5:00 自宅発
7:30 JR黒松内駅集合
登下山 | 地点 |
8:20
8:30
9:10
11:30
12:30 |
夏道登山口
重滝から入渓
320二股
源頭(薮へ)
頂上着 |
[4:10] | 所要時間 |
13:15
13:25
15:55
16:25
16:30 |
頂上発
夏道から沢へ
285二股
ぶな滝
夏道登山口 |
[3:15] | 所要時間 |
17:00 長万部温泉(入浴)
19:15 おぼこ山の家(泊)
|
この黒松内岳は、黒松内町の南西部に聳え、東側から眺めると端正な山容を見せるが、長万部方面から眺めると西側に長く緩い尾根を引いて、鯨のようにも見える山である。この山一帯はブナ林の北限地帯で、一般登山でブナ林を見ることが出来る最北の山でもある。
山名は、黒松内川の源流部にあることに由来。アイヌ語のクル・マツ・ナイ(和人女性のいる沢)が語源といわれる。出稼ぎの漁夫を慕って本州から来た女性達の船が難破し、そのままこの地にとどまったという伝説もある。
3度目となる今回は、
今年3冊目の沢の本を出版したganさんをリーダーとするHYML(北海道の山ML)の沢オフミに参加した。札幌から8名、函館から2名の10名の大所帯で、夏道登山口近くの黒松内川から頂上へ突き上げる重滝右股沢を登り、頂上を経て、ぶな滝右股沢を下るという贅沢な沢縦走となった。
○次々と現れる滝を楽しみながら・・・・
JR黒松内駅で札幌組と合流。そこで身支度をして、夏道登山口を目指す。駐車場から奧に続く林道を進む。すぐに下山のゴール地点となるぶな滝を眺めて、さらに進むと、
10分ほどで入渓地点となる15mほどの重滝(しげたき)の沢となる。この滝は、左から高巻くしかない(1)。
予想したより、水流が少ないようだ。何度も登っているganさんも同じことを言っていた。次に深い滝壺を持った5mほどの滝・・・ここは、へつりながらも滝を跨いで直登(2)。この後もこのような釜をもった小滝が次々と現れる。
更に続いて、10mの滝・・・ここは、途中までは登れそうだが、最後の所に手がかりがないので、無理せずに右から高巻いた(3)、
続いて、またまた5mほどの滝・・・ここはホールドがしっかりしているので、全員直登を楽しむ(4)。
次々と休む暇もなく現れる滝に喜々として登っていく。短い中にこれほど次々と滝の続く沢も珍しい・・・写真に収めてくるから印象に残るが、そうでもしないと、一つ一つの滝の印象が薄れてしまうくらいだ・・・。
やがて、320二股出会いに到着。ここからは右股沢へ進むことに・・・。
またまた、10mの滝・・・ここは、ホールドがしっかりしているので、初心者は出してもらったロープを頼りに登ったが、私を含めて5名はロープなしで登り切った(5)。
この先にも、高巻きが必要な滝がもう一ヶ所あったが、
それを越えると大きな滝はなく、滑床が続く。これが結構厄介で、わずかな手かがりや足掛かりを頼りに這うようにして登ったり、周りの笹や灌木に掴まって靴のフリクションを利かせて登っていく(6)。
上の方を見上げると、沢型のはるか上に稜線のポコが見えてくる。しかし、この後に急斜面の薮漕ぎが待っているはず・・・(7)。
c480付近?で両方とも岩崖で遮られたような二股にぶつかる・・・結果的に、ここを左に取ったのが間違いで、苦労の始まりだった・・・本来は、源頭から30分ほどの薮漕ぎで稜線へ出るはずだったが、早くに沢型が消えてしまい、強烈な薮漕ぎへと突入。
責任を感じたganさんが、ルートファンディングしながら薮を切り開いて進む。しかも、斜度がかなりきつく、滑って手こずるところも多かった。
振り返ると、一瞬であるが、ガスの晴れ間から長万部岳が姿を現した(8)。
約1時間の強烈な薮漕ぎの末、エゾカンゾウの咲く稜線出に出て、
展望のない頂上へ到着(9)。ganさんが手慣れた感じで、全員のわかめとウィンナー入りの2種類のラーメンを作る。山で、しかも大勢で食べるインスタントラーメンはどうしてこんなに美味いのだろう・・。
○4回の懸垂下降とへつりやドボンを楽しみながら別の沢を下る
下山は夏道を下る手もあるが、ganさんの計らいとみんなの希望で、登りと別のぶな滝右股沢を下ることになる・・・私自身は昨秋の日高沢縦走以来の贅沢な沢縦走である。
登山道を少し下って、c660付近の源頭から沢へと下っていく(10)。
徐々に水量が増えて、やがて、深い釜をもった小滝が連続してくる。へつってなんとか釜をかわそうとするが滑ってドボンと腰まで浸かる人も・・・私は抵抗せずに初めから釜の中へ・・・こんなことも楽しいひとときだ(11)。
3ヶ所目の滝は、後を歩いていた自分だけが、偵察を兼ねて高巻きを続けてみたら、滝の下にスムーズに降りてしまった(14)。下で懸垂下降の手伝いをする。多くの人は練習を兼ねて懸垂下降をしたが、数人は時間節約のために私の降りたところを降りてきた。
最後の4つ目の滝も全員懸垂下降(15)。10人もの人数で懸垂下降をすると、一回に付き、30〜40分は必要となる。当然、距離の割には時間が多く掛かることに・・・。しかし、この間休めるので、行動時間の割には疲れは少ない。
左股沢との出会いとなる285二股から下は、もう大きな滝は現れなかったが、へつりが難しい小さな釜や小滝を楽しむことができた。
最後の狭く緩い滝は、尻で滑ったりしながら下半身ずぶ濡れで下降した(16)。
やがて、白い一枚岩の上を流れるぶな滝の先に、林道の下へ続く大きな鉄管が見えてきて、ゴールとなる。
国道へ出たところにある狩場駐車場で、札幌へ帰る6名と別れ、あすの岩子岳の予定の札幌組のganさんとKiさん、函館組の私とKi嬢の4名は、長万部温泉の温泉ホテルでさっぱりする。
八雲市街地で買い物をして、
宿泊先のおぼこ山の家へ向かう。着いたら、もう19時を過ぎていた。先に着いていた札幌のKuさんと、我々のお世話をするために駆け付けてくれたこの小屋の管理者の一人でもあるHYML仲間の八雲のBaさんも含めて、楽しい夕餉のひとときを過ごす(17)。
途中で、八雲高校の山岳部顧問であるAさんご夫妻も駆け付けて、さらに楽しいひとときとなる。しかし、翌日の早い出発に備えて21:30には就寝・・・・。