東円山(481.3m)〜 砂原岳(1112.2m)D
2017,7,24 <鹿部コース>  単独
 15、12,1の「冬の砂原岳」
15,9,1の「剣ヶ峰〜砂原岳〜隅田盛」
15,8,28の「砂原岳」
 92,5,17の「砂原岳」
鹿部側から薮漕ぎ主体のバリエーションルートの初登の東円山経由で砂原岳へ
 
登山地点下山
7:25
8:05
8:30
10:05
林道終点
東円山
薮尾根取り付き
砂原岳
11:50
----
11:10
10:15
[2:40]所要時間[1:35]

GPSトラックログ
 駒ケ岳には、火口原を囲むように、主峰の剣ヶ峰(1131m)、砂原岳(1112.1m)、隅田盛の(892.2m)3つのピークと、山麓に西円山(544m)と東円山(481.3m)のコブのようなピーク(寄生火山?)がある。西円山は、砂原岳の砂原コースの途中から立派な登山道が開かれているが、東円山には登山道はない。

 したがって、この東円山は未踏だった。しかし、一昨年に札幌の「地図がガイドの山歩き」のsaijyoさんとIkkoさんが、馬の背〜剣ヶ峰〜砂原岳〜東円山を縦走して鹿部に下りている。そのときの記録を参考に、さらには林道の入口を教えてもらって、鹿部から東円山(右手前)に登り、ゴリラさんの顔に見える砂原岳の東尾根をピストンする(1)計画を立てた。

 情報としては、東円山への登りの下の方と、砂原岳の600mより下は、多少濃い薮漕ぎとなるが、ほかは、駒ケ岳特有の植生で、それほど気にならないようだ。

 国道から鹿部ロイヤルホテルへの道へ入る。少し走ったら、朝の散歩をしているブログ友のマンタンさんにお会いする。帰りには寄るつもりだったが、ご挨拶がてら少しお喋り。鹿部ロイヤルホテルの前を通り、踏み切りを越えて、線路と平行する未舗装の道路を走る。

○まずは、勇気のいる林道走りから


 廃棄物処理場の入口を右手に見て、200mほど進むと、教えてもらった林道入口があった(2)saijyoさんたちは歩いてきたが、そのときには軽自動車が走っていたという。走れそうなので、草で覆われた林道へ車で突入。しかし、進むにつれて、 轍ははっきりしていいるものの、轍の間の草と両側から覆い被さっている木の枝が凄い。この中を進むには勇気がいる。(3)
 道路自体は荒れてないので、サイドミラーを畳み、木の枝を車で掻き分けながら、車体を擦る音を気にしないで進む。途中Uターンするところすらない。車の傷が気になる人は無理だろう。また、車高の低い車も厳しそうだ。


徐々に草や木の枝が薄くなり、2.2kmほど進んだら、木柵があり、そこが林道終点だった(4)ここまで歩いても1時間弱だろう。

 木柵の先にも林道が続いている。saijyoさんたちはその道路を下りて来たらしいが、どこへ続いているのか分からない。柵に沿って少し登ってみたら、自衛隊演習地の境界にピンクテープや標石やポールがあり、幅広の境界帯に微かな踏み跡も続いているので、それを辿ることにした。

○東円山を目指す

 地図上にも記載されている自衛隊演習地の境界線の踏み跡を進む。幅広い境界帯には、ピンクテープや境界を示す標石(5)や「防衛省」と刻まれた標石も設置されているので迷うことはない(6)
 途中から境界帯が直角に曲がって北に向かっている。そこからは、気にならない程度の藪こぎで直進。


 まもなく道路に出る。そこには、砂防ダムの工事の建物が建っていた(7)。右の涸れ沢には新しい砂防ダムが連続している。東円山の斜面の向こうにゴリラさんも見えている(8)


 砂防ダムの上を横切って、東山の薮斜面に取りつく。生えている木はカラマツ一色である。下の方は多少薮は濃かったが、登るにつれてほとんど気にならない(9)
 スタートしてから40分で、初ピークゲットの東円山に到着。山頂には三等三角点(点名・丸山)が設置され、境界標石が転がっていた(10)

○次に、砂原岳を目指す


 東円山の西斜面には道路が上がってきていた。 途中までその道路を利用し、砂原岳の東尾根に取り付くことにする(11)急斜面の道路を下って、しばらく進む。c480付近で、道路が左へ曲がって行く。そこから右の藪斜面へ取り付く(12)ここもカラマツの枝が煩いが、藪はあまり気にならない。ただ、右の尾根までの間には、細くて深い涸れ沢が何本もあり、それを越えて進まなくてはならなかった。


600m付近で東尾根に乗る。薮はなくなり、歩きやすくなる。誰かが積んだと思われるケルンのようなものが点在する。昔は、この東尾根にも登山道があったのではないかと思われる微かな踏み跡の痕跡もある(13)。この辺りから、地面はフカフカの苔に覆われて、非常に気持ち良く歩けるが、苔を踏みつぶす罪の意識もないわけではない(14)
  

 900m付近まで登ると、ゴリラさんの顔がぐんと近づく。植生を踏まないように留意しながら登って行く(15)。この尾根の核心部は1000〜1100mの間の急斜面である。火山礫や火山灰の斜面なので、足場が崩れて非常に歩きづらい(15)。


 ゴリラさんの頭の上を越えて、頂上稜線に出たら、頂上はガスの中だった(16)。2時間40分で、ガス中の砂原岳に到着。 剥きだしの一等三角点(点名・砂原岳)だけで、頂上標識なし。当然、火口原の展望もなし(17)

○下山の途に就く


 待ってもガスは取れそうもないので、10分ほどで下山開始。ゴリラさんは反対側から見てもゴリラさんだった(18)。眼下に登って来た尾根を見下ろす。その先の饅頭のような東円山を目指して下る。
上の火山礫の急斜面は足場が崩れて怖いので、ジグを切りながら下った(19)
 600mより下の斜面は藪が濃くて先が見えない。 東円山に続く道路に出るまでは、GPSのトラックログが頼りだった。


 東円山への登り返しはパスして、薮漕ぎ覚悟でコルから右側へ巻くつもりだった。しかし、幸いに山裾を巻く道路が続いていた(20)。どうやら、砂防ダムの方へ下って行っているようだった(21)


 案の定、登りで横切った砂防ダムの上の方へ出た。道路から離れて涸れ沢を越えて、反対側の道路へ出た(22)。あとは、藪に入らずに砂防ダムの真新しい工事道路を辿ってみた(23)しかし、途中で右へ離れて行く。そのまま下っても林道終点の木柵の先の道路に続きそうだったが、はっきりしないので、少し藪こぎをして、登りの自衛隊演習地の境界帯へ合流して下った。

 往復4時間25分でゴール。あとは、木の枝を掻き分けながらのストレスのたまる林道を走って、下の道路に出る。この林道部分は、歩いても2.2kmなので、1時間弱だろう。車がもったいない人は歩きをお勧めしたい。  マンタンさんのお宅に寄って、下山報告をして帰路に就いた。銚子口の留の湯は7月下旬まで改築工事中だった。仕方なく、函館新道を抜けて花の湯に入って帰宅。

 一部作業道歩きもあり、薮は一部を除いては、ほとんど気にならなかった。これまでとは違うバリエーションルートからの砂原岳の登頂も含めて、新鮮かつ満足の山行だった。


○駒ケ岳特有の花々

ウメガサソウ

頂上斜面のタルマエソウ(イワブクロ)の群落

イワギキョウ

ヤナギラン

シラタマの実



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