ソウベツ川遡行
4名 07,8,07
まさに秘境・・・30m級の3つの大滝を初め深い釜を持つ10数個の滝を巡る探勝遡行を楽しむ。
8:05 2つの大滝上の駐車場(車デポ)
8:10 魚留めの滝入口駐車場
遡行
地点
8:15
8:30
9:05
9:20
9:45
10:25
11:05
11:25
11:50
魚留の滝入口
魚留めの滝
牧場の沢二股
右股30m大滝下
左股連滝上
牧場の沢二股
最後手前の30m大滝
最後の30m大滝下
車デポ
[3:35]
所要時間
11:55 魚留めの滝入口駐車場
12:20 洞爺いこいの湯(入浴)
GPSトラックログに基づく地図
洞爺湖へ注ぐこのソウベツ川は、アイヌ語で「ソー・ベツ」(滝の・川)に由来する川名の通り、支流も含めてわずか1.5kmほどの間で多くの滝を楽しむことができるらしいという情報を得たHYML仲間のYaさん(
昨年のペテガリ〜コイカク縦走
の同行者)からお誘いを受けての遡行である。
実際、名もない3つの30m大滝を初め深い釜を持った10個以上の滝を越えたり、高巻いたり、眺めたりと大いに滝探勝遡行を楽しむことができた。
洞爺湖畔のせせらぎキャンプ場で札幌からの3人と合流し、ソウベツ川支流の早月川沿いの道を進む。スタート地点の魚留めの滝入口の駐車場を越えて、私の車をデポする上の駐車場へ向かう。その入口に「滝探勝ルート入口」の看板が立っている。そこを入っていくと、駐車場があり、「展望台」(439.4ピーク?)への道や下の大滝へ繋がっていると思われる「入口」の看板が立つ刈り払い道が2本ある。樹間から眼下に大きな滝が覗いている。情報にはなかったが、その後、2つの大滝へ下りる道を作ったらしい。
○遡行開始
再び同じ道を戻り、
ソウベツ川の最初の滝へ繋がるらしい「魚留めの滝入口」の駐車場からスタートする
(1)
。
早月川を渡り、道なりに進むと案の定ソウベツ川へ下る。
その直ぐ上流に10mほどの
F1
(唯一名前のある魚留めの滝?)がある
(2)
。
釜が深くて直登も脇を登るのも無理である。Ya隊長は右岸の急斜面から高巻こうとして偵察を兼ねて登っていく。それを待つ間に左岸の急斜面を見上げると、上に道のようなものが見え、そこまでの急斜面に微かに人が登ったような痕跡がある。試しにそこを登ってみると、簡単にその刈り払い道へ出た。3人を呼び戻して後に続いてもらう。その道は滝の上を越えて、川へ下りて終わっていた。
その先にもところどころ岸に踏み跡がついているところを見ると、結構人が入っているようである。穏やかな沢相を10分ほど進むと、
今度は4mほどの
F2
が現れる。ここは右岸を登る
(3)
。
まもなく、右岸から合流する牧場の沢出合いである。この支流にもいくつかの滝があるらしいので、そちらへ進む。
○支流・牧場の沢へ
直ぐに3mほどの
F3
が現れ、
それを越えると二股にぶつかる。右股からは3mほどの
F4
が、左股はずっと上まで細い急な連滝が続いている
(4)
。
まずは、大滝があるという右股へ進むと、連続して4mほどの
F5
があり、その先に垂直に切り立つ岩崖が見え、
その右側から25mほどの迫力と涼味満点の
大滝F6
が落ちている
(5)
。
それを見上げながらしばし休憩。
無理すれば、左岸の急斜面を高巻いて上に出ることはできそうだが、情報としては、その先は平凡な沢だとのことなので、そこで戻ることにする。
当初は、そのまま本流へ戻るつもりであったが、左股の連滝も覗いてみたいので、少し登って見る。下から写真を撮るだけで良かったのに、Ya隊長はどんどん登っていく。最後は40mほどの急な連滝である。我々3人のへっぽこ隊員は下りが怖いので、下で待つことに・・・・ところが、上に登り詰めた隊長は「登って来い!」との合図。
そこまでするのなら上に何か見えるのかと思って怖々後に続く
(6)
。
しかし、その先は何もなく平凡な沢であった。地図から見てももう滝はなさそうである。登りはなんとか登れたが、下りはかなり怖い状況である。隊長はロープを出してくれるが、懸垂下降をするにはロープが短いので、シングルにしてそれを頼りに下ったが、かなりビビッた。今回の遡行でもっとも苦労した場面であった。
○ふたたび本流へ
本流の出合いへ戻って、しばし休憩。その先に4段ほどの小滝
(F7,8,9,10)
が続くが、どれも深い釜を持っているので、簡単に突破することができない。
安全ロープを結びつけてへつったり
(7)
、深い釜を漕いだりしながら遡っていく
(8)
。やがて、左へ大きくカーブする地点に2段の滝
(F11,12)
が現れる
(9)。
その先が地図にも滝マークが記載されているひとつ目の大滝のはずである。
2段の滝を遡って
カーブした先に30mほどの大滝
F13
がド〜ンと姿を現す
(10)
。その前で記念撮影
(11)。
左岸の急斜面にロープの太い設置された刈り払い道が見える。これが上の駐車場から下りる滝探勝路のひとつなのであろう。雨も落ちてきたので、次の大滝まで行って戻ってその道を利用することも考えて、右岸の急な細い尾根に認められる高巻きの踏み跡を辿る。
高巻きを始めた頃から一気に土砂降り状態になる。カッパを着る余裕もないほどの強い雨である。どうせ下半身は濡れているのだからと、そのまま進む。かなり上まで登って眼下に川面が見える頃、途中から下りる踏み跡を見つけて再び上流の沢に下りる。
そのすぐ先にもう一つの30m級の大滝
F14
が姿を現す。これが最も垂直に落ちる迫力満点の滝である。土砂降りの雨にゆっくりと見ることもできない
(12)
。
この左岸の急斜面にもロープの設置された刈り払い道が見えるのを幸いにここで遡行終了とする。この滝も右岸を高巻いて上流に行くことは可能だが、その先には大きな砂防ダムがあるだけらしい。
滝の中をシャワークライミングしているより強烈な土砂降りの中、滑る急斜面をロープを頼りに登っていく
(13)
。
新しく設置した滝を見るための道らしいが、一般登山者でもかなり苦労するであろう急斜面がずっと続く。ようやく稜線まで登り詰めると、林道跡へ出るが、どちらへ進んでいいか良く判らない。地形や勘では右のはずだが、Ya隊長が念のためにスタート時に車デポ地点をGPSに記録していたのを手がかりに進んでゴールイン。
あるだけのビニール製の敷物などでシートを覆い、ずぶ濡れのまま車に乗り込む。
洞爺湖畔に出たら、先ほどの土砂降りが嘘のように雨が上がる。待ち合わせ場所だったせせらぎキャンプ場で着替えをし、近くの町営いこいの湯でのんびりして、札幌へ向かう。
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