長万部岳(972.6m)  
<大峯温泉跡コース> 単独 山スキー  14,4,16
B08,11,10(単独)へ
A99,8,13のグループ、@92,6,28の単独へ
冬山コースの標識が設置されている長万部岳へ念願の積雪期の訪問が叶った

5:30 自宅発
登山
地 点
下山
 7:50
 9:05
 9:45
10:35
11:10
除雪終点
旧登山口
5合目鉱山跡
スキーデポ
頂 上
12:15
12:00
11:50
11:25
11:15
[3:20]
所要時間
[1:00]
13:30 黒松内温泉(入浴)
19:30 黒松内道の駅帰宅
この長万部岳は長万部市街地からは見えない。市街地から国道5号線をしばらく進み双葉地区まで来ると、左側奥に見えてくる(1)日本海側と 太平洋を分ける分水嶺となっており、東側から見ると双耳峰のように見え、その下の深く切れ込んだ谷が特徴的である。同町の中では最も古い海底の地層が頂上付近に露出しているらしい。昭和35年に長万部山岳会の手によって登山道の整備が行われた。道内でも珍しい冬山コースの標識が設置されたのは20年ほど前だという。

 以前は、2010年に解体されたうすゆき荘という山小屋があったところが登山口であった。しかし、最近は林道決壊などで、そこまで入れず、旧大峯温泉前から30分ほどの林道ゲート前が夏の登山口となっている。冬期間の入山口は、徐背う終点となっている旧大峯温泉前である。

 そもそもこの登山道や林道は、昔の二股鉱山の作業道を利用したものらしい。 その証拠に、標高710m地点の5合目には旧二股鉱山の施設跡があり、その奥の平坦なところにも遺構が見られる。
                                        

 
 二股鉱山は、 昭和12年(1937)から採掘され、瞬く間に、50戸の鉱山住宅や尋常小学校をも併設する規模に成長し、 鉛、亜鉛を採掘した。しかし昭和18年には休山。昭和25年に選鉱を再開したが、 昭和40年ごろには休山した短命の鉱山だったようだ。なお、この林道途中から右へ進む道があり、その先には地図にも「廃坑」の記載がる。

道内では珍しい冬山コースの標識があるのに、しかも地元の山なのに、積雪期にはまだ登っていなかった。今回ようやく念願がかなった。ちなみに、夏は3回登頂し、6合目付近まで1度登っている。朝早く自宅を出て、二股川沿いの道を進む。二股らじうむ温泉への分岐の先の大峯温泉の廃墟の前の除雪終点へ向かう。

 除雪終点の積雪はまだ1mほどもある(2)。スキーを履いて、かんじきをリュックに付けてその先の林道を進む。夜はかなり冷えたようで、雪面はガリガリである。すぐの標識には「長万部岳→登山口まで3100m、90分」と書かれている(3)この登山口はうすゆき荘があった地点で昔の登山口である。

 


 林道には、古いスノーモービルのトレースが残っている。のんびり歩いて行くと、林道の正面に山頂部が見えてくる。ここから見ると、なかなか高度感がある(4)夏は道なりに進むので、冬山コースの標識は目に入らないが、今回は「こんにもあったのか」と思うほど目につく。スノーモービルのトレースも林道の曲がりくねったところはショートカットしているので、それに倣う。1時間15で、昔の「登山口」標識の残るうすゆき荘のあった地点へ到着(5)
 そこから夏道を外れて九十九折りの林道をショートカットするのは分かっていたが、すぐその尾根に取り付くのか、もう少し川沿いに進んで取り付くのか分からないので、川沿いの林道跡を進んでみた。しかし、尾根との高度差が大きくなってくる。尾根の末端まで戻って尾根を登り始める。

 一部林道と合流するところはあるが、夏道コースを無視して、黄色の冬山コースの標識を探しながら進む(6)。その尾根なりに登って行くと、5合目の「鉱山跡」に出た。冬山コースの標識に鐘がぶら下がっている。その向こうに山頂部が見える(7)


 5合目の上は、概ね尾根の上に標識は続いているので、それを探しながら進む(8)夏道は沢型の中に続いているようだ。やがて、長万部と今金の境界となる頂上へ繋がる北尾根へ乗って、方向を南に変える(9)北西の強風が吹き9抜け、斜度が急になる辺りからアイスバーンになる。スキーのエッジも効かない状態だ。少し登って、かんじきに履き替える。急斜面なので、かんじきの爪がなければと手も登れる状態でない。強風に煽られて転倒したら滑落しそうで慎重に斜めにジグを切って登り続けた。
 

 強風とアイスバーンと闘いながら、無我夢中で登って行くと、足元に3番の標識が現れる。斜度も少し緩んできて頂上が近い感じだ(10)。やがて、北峰へ到着。稜線の先の本峰の上に頂上標識が見える。この間が下から見える二つのピークを結ぶ頂上稜線である(11)


 天候はまあまあで、展望も利くが、何しろ風が強い。これで4回目となる頂上標識とその後ろの利別岳をそそくさと写して直ちに退散である(12)。黒松内岳は太陽の恵みを受けていたが(13)狩場山と大平山は雲が絡んでくっきりとは見えなかった。

 かんじきの爪を効かせてスキーのデポ地点まで戻る。強風にスキーが飛ばされないように留意しながらシールを剥がし、斜度の緩むところまでスキーを抱えて下り、スキーを履いた。北尾根から下に落ちると、風もなく、雪も程よいザラメ雪である。あとは、登りのトレースを探しながら快調に下り、3時間以上かけて登ったところをわずか1時間でゴールイン。結構条件が良いと滑りを楽しめる斜面もあるので、いずれは、パウダーのころの風のないころにでも再訪して、深雪滑降を楽しみたいと思った。


 
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