夕日岳(594m)  (定山渓神社コース)  単独  02,05,17

札幌出張の帰路の途中に定山渓を挟んで対峙する朝日岳とセットでの駆け足登山

登山
地点
下山
13:55
14:25
14:40
定山渓神社
見晴台
頂 上
14:25
13:58
13:45
[0:45]所要時間[0:40]
夕日に輝く夕日岳定山渓温泉を挟んで登山道が開かれている夕日岳と朝日岳は、函館と札幌を中山峠経由で往復するたびに眼にはしていたが、簡単に登れそうな低山で、登行意欲もそれほど湧かず、ずっと登り残していた山である。

 たまたま札幌での会議が午前中で終わったので、急遽、帰路の途中に両方の山をワンセットにして登ることにする。時間的に夕方になり夕日に輝くであろう夕日岳(1)を朝日岳から眺めるために、先に夕日岳に登るつもりで、書店の「夏山ガイド」の立ち読みでそれぞれの登山口だけ確認し、あとは登りながらの楽しみのために本文や地図は読まずに、まずは定山渓温泉の東側の夕日岳の登山口である定山渓神社に向かう。

 白糸隧道の温泉側からも登山道があり、見晴台で合流しているらしいが、そちらは距離的に物足りないので、定山渓神社コースをピストンすることする。神社の大鳥居の横に立派な登山口の標識が立てられている。頂上はどこなのかも分からないまま、神社の横の空き地に車を置かせてもらい、ナップザックにスポーツドリンクとデジカメだけを入れて運動靴で出発する。

 神社の横の沢沿いに登山道が続く。少し登ると、真新しい標識が設置され、「見晴台まで50分、見晴台から頂上まで20分」と書かれている(2)。「恐らく1時間も掛からないで登れるだろう」と思いながら歩き始める。道端には、盛りを過ぎたニリンソウやエゾエンゴサクが咲いている。沢には砂防ダムが次々と続き、最奧のダムの手前で沢も踏み跡も二股になっている。ちょっと迷うが左側の小さな沢の方が登山道らしいのでそちらへ進む。 やがて、急な山腹をジグを切って登っていく。ロープが張られている急なところがあったり、道も細くトラバース気味なので、斜面に向かってズルズルと滑って非常に歩きづらい。底の減った運動靴にしたことを後悔する。思った以上に汗が吹き出て結構ハードなのぼりである。

 ジグを切って高度を一気に稼いで、ちょっと小さな尾根に出たと思ったら、再び山腹をトラバースする道となり、標高差のない北側への道がどこまでも続く。地図も持たず頭にも入っていないので、不安になってくるが、そのまま進む。その山腹には、大きな花びらのシラネアオイがたくさん咲いている。左側の樹間から逆光の定山渓天狗岳の黒く不気味な岩峰と小天狗岳の鋭峰が覗く。

 やがて、頂上へ続く尾根に乗って、白糸隧道からの登山道と合流しているところが見晴台で、これから登る朝日岳とその手前に定山渓温泉街が見下ろせる(3)。その向こうに無意根山や定山渓天狗岳や小天狗岳が見える。見晴台のすぐ上にNHKのテレビアンテナが数本立っている。それらを左手に見ながら頂上まで続くらしい稜線を忠実に辿る。林の中のあちこちの新緑をバックにムラサキヤシオツツジがその明るいピンク色を際立たせている(4)。最後はちょっとした急登で登山口から45分で、林に囲まれて頂上感のない中途半端な頂上へ到着する(5)。

 わずかに林の切れたところから隣の鋭い頂上を持った春紅葉に萌える756峰が見えていて、その向こうにまだ白い無意根山〜中岳〜喜茂別岳が見えている(6)。下から見ても存在感のある756峰までは一度下っての登り返しはあるが、尾根続きなのだからそこまで登山道を作ればかったのに・・・・と思わずにはいられない。樹間からは神威岳、烏帽子が覗くがあとはほとんど展望がない。ゆっくりする気にもなれず、スポーツドリンクを飲み5分ほど休んで、下山を開始する。

 見晴台から下の山腹をトラバースする道は斜めになっていて、靴がズルズル滑り、何度か斜面の方に落ちていきそうになる。ロープを張ってあるところはそれにしがみついての下りである。やがて、登りと大差のない40分で登山口へ戻る。








朝日岳へつづく


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