砂蘭部岳 (984m)B
6:30 函館発
8:00 砂蘭部川沿いの林道へ
登山 | 地 点 | 下山 |
8:25
10:10
11:00
11:45 |
登山口(造林小屋前)
・726(尾根合流)
961ピーク
頂 上 |
14:20
13:25
12:45
12:15 |
[3:20] | 所要時間 | [2:05] |
|
八雲市街地の後ろにゆったりと聳える存在感のある山ではあるが、登山道がなく、これまで2度山スキーで登り、『北海道雪山ガイド』にも掲載した。ところが、3年前に桜野側の沢からこの砂蘭部山に登った人から「頂上まで苅分道があった」という情報をいただいていた。しかし、それがどこから繋がっているのか判らず、SHOさんやTaoさんと何度も近くの林道を走ったりして探していた。
それが、昨年、森林管理署等の情報で、砂蘭部川沿いの林道の昔の熊嶺集落のあった辺りの作業小屋の前から繋がっていることが判明した。その情報をもとに、今春にSHOさんたちが登り、自分はTaoさんと一緒に昨日登る予定だった。
たまたま、やはり、この苅分道情報を調査していたというHYML仲間の龍さんから、「数日前に、961ピークまで辿ったが、時間切れで戻ったので、28日に再訪したい。一緒にどうですか?」というお誘いメールをいただいた。そこで、我々の予定を一日ずらして同行することにした。しかし、Taoさんは急に都合が悪くなって、龍さんとその仲間のAさんとNi女史と4人で出掛けた。
砂蘭部川の左岸に続く舗装道路の終点から林道を2.5kmほど進むと分岐があり、そこを左へ進む。この道は地形図に載っている。ちなみに右へ直進するとゲートがある。さらに道なりに1kmほど進むと、造林休憩小屋が建っている。ここは、昨年の春に探索に来ていたところだ。この辺り一帯は、戦後に開拓入植した熊嶺地区があったところで、サイロの廃墟や熊嶺小中学校跡地の碑が今でも残っている。
その左側の作業道からスタートするが、すぐ2方向へ分かれている。左側の方が見通しが良く、そちらへ進みたくなるが、ここは右へと進む(2)。4日前に一度入っている龍さんの「龍」と記されたピンクテープ(ドラゴンテープ)がそちらにぶら下がっている。
日当たりの良いところは、フキやウドや笹の新芽などが大きく伸びている。彼らは4日前にそれらを鉈で刈りながら進んだらしい(3)。自分も今回は鎌を持参し、更に刈りながら進んだ。
日陰の所は夏草が繁らず、快適な道もある(4)。三等三角点500.9ポコ(点名・砂蘭部)の付近で尾根に乗り、方向を南へと変える。ここから頂上まで、人工林を抜けても、ずっと尾根を外すことなく道は続いていた。
標高660m付近に両方ともはっきりとした道の分岐がある。ここがSHOさんたちが迷って右へ進んだ所らしい。ここは左が正解とのこと(5)。
やがて、標高点720地点で左からの冬に辿った尾根と合流する。そちらから合流する尾根からの作業道はなかった。ここからは、冬に山スキーで辿った尾根と同じだが、全く展望がない。
そこから961ピークまで急登が続く。
961手前の横山から続く稜線に出て、初めて展望が広がる(6)。
彼らは、4日前にここまで、あちこち迷いながら、草を刈りながら登ったので、14時になり、時間切れで戻ったそうだ。今回は、まだ11時前だった。
その先の稜線のネマガリダケ林の中に幅4mほどの苅分道がずっと続いている。大きくなったウドやアザミや新芽の笹は繁っているが、昨年育った笹がないところを見ると、昨秋にも刈り払いが行われたようだ・・・?(7)。遅れがちのAさんとNi女史に先立ち、龍さんを先頭に二人で歩くのに邪魔な夏草や笹の新芽を刈りながら進む。熊の糞や寝ころんだ痕跡も多い。ときおり笛を吹きながら前進。
961ピークを越えると、頂上がすぐ近くに見えてくる。頂上までの稜線に苅分道が見えている(8)。左手眼下に桜野地区を見下ろしながらの稜線歩きで、頂上までも明確な苅分道が続いていた。
頂上手前コルまで進んで振り返ると、越えてきた961ピークとその奥に横山が見える(9)。沢からここへ上がってきた人は、ここで苅分道に出会ってびっくりしたのであろう。やがて、頂上へ・・・まず目に入ったのが、今冬登ったときにも目にしたダケカンバの枝に設置された頂上標識だった。この標識は、高さからしても冬に設置された物らしい(10)。
頂上もきれいに刈り払われて、快適に休むことができた(11)。ちょっと先の踏み跡を進むと、すぐ目の前に尖った小鉾岳とその奥に乙部岳と鍋岳、右手前に夏冬2回登っている紋内岳が見える。まさか、夏にここからこのような展望を眺めるとは思いもしなかった(12)。東側には噴火湾や駒ヶ岳も見えている・・・。
反対側には、苦労して登った沖沢山〜元小屋沢山〜雄鉾岳(13)。さらに右側には冷水山〜白水山〜遊楽部岳の連なりも・・・。
二等三角点(点名・砂蘭部山)も探すことなくすぐに目に飛び込んできた(14)。4人とも冬にも登頂しているので、この三角点を目にできるのは感激である。
特に、多分この山の夏冬制覇の女性は最初であろうと思われるNn女史は、大感激で、全身で喜びを表していて、こちらもうれしくなった。
頂上標識の付けられたダケカンバをバックに記念写真を撮って下山開始(15)。大雑把ではあるが草刈りと登りの歩きで道としてのはっきりとした痕跡が残る道を2時間で下って、無事ゴール!3人のお陰で、迷うこともなく歩けたことに心から感謝である。
ただし、この道のお勧めの時期は、夏草が伸びる前の春か、枯れる晩秋がお勧めである。この道がどんどん歩き込まれ、最低2年に一度でも刈り払いがなされれば、立派な登山道となること間違いなしである。そうなることを願って、登山口を後にした・・・。