10:10 どこが頂上か分からないようなのっぺりしたフレ岳頂上に到着。ここまでちょうど4時間である。一番高い地点へ近づいていくと、それまで見えなかった恵庭岳の全貌、支笏湖、風不死、樽前山がド〜ンと現われる。3人とも[すごい!すごい!」を連発(1)。すぐ下にフレ沼、その向こうに目指す漁岳(2)、遠くには夕張岳も見える。20分ほどの休憩をして、次の目的地小漁岳を目指して出発する。ここから小漁岳までは、ここまでとは違うアップダウンのある複雑な稜線歩きとなる。コルへ下って行くと右下にオコタンペ湖が覗き、左側には豊平川の源頭部が食い込んでいる987コルを通過する。

 いよいよ、このコースの最難関だと思っていた1128ピークを西側から巻こうとするところで、反対側から縦走してくる単独の男性と出会う。すぐ上の急斜面で滑落して、木にぶつかって止まって助かったという。この男性、2万5千の地図を忘れて20万の1の地図しか持っていなくて、ganさんが地図をあげる。HPのアドレスを書いた名刺を差し上げると、「えっ!函館の坂口さんですか?いつもHP見ていますよ!」と来る。彼からもらった名刺を見てびっくり、この男性は私のリンク仲間で、東京の日野市在住のSaさんの弟さんで、お兄さんのHPの北海道の山で同行するT氏の名で登場する方である。彼はフレ岳と丹鳴岳を越えて,千歳鉱山の方へ下りるとのことである。

 彼と別れて1128ピークの西斜面のトラバースに取り組む。しかし、この急斜面はとてもトラバースできる傾斜でなく、スキーを脱いで、鼻を雪面にこすりそうな感じの急斜面をganさんにステップを刻んでもらって、稜線まで直登する。転んだら滑落間違いなしの急傾斜でかなりの緊張を強いられる。ゲレンデ用の重いスキーが災いし、最後少しのところで、ganさんにロープでスキーだけ引っ張り上げてもらう。思わすタイムロスをして、1128ピークに立つ。このコースの最難関を突破し、ほっと息をつく。ここは東側を巻くか、忠実に稜線をつぼ足で登った方がよかったかもしれない。コルまで下り、右側がオコタンペ湖へ落ちる稜線上を辿り、小漁を目指す。

 12:16 スタートから6時間少々で小漁岳頂上に到着。ここまでくれば、目指す漁岳は指呼の間である(3)。あと1時間を見込んで10分休憩。漁岳頂上で迎撃してくれるMiさん親子、頂上まで来たというToさんに携帯電話を入れる。少し下り、一端登り返し、さらにコルまで下る。この辺りから待ってくれている3人の姿が漁岳の頂上にはっきり見える。待っている人がいると思うと、どうしてもペースが速くなり、2箇所の急斜面で、初めてこちらから「休憩」を申し出る。

 13:11 ようやく延々7時間の長丁場を踏破し、3人に迎えられて、漁岳頂上到着。我々が到着するまで、昼食も摂らずに待っていてくれた3人に感謝しながらの昼食である(4)。まず、函館から持ってきたいかまんまを温めて食べてもらう。ほかのメンバーはラーメンであるが、私はこの冬からこだわっている鍋焼きうどんである。記念写真を撮り(5)、しばし休憩。

 14:25 1時間15分の休憩後、後は楽しみなスキー滑降である。頂上直下の急斜面の滑りを楽しんだあと、1175ピークを巻いて、細い尾根斜面に差し掛かる。スキーに自信のないので、頂上下のコルにスキーを置いていたToさんが、スキーを脱いでつぼ足で下るというので、私が林道まで樹林帯の尾根斜面をスキーを持って下ることにする。2本のスキーをストック代わりにして、遅い人を待ちながら楽しい滑降を続ける。林道へ出て(6)、Toさんもスキーを着けて,林道滑りを楽しむ。

 16:13 登山口となる林道入り口へ到着。10時間にわたる長い体力勝負のゴールである。それをまるで祝福するかのように、白老岳から降りてきた北海道のMLの4名が乗ったの車が偶然そこへ通りかかり、感激の祝福を受ける。その後、Toさんの車で、滝笛トンネルまで戻る。その後、真狩温泉にはいって、次の日の目国内岳スキー登山に備える。

 夏には1日に15時間行動した1839峰や、カムエク日帰りの11時間30分などの経験はあるが、山スキーを履いての10時間の行動は初体験である。年甲斐もなく、またまた体力に自信がついてしまう。
 
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