岩部岳(794m) <福島トンネル前ルート(国有林境界刈り分け道)>
6:20 自宅発
7:55 福島トンネル右手前旧道入口
登山 | 地点 | 下山 |
8:05
9:50
10:40
11:50 |
トンネル手前旧道入口
426地点
697ピーク
頂 上 |
14:20
13:10
12:45
12:05 |
[3:45] | 所要時間 | [2:15] |
14:40 知内温泉(入浴)
16:30 帰宅
|
この山は、国土地理院の
日本の山岳標高1003山に選ばれている山で、矢越岬に続く知内山地の根元に飛び出るように聳えている山である。山名の由来は、福島町の辺境の地として有名な岩部地区に川口を持つ岩部川に由来するものであろう。(岩部の意味は不明)
今年の函館近郊は雪が少なく、冬山登山はまだ登山道のある山以外は無理である。昨年秋に、龍さんから、福島トンネルの上を通過する稜線上に岩部岳まで、国有林境界刈分け道が開削されたという情報を得た。11月上旬に、ニュージランドから帰国したSHOさんと山下さんがそれを辿ったら、頂上まで1時間ほど手前の697ピークの300mほど先で開削が終わっていたので、そこで引き返したとのこと。
そこで、今年の登り初めとして、正月帰国したSH0さんと2人でその刈分け道を辿ってみることにした。あわよくば、頂上まで開削されているかもしれないし、もしダメでも雪があれば登頂が可能であろうとの読みだった。
ちなみに、この刈分け道が開削された岩部岳までの稜線は、知内川と福島川の分水嶺である。
福島トンネル手前の旧道(トンネルができる前の福島峠へ通じる道路)入口に車を置いて旧道をスタート(1)。雪が少ないので、ツボ足で進む。旧道を少し進み、峠の手前の尾根(夏には踏み跡があるらしい)を利用して稜線上へ上がる。
稜線へ上がると、情報通り、広くきれいに刈り払われた道に出た。そのすぐ先の右手に、トンネルを抜けた福島側の国道が見えた(2)。
そこから先は、いくつかの急なアップダウンを繰り返す道となる(3)。
標高点287を越えると、アップダウンはなくなり、右側に植栽地のある快適な直線的な緩やかな道となる(4)。
雪が少ないので、刈り払い道が分かりやすい。ただし、標高点341の手前で、二股に分かれるところがある。そこは、直進したくなるが、右へ入る。その右手の太い木にテープがたくさん巻かれている(5)。
2時間ほどで、正面に越えなくてはならない697ピークが見えてくる(5)。その右手には、端正な形が魅力的な池ノ岱山が見える。この山も冬にSHOさんと二人で登っている(6)。
雪が深くなってきたので、697の登りに掛かる650m付近で、SHOさんはスノーシューを、自分はかんじきを履く。
10:40、697ピークに到着。左手にこの先にカーブして続く岩部岳までの稜線が見える(7)。
697ピークを越えて300mくらい進むと、枯れて折れた木の幹にピンクテープが結ばれている地点に到着。ここは、SHOさんたちが11月に来た時に、刈分け道の終点で、引き返した地点とのこと(8)。その先をみると、刈分け道は続いていなかった。龍さんによると、この開削作業は11/30まで続き、頂上まで開削がされる予定になっていた。しかし、早めにどんと降雪があったので、そこでストップしたままになっているものと思われる。
夏はヤブで大変だが、積雪の状態を見ると、なんとか行けそうなので、そのまま前進することにした。
704ピークを越えると、右手に津軽海峡が見える。しかし、霞んでいて、海面が見えないのが残念(10)。その先にそびえる頂上斜面は非常に急で、果たして登れるかどうか心配になる(11)。これまでに反対側と右側の尾根から登っているが、ここは一番急な尾根のようだ。ここまできたら、何が何でも登らなくてはならない。
最後のもっとも急な斜面は、雪が少ないこともあり、SHOさんのスノーシューは無理である。彼はツボ足で登るとのことでスノーシューを脱いでいる間に、自分はかんじきのまま灌木や笹に掴まって登り切った。このようなところは、かんじきの方が有利である。途中に、多分刈分け作業の事前調査の人が付けたと思われる新しいピンクテープが結ばれていた。
スタートして3時間45分、697ピークから1時間10分で、5回目の頂上に到着。前回(15年6月)に来た時にはなかった頂上標識が結ばれていた(12)。
夏に来ると、周りは背丈の高いササに囲まれているが、冬はササが隠れて快適な頂上になっていた(13)。
15分ほど休んで下山開始。ちょうど雪が降ってきて、周りの展望がなくなった中を下る。 697ピークまでの登り返しと、ゴール手前の急なアップダウンが辛かった。トンネルの上からトンネルの入り口目指して、途中まで送電線の管理道を利用して下り、少しは近道となった。 ロングコースではあるが、雪山の下りは速い。わずか2時間15分で、14:20ゴール。
今年の登り初めの山としては、霞んで遠望は利かなかったが、気温も高く、穏やかな天候に恵まれて、なんとか順調な滑りだしとなった。帰りに知内温泉に寄って、帰路に就いた。
この岩部岳、昔は登山道はなく、05年に大きな沢林道からスキーで登ったのが最初だった。その後、14年晩秋にその林道から刈分け道が頂上まで開削されているという情報をもとに登り、15年春に同じコースを登って3回目、さらに、その後すぐに、燈明岳から知内岳経由の刈分け道から4回目、そして、今回の新ルートから5回目・・・国有林境界刈分け道のお陰で、いろいろなコースから登れる山となった。今回の福島トンネルからの新ルートが、今年中に頂上まで開削されると、いろいろな縦走登山が楽しめそうだ。