんな狭いところは初めてだ。リュックが引っ掛かって身動きできなくなる。リュックを外して先に穴から出そうとしたら、先行者がそれを引き上げてくれた。感謝・感謝!

 25分ほどで、最初の王子跡である不寝王子(ねずおうじ)跡に到着。ここは石碑と説明板のみだった(6)


 剣ノ山を越えると、緩やかな尾根歩きとなる。やがて、道は舗装された生活道路へと入って行く。
 民家の間を抜けて行くと、楠の大木に囲まれた高原熊野神社に到着(7)この神社は、春日造りで室町前期の建築様式を残す中辺路最古の建物と言われている。

 12:45、そのすぐ先にある霧の里高原休憩所で一休み。手前にシャクヤクが咲き、棚田が広がり、その奥には果無の山並みが続いている。北海道では見られないのどかな風景だ(8)
 

 昼食は非常食で済まそうと思っていたが、休憩所で売っていた1個100円の手作りのよもぎ餅が美味しそうだった。あん入りとあんなしを1個ずつ買って食べた。よもぎがたくさんな入っていて美味しかった(9)
 この集落は、昔は旅籠で栄えたところらしく、山へ入って行くきれいな石畳の坂道には旅籠名の標示板が続く(10)
 やがて、鬱蒼とした杉林へと入って行くが、そこにもずっと石畳が続いていた(11)


 その先で、専門のガイドの説明を受けながら歩いている一団を追い越した(12)この後も、同じシャツを着たガイドに案内されているグループを4団体ほど追い越した。
 
 13:25、大門王子社跡に到着。ここには朱塗りの小さな社が建っていた(13)この後にも、十条王子跡があった。


 上田和茶屋跡を越えると、下り道になる。下り切ったところで笠塔婆が残る大阪王子跡に到着。ここまで来ると、ゴールは近い(14)すぐ下の国道には「道の駅熊野古道中辺路」が見える。
 
 再び山中へと入って登り返すと、中辺路のシンボルにもなっている牛馬童子像などが祀られている箸折峠に着く(15)ここは、花山法皇の逸話に溢れた場所だ。牛馬童子像は道中のお姿とされている。このことからすると、身分の高い人は牛馬に乗ってこの道を歩いたようだ。


 峠を越えたところに東屋があり、目の前に近露の集落が見えてくる。昔は宿場町で栄えた集落らしい。(16)
 急な道を下って国道の日置川に架かる橋を渡って、すぐ左側の近露王子跡に到着。15:50、スタートして4時間40分だった(17)


道中で目にした、北海道では目にすることのない花々(名前は不明だが、真ん中はレンゲソウ?)(18,19,20)。


 近露王子から国道を歩き、Aコープで缶ビールを買い、20分ほどで「民宿なかの」へ到着(21)すぐに風呂に入り、携帯から夕食までブログを打つ。
 夕食は目の前の囲炉裏で焼いたアユの塩焼きとイノシシ鍋、カツオの刺身、アユの唐揚げを煮付けたものなどだった。泊り客は、他に6名だった。中の一人が外国人だった。
 1泊2食で7500円だった。


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