砂蘭部岳(984m) A
<大新林道〜北尾根ルート>  山スキー  2名 12、2,21
03,3,16の北尾根ルートの「砂蘭部岳」

『雪山ガイド』の確認と見直しも兼ねて、大新林道から北尾根ルートから再訪

7:00 八雲・落部山荘発
8:10 大新林道入口  
登山
地 点
下山
 8:30
 9:50
----
12:55
大新林道入口
北尾根へ
910ピーク
頂 上
15:05
14:45
13:40
13:05
[4:25]
所要時間
[2:00]
16:00 桜野温泉(入浴)   
18:30 帰宅

 八雲町市街地の後ろにゆったりと聳える1000m弱の山であるが(1)小鉾岳に登って南側から眺めると荒々しく聳え、存在感のある山である。バブルの頃は、スキー場と麓にゴルフ場の一大リゾート計画が持ち上がった山である。 

 この山名は遊楽部川の南側の大支流・砂蘭部川の源流にあることに由来するのであろうが、永田方正の『北海道蝦夷語地名解』によると、「サラ・ウン・ペッ(尾・の・川)と記されているが、山田秀三によると、「サル・ウン・ペ(葭原・のある・もの(川)」だったのかも知れないとのことである。

 03年3月に登っているが、そのときの記録をもとに、昨秋に発刊された増補新版『北海道雪山ガイド』で、この山を担当して記述した。しかし、そのときは、砂蘭部川沿いの林道が除雪されていて、もっと奥から取り付いて北尾根に上がったので、記述した大新林道は、夏に車で通っただけだった。その様子も知りたくて、北海道の雪山を登り歩いているyuki@埼玉さんに同行しての再訪となった。

 天気が良ければ、2台の車を利用して、北尾根から登り、下山は横山経由で桜野の方へ下って縦走することも考えたが、目指す山の姿も見えないので、北尾根のピストンだけにとどめた。

 例年は砂蘭部川沿いの林道は最終人家の先が除雪終点だが、今回も、造材か工事の関係か不明だが、その奥まで除雪されていた。そこで、大新林道入口まで車で入り、そのそばの駐車スペースに車を置いてスタート。

 昨夏に車で走った快適な比較的新しい林道を進んでいく。橋を渡った対岸から斜度が増して、北尾根へと上がっていく(2)

 尾根に上がった地点で、その大新林道と別れて、北尾根を忠実に辿る。夏にはその痕跡はないが、この時期は、この尾根に昔林道がずっと続いていたことを思わせる痕跡がはっきりと判る(3)

 c420付近で、その林道の痕跡がなくなり、トドマツ林へと入っていく。木と木の間に雪が積もり、デコボコして非常に歩きづらい。木々の間を縫うように通過すると、その先には細いダケカンバ帯に入る。c530付近で再び密度の濃いトドマツ林にぶつかる。前回のときは、その中はとても通れないので、右側の沢地形へ抜けて、林を巻くように進んだ。しかし、今回は、そこを逆の左側の尾根の端を抜けるようにまっすぐ進んでみた。

急な尾根を登り切ると、標高点726だ。その手前で、左手に横山が見えてくる(4)

 その先はダケカンバ帯となり、斜度が増していく。910ピークへは上がらないで、ダケカンバの樹間を縫うように、c900の等高線上をトラバースして進んで、コルをまっすぐ目指した。この間がやたらと長く感じた(5)

 コルまで進むと、目の前に雪庇を発達させた頂上が姿を現した(6↓)9年ぶりの対面だが、そのときは晴天で大展望が広がっていたが、今回は残念ながら、周りはほとんど見えなかった。頂上ピークが見えただけでも良しとしなければならない。

 雪庇の根元の林の端を登って、最後の歩を進めるが強烈な西風が襲ってくる。顔が凍傷になりそうな感じと闘いながら、ひたすら頂上を目指す。



 頂上手前から、なぜか強風が当たらなくなり、微かに覗く陽光にポカポカしてくる。そんな中、長丁場の4時間半弱頂上へ到着したら、ダケカンバの幹に頂上標識が設置されていてビックリ・・・(7)登山道もない山なので、南側の沢から登る人もいるが、雪山としてもメジャーな山になりつつあるのかと嬉しくなった。頂上からは微かに910ピークとその奥に横山がみえている(8)しかし、それ以外の展望はなし。すぐ南側の小鉾岳も微かに見えるだけだった。
 
 下山は、少しでも滑りを楽しみたいので、来るときにトラバースした910ピークへシールを付けたまま登り返した。910ピークでシールを外して、滑降開始。しかし、相変わらずガス中で視界が遮られたままである(9)

 800m付近までは、なんとかダケカンバの間を縫いながらでもパウダーの滑りを楽しむことができた。そこで、さらに滑りを楽しみたくて下っていったら、小さな沢を跨いでしまい、そのまま下って行ったら、尾根を外して沢の中へ下ってしまうことに気づいて慌てて軌道修正。c750付近からは斜度が緩くなり、登りのトレースを辿るだけ。

 下山後、yukiさんの希望で、桜野温泉へ寄った。その後、我が家に帰宅して泊まっていただいた。




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