摩周岳(カムイヌプリ)(857m) 〜西別岳(799.5m) 
 単独  11,10
,4
97,8,8の「摩周岳」
00,8,5の「西別岳」

摩周ブルーが鮮やかな好天に恵まれて、両山縦走ピストン
 
道の駅摩周温泉    
登り地点
5:45
6:40
7:25
8:05
8:40
9:05
9:50
第一展望台
683mピーク
西別岳分岐
摩周岳着
  〃 発
西別岳分岐
西別岳
12:10
11:25
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10:45
10:05
[4:05]所要時間[2:05]

藻琴山・東藻琴コース登山口へ

 摩周岳(カムイヌプリ)は、カルデラ湖の摩周湖の一角に、大きな爆裂火口を持って聳える山で、神秘的な摩周湖の眺めに野性的な変化を与えている(1)西別岳は、その南東隣に連なる山で、摩周岳への登山道と縦走路で結ばれている。

 摩周はアイヌ語で、「鍋のような湖に影が泳ぐように見える」の意が有力な説らしい。別名のカムイヌプリは「神の山」の意。西別岳は、西別川の源頭にある山だが、山の辿り着く前に涸れていることから、アイヌ語のヌーウシベツ(涸れ沢の意)が語源らしい。
  
 摩周岳は、97年以来14年振り、西別岳は00年のガス中登山以来11年振りの再訪だが、今回は摩周岳からの縦走路ピストンで、両山を繋いでみた。

 前回がそうだったので、湖面が朝靄のベールで覆われていることを期待して、夜明け前に登山口の摩周岳第一展望台へ向かった。しかし、屈斜路湖の湖面は朝靄に覆われていたのに(2↓)摩周湖の方は期待に沿ってくれなかった。外輪山から昇る朝日に赤く染まる東の空をバックにシルエットとなる摩周岳と外輪山が美しい(3↓)

○まずは、摩周岳へ

 登山口となる第一展望台駐車場には、そこで夜を明かしたらしいご夫妻の車が一台。そのご夫妻より15分ほど遅れてスタート。頂上までの標高差は300mほどしかないが、距離が7.2kmの外輪山の稜線を辿り、途中682ピークを越えなくてはならない。登山道は、数日前に刈り払いがされたばかりで、快適な一級国道だ。歩き始めから暫くは湖面が見えるが、683.5ピークへの登りに掛かると見えなくなる。
 およそ中間地点となる683.5ピークを越えたところで、先行のご夫妻に追い付く。「天候は最高で、摩周ブルーはとてもきれいですが、紅葉がイマイチですね〜」との共通した想いの会話を交わす。紅葉の赤を演出するナナカマドは非常に多いのだが、全て色づく前に茶色に枯れていた。他の木の葉も傷んで、殆ど枯れたり、丸まったりしている。

 しかし、晴天を映す摩周ブルーはみごとだ。その真ん中にポツンと浮かぶカムイシュ島が湾ピントの変化をもたらしている。この島は、湖底からの溶岩ドームの頂上部分が湖面上に現れた部分らしい(4)

 やがて、左手に西別岳が見えるようになる。笹原を彩る一面のホツツジの紅葉が美しい(5)

 緩やかな丘陵を思わせる中に続く幅広の登山道の向こうに見える摩周岳の火口壁へと近づいていく(7)前回来たときには、この辺りの右側には、白骨化した立ち枯れ状態の木がたくさんあったような気がしたが、今はもうすっかり朽ちてなくなってしまったようだ・・・?

 やがて、西別岳への分岐に到着。縦走路は、前回は薮が被っていた記憶があるが、今回は、ここまでと同じに非常にきれいに整備されているのがうれしい(8)

 とりあえず、摩周岳を目指して、若いシラカバ林の中を進む。左側が火口壁となり、徐々に斜度が増してくる。右側は、わずかながら紅葉がきれいな状況である。


 途中に、火口壁と摩周湖のコメントその奧に屈斜路湖まで見える贅沢な展望が広がるところがある(9)。その上にも、頂上を真下から見上げるようなところもある(10)。そこから、火口壁を離れて、右手の急斜面を巻くようにして登り詰めると、尖った溶岩の上の狭い頂上へ飛び出すような感じ到着する。


頂上の少し下から頂上を中心にパノラマ撮影で繋いでみた(11)


 頂上からは、第一展望台からは見えなかった北東側の湖面も見える(12)爆裂火口の中も覗けるが、対岸の火口壁は頂上側とは対照的に針葉樹林で覆われているのも面白い。火口底には雪解け時期にでも水がたまるのであろう砂地のような部分が見える(13)

○西別岳へ

 ゆっくりしたいところだが、天候は良いが、風が冷たい。朝食のおにぎりを食べるために、風の当たらない下の方へ下ったところで、途中で追い抜いたご夫妻が到着。その直ぐ下の登山道で朝食を摂る。風が当たらないとポカポカして気持ちがよい。

 西別岳の分岐まで戻り、縦走路へと進む。紅葉できないまま枯れかけているダケカンバなどの木々の間に快適な道が続いている(14)

 前半は、やや下り気味のほぼ平坦な道を淡々と歩く。コルを越えると西別岳へ向けて登りとなってくる(15)コルから見上げると手前のピークにも標識が見える。そこまで行くと、「又股牛別岳」の標識があった。
 

 ちょっと下って、自然石を階段状に並べてある道を登り詰めて行くと草原状の西別岳頂上に到着する。摩周岳から眺めたときはずいぶんと遠いと感じたが、分岐からわずか45分だった。頂上から眺める摩周岳と摩周湖の眺めもなかなかだ。火口壁の左奧にこの後に登る藻琴山も見えている(16)前回は、ガス中で何も見えなかったこともあり、眺めがとても新鮮が感じだ。立派な頂上標識とともに青空をバックにセルフタイマーで記念撮影(17)


 反対側には、西別コースの稜線上の登山道とその先に根釧台地が広がっている。登山道には登ってくる2名の姿も見えている(18↑)。さらに目を左側に向けると、稜線上のリスケ山と北西別岳のピークが見え、その奥に斜里岳や一昨年の3月末に数日間掛けて山スキーで登り歩いた標津山地の山々の連なりが懐かしい(19↑)

 遮る物のない360度の大展望を十分満喫して下山に掛かる。分岐まで戻って、登山口を目指す。途中数人と出会うが、いずれも天候の良さを喜んでいる。683.5ピークを越えたところで、南側の笹原の中にコンクリート勢の標石を見つける。微かな踏み跡があるので、辿って近づいてみたら、「子午線標」だった(20)

 子午線標は、一等三角点で天測点のある山から少し離れた地点に設置されていることは知っていたが、初めて目にすることができた・・・ということは、この近くに一等三角点で天測点のある山があるはず・・・帰宅後調べてみたら、その南側の仁多山がその山だった。天測点のある道南の当別丸山や写万部岳の近くにもあるはずで、三角点マニアの人たちが探しているらしいが見つけたという話を聞いたことがない。ちなみに、道内で天測点のある山は8ヶ所で、道南の2山の他に日高のペラリ山と長沼町の馬追山では目にしている。
 天測点と子午線の関係については右記が詳しい→ http://taneichi.fc2web.com/sigosenhyou.html

 偶然だが、珍しい発見にちょっと満足して下山を続ける。登山口の少し手前で、朝、先行したご夫妻に追い付いた。第一展望台から。改めて摩周湖と摩周岳の写真を撮り、駐車料金410円を払って、次の藻琴山へ向かう。



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