登山 | 地点 | 下山 |
6:50
8:05
8:35 |
登山口
コ ル
頂 上 |
10:35
9:25
9:05 |
[1:45] | 所要時間 | 1:30] |
11:30 黒松内温泉・ぶなの森
(入浴)
15:00 帰宅 |
黒松内町の南西部に聳え、東側から眺めると端正な山容を見せる山である(1)。しかし、長万部方面から眺めると西側に長く緩い尾根を引いて、鯨のようにも見える。この山麓一帯はブナ林の北限地帯とされ、一般登山でブナ林を見ることが出来る最北の山でもある。
山名は、黒松内川の源流部にあることに由来。アイヌ語のクル・マツ・ナイ(和人女性のいる沢)が語源といわれる。出稼ぎの漁夫を慕って本州から来た女性達の船が難破し、そのままこの地にとどまったという伝説もある。
この山も9年ぶりの再訪であるが、前回はガス中登山で、展望にも恵まれなかった。いずれは、ブナの新緑の頃に再訪しようと思いながら、延び延びになっていた。
長万部蕨岱から国道5号線と分かれ、黒松市街地へ向かうと国道を進むと、直ぐに狩場山駐車場公園がある。その北側から黒松内川沿いの林道に入る。
5.5kmほど先が登山口だ(2)。
いきなりトドマツ林の中の急な登りが続く。1合目と3合目を結ぶ「ブナ林コース迂回路」が新しくできていた。下山時にそちらを通ることにして、まっすぐ進む。
3合目を越えると、トドマツ林からブナ林の尾根道となる。周りがすべて柔らかな黄緑色に染まるみごとな新緑だ(3)。
それらのしっとりとした雰囲気の中をのんびりと登っていく。たまに両側の竹藪にタケノコが頭を出している。その中でなるべく太い物を選んで採りながら進む。
やがて、斜度が緩み、北側の展望が広がる気持ちのよい稜線歩きとなる。ここのブナ林は、標高のせいか、まだ葉が開き切っていない(4)。
ブナ林を抜けると、528標高点から下りとなり、
正面に雪崩れ斜面をあちこちに巡らせて、岩を露出させているいる荒々しい山容と頂上までの急な尾根道が見えてくる(5)。
覚悟の急登が続くが、最も急な9合目付近は、高度感のある足場の悪い岩場となっている。「ロープはあくまでも補助です」と書かれた小さな看板が立っているが、高所恐怖症の自分には、そこに設置されているロープなしには、とても上り下りできない。
そこを、恐る恐る登り切ると斜度が緩み、まもなく頂上である。ただし、そこは三角点と頂上標識が設置されているピークで、その奥にまだ高いピークがある。地図で確かめたら、ここより10mほど高い750mのコンタが引かれている。藪漕ぎで行ってみようとも思ったが、踏み跡もなく諦めた。
前回はガス中で展望がない上に、羽蟻の大群が巣くっていて、逃げるように下山した。
しかし、今回は多少ハエのような虫がいるくらいで、遠望もかなり遠くまですっきりと見え、おまけに無風。5日連続の山旅の最終章の山としては、最高の山頂だ(6)。
南側には噴火湾と駒ヶ岳から恵山まで(7)、南東には、まだ白い長万部岳とその奥に遊楽部岳が(8)、西側には、大平山(9)、北側には寿都湾と積丹半島、
北西には、ニセコ連峰と羊蹄山(10)、さらに西側には支笏・洞爺湖付近の山々と噴火湾の海岸線と室蘭の地球岬まで。360度のみごとな大展望が広がる。
おまけに直ぐ側で、タカネザクラが蕾が綻び始めている(11)。
携帯電話が通じるので、5日前にこの山に登り、山菜をたくさん採って下山したという
U-CANさんに、登頂の報告旁々、その場所をメールで聞いたら、すぐにレスがあった。ウドは迂回路だったとのこと。そんなやりとりをして、これ以上はないと思われる大展望を心ゆくまで堪能し、下山を開始。
細い稜線から少し下った辺りのやや太めの竹藪に潜り込んで、タケノコ採りに興じる。100本ほども採ったであろうか?さらに、
3合目からのブナ林コース迂回路に入り、ブナの新緑を楽しみ(12)、沢の付近でウドの採取をする。あと欲しい物はタラの芽である。
登山口から、タラの芽を求めて林道の奥へ車で進んでみたが、見当たらず、
重滝(しげたき)(13)を見ただけで戻った。しかし、タラの芽を諦めきれずに帰路の林道から別の林道へ入って探したら、立派なものを食べきれないほどゲットでき、大満足で黒松内温泉ぶなの森へ向かう。
5日連続好天に恵まれた妻同行の低山再訪山旅の帰宅後の打ち上げは、山菜の天ぷらや山菜料理であった。