シリパ山(295.8m)<余市>
四国八十八ヶ所参詣道コース 単独  14,6,9
断崖絶壁の上の山に登山道があることを知って、周回することができた

12:15 光照院
新四国八十八ヶ所駐車場
登下山
地 点
12:30
13:20
13:25
13:55
駐車場
頂上
 〃
駐車場
[1:25]所要時間
14:30 鶴亀温泉(入浴)

GPSトラックログ
 断崖絶壁で有名な余市町のシリパ岬の上のシリパ山(1)の登山コースが、最近発刊された『はじめてのさっぽろ山ガール』で紹介されていることを教えてもらった。 余市の書店で立ち読みして情報を入手。どうやら、四国八十八ヶ所巡りの参詣道が登山道のようだ。

 シリパは、アイヌ語でSir-pa「海中に突き出す山の頭」を意味する。 この山には洞穴があるという言い伝えがある。妻を亡くして寂しく暮らしている若者がいた。ある日、漁の帰り、シリパ岬の 絶壁の下に妻が海苔を取っている姿を見つけ、追って行くと妻は洞穴の中に逃げた。洞穴の中には部落があり、 そこには死んでしまった人達ばかりがいた。老人が出てきて「ここはお前の来るところではない。早く帰れ」と 追い返されてしまった。若者はそれ以来仕事も手につかず、やがて死んでしまった。それ以来、この洞穴を (オマンルパロ=あの世へ行く入り口)と呼んで、近寄る者がいなくなった。

 シリパ岬の根元にある余市神社の右奥の道の狭い舗装道路を進んでいくと「光照院新四国八十八ヶ所霊場」の門があり、その先に広い駐車場があった。

 駐車場の先の密厳寺の階段の上が四国八十八ヶ所霊場となっている(2)ニシン場で栄えたところなので、古いものかと思ったが、説明板によると、ここの四国八十八k所巡りは昭和38年に開かれたもので、それほど古いものではない。
 境内にはいろいろな石仏が並び(3)その右側にはペットの墓石がたくさんあった。
 その左側の階段を登ると、弘法大師の石像と1番霊山寺の石仏がならび、実質的なスタート地点だ(4)


 急な尾根を登って行くが、石がごろごろしていて、非常に歩きづらい(5)。スタートして30分ほどで、八十八か所めぐりとは関係ない石仏が並ぶ地点がある(6)
 その先に電波塔のようなものが立っている。登り切ったところは断崖絶壁の上の地図上の標高点204。そこから方向を北側に変え、断崖絶壁の上に沿って急斜面を下る。コルから再び登り返す。


 その途中から、足元の下に崖と海面が覗く(7)。さらに登って行くと、右手に目指す頂上が見えてくる(8)


 一番高いところまで登り切ると、c260の前峰である。八十八ヶ所巡りの参詣道はそのまま反対側へと下っていくが、その右側の吊尾根が頂上への道である(9)
 ここから少し下って登り返す頂上までの300mほどは、踏み跡ははっきりしているが、まったく刈り払いなどはされていない灌木と笹の薮漕ぎとなる。山ガールにはかなり酷な道である。
 頂上は、やはり断崖絶壁の上で、「尻塲山」と掘られた標石と二等三角点(点名・尻場崎)が設置されている(10)


 頂上からは、木が邪魔ですっきりしないが、先の海岸線の断崖絶壁や奥にはまだ雪を抱いた積丹岳と余別岳が見える(11)
 薮を漕いで参詣道へ戻る。その尾根の上に踏み跡があった。これは下山後分かったが、スキー場への踏み跡で、その先にはスキー小屋があって、余市市街地の展望が開けるとのことだった…残念! 登ってきた反対側の参詣道を下る(12)この下りもかなり急な道だった。下り切ると谷地形となるが、この辺りも道は細く草に覆われている。
 左へ進路を変え、谷地形の斜面を登り返す。この辺りは石ころがごろごろして、浮石が多いので、慎重な歩きが要求される。


 やがて、88番大窪寺の石仏があり、ゴールは近い(13)。下って行くとスキー場への道路に出る。そのすぐ先に密厳寺の駐車場が見えた(14)
 ざっと1時間半ほどの周回登山だった。非常に急な登り降りで、足元も石がごろごろしていて歩きづらい上に、頂上までの吊尾根は薮漕ぎで、決して山ガールにはお勧めできる快適な登山とは言えない感じだった。
 帰りに、ちょうど例大祭中の余市神社へ寄ってみた(15) この後、鶴亀温泉でのんびり過ごし、明日に備えて、余市の道の駅へ

翌日の朝里天狗岳へ


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