26日目 2004、10,30 (雨)  44〜45番   <43.6km> トータル<767.9km>    

<お遍路無料宿>4:15→(32.4km)→44番大宝寺→(8.6km)→45番岩屋寺→(2.8)→16:15<国民宿舎古岩屋荘>(久万高原町)

○スーパー健脚大師様と同行二人・・・標高790mのひわた峠を越えて43.6kmを歩く
 3:45分に目が覚める。寝過ごす心配もあり、またのんびりする雰囲気の場でもないので、二人で出発の準備をし、部屋を来たときよりもきれいに整理する。

 Taさんが、「自分は遅いので、先に歩いてください。」と言われる。しかし、これまで数日間は私と同じ宿に泊まってきているところから速さはどうか分からないが、歩く距離は同じである。71歳にしてはかなりの健脚のはずである。

 4:15、彼の進言にしたがって一歩先に出て雨も上がった状態の暗い国道379号線を歩き始める。3kmほどで、国道と川を挟んで左側に続く内子町大瀬の集落の中を通る。ここも、古い家並みが続く懐中電灯を持って歩いているおばあちゃんと立ち話をする。

 ここも昔宿場町で栄えたところで、今は昔の町並みを残そうと復元をしたり、整備をしたりしているのだそうである。途中で雨が降ってきたので雨具を身につける。その大瀬の集落から再び国道379号線に出たら、300mほど先をTaさんが歩いている。彼はまっすぐ国道を進んだらしい。

 とても早足で追い付くのにピッチを上げても20分ほどかかった。その後は、歩くペースがまったく同じなので、ずっと一緒に歩くことにする。それにしても、71歳とは信じられない健脚である。

 彼に煽られる感じで、この日は、ひたすら常に登り勾配の県道や国道、そして、それをショートカットする遍路道などを26kmも歩き続け、これまでの最高地点を通過する標高790mのひわた峠を越える(1)。さらに、44番の大宝寺と45番の岩屋寺を打ち、行動時間12時間、距離もこれまで最高の43.6kmも歩いた。
 
○久万高原町と45番大宝寺
 ひわた峠を越えて44番の大宝寺と45番の岩屋寺のある久万高原町へと下りていく。樹間からその市街地が覗く(2)。この町は、市街地でも標高500mほどの高原の町である。なんとスキー場まである町である。

 11:00過ぎ、その市街地へ入っていくと道のあちこちに華やかな万国旗が張られている。この町の神社のお祭りのようである(3)。なんと大宝寺への門前の道にまで、それが張られていてちょっと違和感を感じる。

  大宝寺の付近には食堂がないので、寺の前の店で大福饅頭を買い、参拝と納経を終えて、その境内(4)でそれを食べて休憩する。

○この旅初めて目にするみごとな紅葉と岩屋 
 大宝寺からさらに今夜の宿である44番の岩屋寺の手前にある国民宿舎古岩屋を目指す。

 ここも、まずは大宝寺の後ろの712mの山を越える遍路道である。もう歩き出して8時間を過ぎているのに、Taさんも涼しい顔をして登っていく(5)。県道12号線を3kmほど歩き、再び山の中の遍路道へ入る。

 その道を2km弱歩くと、標高730mを越える八丁坂という急登で有名な難所がある。巡打ちの場合はこの八丁坂から44番の岩屋寺を打つべきなのであろうが、先に宿の古岩屋荘にリュックを預けて岩屋寺を打つために、ここはパスする。まだ歩き始めならともかく、すでに40km近く歩き続けている足にはとても挑戦意欲も湧かない。

 古岩屋荘の方へ下りていくと垂直に切り立った岩壁とその周りの紅葉がみごとである。さすが標高500mを越える高原である。それにしても、この旅で初めて紅葉を目にし、初めて秋だということを認識する(6)。

 それにしても、この辺り一帯の垂直に切り立った数々の鋭峰はみごとである(7)。その壁の途中のあちこちに大小様々な穴が空いている。それが「岩屋」のいわれらしい。
 
○国民宿舎古岩屋荘と岩屋寺
 その下に、今日の宿がある(8)。周りはすべてこの鋭き切り立った岩壁と紅葉がみごとな景勝地である。しかも、うれしい温泉である。

 宿に着いたら、まだ14時である。すでに40km近くも歩き、10時間近くも経っているのに、休むのにはまだ早い時刻である。いやはや71歳のスーパー健脚大師のTaさんも同じ気持ちである。二人とも、岩屋寺を打つべく、そこにリュックを預け、さらに2.8km離れた岩屋寺へ向かう。

 岩屋寺への登りは急な長い階段が続き、八丁坂をパスした分、しっかりとツケを払わされた。オーバーハングしている岩壁にめり込むようにその岩屋寺は建っている(9)。

 その情景を以前大晦日のNHKの「行く年来る年」で見たような気がしたので、納経所で聞いてみたら、やはりそうであった。いよいよ長いゴールを目指して疲れた足を運ぶ。

 泊まりの団体の中に函館の夫婦がいたので、挨拶に行く。なんと、そのご主人と函館で過ごしたことのあるTaさんに共通の知人が数人いて奇遇に驚く。

○支出
賽銭40円、納経料1,000円、スポドリ&お茶300円、洗濯代200円、大福350円、ビール1,050円、宿代6,800円<合計9,740円> 
 
 
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