西円山(544m)〜砂原岳(1112m)
登山 | 地点 | 下山 |
12:20
13:00
13:10
14:10
14:35 |
登山口
西円山分岐
西山山頂
岩場下
頂 上 |
16:25
15:50
----
15:20
14:45 |
[2:15] | 所要時間 | 1:40] |
17:50 帰宅
|
南側から眺めると優美な姿の駒ヶ岳ではあるが、北側から眺めると、主峰である剣ヶ峰と砂原岳が二つのピークを競い合うように鋭く聳える男性的な姿である(1)。
残念ながら、この駒ヶ岳は、1998年(平成10年)の小噴火以来、入山規制の措置が取られて来た。ようやく、2010年に、赤井川コースから馬の背まで登れるように緩和された。しかし、噴火口からの距離がほぼ同じな砂原岳は、ずっと規制されたままである。
駒ヶ岳の過去の「前触れもなく突然噴火する」という特徴は理解できる。しかし、ほかの火山では登山を認めている噴火警戒レベル1のままで経緯しているのだから、せめてこの砂原岳だけでも緩和してほしい。解除されているのを待っていたら、もう死ぬまで登ることができない気がしてきた。 特に、この砂原岳は、23年前に、一人歩きの山を始めて、一番最初に登った記念すべき原点の山だけに、元気なうちになんとしても再訪したかった。
この砂原岳は、規制後も多くの登山者が登っていて、ネット上にも多くの記録が見られる。毎年、函館山岳連盟冬山研修会も行われている。 いろいろな情報(森町・気象庁・森林管理署)を総合すると、駒ヶ岳の入山規制は、「任意の規制である」「法令に基づく規制ではなく、規制区域内に足を踏み入れても罰則等の適用はない」「災害リスク軽減のための措置」「いかなる場合でも自己責任で」と記されている。そこで、ほかの方にはお勧めできないが、23年ぶりに偵察を兼ねて自己責任で登ることにした。
今回のこの砂原岳偵察登山は、元気なうちにもう一度登っておきたかったことと、「せめて砂原岳だけでも緩和して欲しい」という願いからの、全くの自己責任での記録です。
お勧めはできませんし、如何なることがあっても責任は負えません。しかし、非難は甘んじてお受けいたします。
○まずは、西円山へ
砂原地区の望洋の森が登山口である。そこへ向かう途中の畑地から北面を眺めた。右横に剣ヶ峰がちょこんと頭を出している。右端の緑の丘のような山は西円山である(2)。
登山口には、望洋の森の案内図と「ここからの登山(入山)は自粛してください」との真新しい看板が設置されていた(3)。平日にもかかわらず、先行者の車が2台停まっていた。
昨年までは「登山規制中」の看板だけだったが、今年設置された看板は、非常に丁寧な内容になり、何が何でもダメと言った感じではなく、「理解を求める」柔和な内容になっている(4)。
多少の心苦しさはないではないが、「元気なうちにもう1度だけ登らせてください。何があっても自己責任で登ります」と、12:20スタート。
公園の中を抜けると車道にぶつかるが、標識はない。勘を頼りに右へ進むと、手すりの付いた階段があった。ここが登山道の入り口だった(5)。
しばらくは、林の中の快適な道を進むが、やがて、火山らしい地形が見えてくる(6)。やがて、東屋がああり、そこから西円山が見える(7)。
40分ほどして、快適な西円山への道と、対照的に薮で覆われた砂原岳への分岐に到着。西円山は規制外なので、非常に整備が行き届いていた(8)。
23年前は西円山への道は記憶にないし、当時の地図にも登山道は記載されていないので、寄ってみることにした。なお、この西円山は、規制対象外である。
分岐から5分ほどで、整備された西円山(544m)に到着。残念ながら、肝心の砂原地区の展望は良く見えない。しかし、砂原岳へのルートは良く分かる(9)
○砂原岳を目指す
分岐までもどって、薮の中に続く登山道へ踏みこんだ。標高差100mほどの5合目までは足元はしっかりしているが、両側から灌木や薮が覆いかぶさって非常に歩きづらかった(10)。
5合目まで来ると藪から抜けて、火山礫の尾根歩きとなる。6合目まで登ると、上から先行者が降りて来た。「もう規制が解除されるとは思わないので、諦めてしょっちゅう登っています」と話されていた。
6合目から下山して行く先行者と西円山とその下の平野部を振り返る(11)。右手上には、谷の源頭部を挟んで剣ヶ峰が見えてくる(12)。
標高点787地点には休憩所(丸太の椅子が6個)があった。そこから砂原岳への尾根と剣ヶ峰をバックにセルフタイマーで記念撮影(13)。
岩稜帯の基部へ続く尾根を登って行くと、上から犬を連れた先行者が降りて来た(14)。そこには、新しいロープが設置されていたが、その上のロープは古いので、触ることなく登った。
道端には、火山特有のすでに終わりかけのイワギキョウとタルマエソウと、今盛りシラタマノキが目に付いた(15,16,17)。
9合目から上は灰緑色のフカフカの苔で覆われた斜面の中にザレた登山道が続いていた(18)。剣ヶ峰と対峙するピークから剣ヶ峰を望む(19)。
目指す砂原岳の頂上は、稜線上のもっと先である。 右側には鹿部から眺めるゴリラさんの反対側の顔も見える(20)。
かつて、火口原へ下って剣ヶ峰へ向かうルートの分岐には、その標識が倒れていた(21)。しかし、23年前にははっきり見えていた剣ヶ峰へのルートの痕跡は見えなくなっていた。
14:35、2時間15分で、23年ぶりの一等三角点(点名・砂原岳)のみの頂上に到着(22)。
北側には砂原地区の海岸線と噴火湾が見えるが、対岸の山並みはガスで見えなかった(23)。
23年ぶりに目にした念願の火口原とその向こうの大沼の眺め・・・この眺めをなんとかもう一度目にしたかった。これで思い残すことはない(24)。
欲を言えば、死ぬ前に剣が峰をもぜひ再訪したいものだ。