尻別岳(1107m)  [留寿都コース]  単独  05,8,07           
94、8、28の「喜茂別コース」へ
11年振りの再訪は、アップダウンの激しい留寿都・橇負山コースからの早朝登山
       
4:30 ニセコ町綺羅の湯駐車場
登山地点下山
5:05
5:50
6:30
6:50
登山口
723コル
稜 線
頂 上
8:05
7:30
7:10
7:00
[1:45]所要時間[1:05]
12:00 帰宅
                   
 中山峠から喜茂別に向かう途中から正面に小型の羊蹄山のような独立峰に見える急峻な山である。しかし、この形も北面や東面から見える山容で、西側の真狩方面から望むと、南西に長い尾根を張り出してルスツ高原スキー場の山である橇負山と繋がっている山である(1)

 前回は喜茂別コースからの急な尾根を登ったが、再訪するときはこの長い尾根からアプローチする留寿都コースからと決めて11年が過ぎていた。

 この山名は、尻別川の上流に由来し、尻別の語源は、シリ・ペッ(上流が至って高い川、山に沿って下る、山の川)で、後志(シリベシ)や後方羊蹄(シリベシ)の語源も同じものらしい。なお、アイヌの人たちは羊蹄山とこの尻別岳を夫婦山として、羊蹄を女山のマチネシリ、この山を男山のピンネシリとも呼んでいたという。まさに蚤の夫婦である。

 今日の予定は、この山だけだったが、2日間一日2山以上、猛暑の中を汗だくになって登ったので、それを避けたくて、早く目が覚めたのを幸いに早朝登山となった。前夜、車中泊したニセコ町の綺羅の湯の駐車場を4:30に出て、前から偵察をしていたスキー場の裏側の登山口を目指す。登山口には「尻別岳登山道入口 留寿都町」と書かれた立派な標識が建っている。日曜日であるが、さすが登山口には一台も車がなかった。

 昇ったばかりの朝日を表面から受けて登山口をスタートする(2)頂上まで続く尾根を忠実に辿る登山道のようで、整備もきちんと行き届いている。ダケカンバ林の笹薮の中の道を進む。小さなアップダウンを繰り返していくと、目の前に773ピークへの急登が見える。

 真っ正面からのまぶしい太陽に向かってそこを登り詰めると、「あと2000m 尻別岳遊歩道」の標識が建つ。目の前には逆光の中に、これから辿る頂上稜線が見える(3)右手前には、ホロホロ山と徳舜瞥岳、白老岳、オロフレ山などが霞みながらも見えている。右手を振り返ると、ホテルや遊園地の連なる国道230号線を挟んで対峙するルスツ高原スキー場の貫気別山と橇負山が朝日に照らされ、まさにリゾート地の輝きを放っている。眼下のカラフルなテントが点在するオートキャンプ場も動き出しているようだ(4)

 5分ほど進むと、せっかく登ったのに、今度は723コルを目指して急な下りとなる。帰りの登り返しがきつそうである。さらにその前に続く、この山らしい厳しい急登が待っている。ベンチが設置されている723コルから見上げると、首が痛くなりそうな300mほどの高度差である。

 下の方は木の階段が設置されているが、中間からはずっとロープが設置された地肌が向き出た道である。登りはロープに頼らなくても登れるが、下りが滑りそうで手強そうである。何度も休みながら喘ぎ喘ぎ登る。
早朝だというのに、正面から太陽に照らされ、汗が噴き出てくる。

 尾根の左側はダケカンバの林であるが、右手は雪崩斜面となって、展望を遮る物がないので、休むたびに霞みながらも見える遠望を楽しみむことができる。やっとの思いで登り切ったところが頂上と西側の989ピークの間の稜線上の標高1040m地点である。まず、ここで休憩しない人は絶対いないであろういう地点である。

 ここから稜線上を東側に向きを変えて、頂上を目指すが、斜度は緩くなり、快適な花の稜線歩きとなる。カワラナデシコのピンク色が目立つ中に、白花を見つける(5)そのほかに、エゾシオガマ、ハイオトギリ、コガネギク、エゾカンゾウ、タチキボウシ、雪崩斜面にはクガイソウも密生している(6)

 「頂上まであrと100m」地点付近から、一転して登山道の両側はオオバコが密生している。前回も頂上が一面これで覆われているのを見てがっかりした覚えがある。これは低地の植物なので、多分登山者の靴に種が付いてきたものであろう。案の定、頂上はやはり一面オオバコで覆われていた。

 頂上からは、前回見ることができなかった羊蹄山が見えたが、その後ろに見えるはずの昨日登ったニセコ連峰は霞んで見ることができなかった(7)

 なお、頂上から踏み跡が4本もあり、喜茂別コースは分かるが、京極コースもあるらしいが、あまり歩かれていないらしくその踏み跡は笹薮で覆われている。もう1本、比較的はっきりとした踏み跡が南東方向の尾根に続いているが、この道はどこから続いているのであろうか?

 まだ7時前であるが、風もなく照りつける太陽を遮る物もない。後の予定は考えていなかったし、周りの山を見渡しても改めて再訪したい山もなく、3日間の猛暑の山はこれで打ち上げとして、帰路に就くことにして下山を開始する。頂上の直ぐ下からはちょうど登ってきた尾根がずっと見下ろせるのもうれしい(8)

 急な下りは、滑って転んで痛めている肩でも打ったら、ますます治りが遅くなる。恐る恐るロープ頼りを頼りに下るために、汗が噴き出て来る。おまけに蝉の声が余計その暑さを増長している。登りで40分掛かった723コルからの急登を20分で下り、ホッとするのもつかの間、773ピーク越えの登り返しが待っている。そこを下っても登りでは気付かなかった小さな登り返しのアップダウンが結構続く。しかし、喜茂別コースよりは変化に富んで予想していたより遙かに楽しいコースであった。8時過ぎにはゴールインしたが、さすが、日曜日にも関わらず、まだ登山者の姿はなかった。

ここで楽しい寄り道リンク 「楽しい山登りのホームページ」の尻別岳編


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