斜里岳(1547m)A  <清里コース 登り・旧道、下り・新道> 2名  05,8,24  
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新しい清岳荘の管理人の熊ぷ〜さんの表敬訪問を兼ねての南斜里岳狙いでの再訪だったが、台風の影響の強風で斜里岳のみで撤退する
8/23
18:30 清岳荘(泊)

8/24
登り地点下り
5:40
5:55
6:30
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8:00
8:30
8:50
清岳荘
旧登山口
下二股
熊見峠
上二股
馬の背
頂 上
12:10
11:55
11:25
10:35
9:45
9:25
9:10
[3:10]所要時間[3:00]
14:00 清里温泉(入浴)

 日本百名山にも選ばれている、斜里川の水源に当たることからの山名で、シャリはアイヌ語のサル(葦の生えた湿原の意)が訛ったとされるこの山は(1)11年振りの再訪である。

 今回は、3年前に札内JPで出会って以来、ネット上でのお付き合いや3度の同行登山でお世話になっている新しい清岳荘の管理人・熊ぷ〜さんの表敬訪問を兼ねての南斜里岳狙いであったが、結果的には関東に上陸している台風の影響の強風で、斜里岳のみの撤退となった。

 前日の夕方、斜里市街地ですき焼きの材料を仕入れて今年オープンしたばかりの清里町営の新しい清岳荘へ向かう。旧清岳荘の1kmほど手前の斜里の町が見下ろせる小高い丘の上に建つ高級別荘かホテルのような鉄筋コンクリート製の山小屋にビックリする。愛犬エルとともに管理人・熊ぷ〜さんの出迎えを受ける。昨年の6月の仁頃山以来の再会である。宿泊者は私たちだけの滅多にないという貸し切り状態で、心おきなく3人ですき焼きをつつき、ビールとワインに酔う。

 翌朝、斜里町の街の灯の右側からオホーツク海の夜明けが訪れる(2)駐車場には車中泊した男性と、到着したばかりの女性が準備をしている中、熊ぷ〜さんと愛犬エルに見送られて新登山口となった清岳荘前を出発する(3)







  新しい道から林道へ下りて旧登山口を目指す。15分で昔の清岳荘の建っていた旧登山口から沢沿いの登山道に取り付く。下二股までは、一の沢の石を伝いながらの沢沿いの道が続く。ここも変化に富んで楽しい歩きだが、下二股から沢の勾配が急になり、上二股までの間が小滝の連続する旧道の核心部である。下から白糸、水蓮、羽衣(4)、万丈、七重、見晴、龍神、霊華と続き、巻き道の危険な部分にはロープや鎖が設置されている(5)マイナスイオンを放出するという滝の飛沫を浴びながらの疲れを感じない登りがうれしい。上二股で休んでいる間に3人に追いこされる。


 
  上二股からは涸れ沢地形を辿り、「胸突き八丁」の急登を登るとガレ場へ出る。そこをジグを切りながら登り切ると馬の背である。馬の背に出ると、もの凄い突風が吹き抜ける。すでに関東に上陸している台風の影響であろう。この強風では馬の背の南側の痩せた岩稜を越えるのは恐怖である。また、遅くなると雨が降ってくる可能性があるのとで、南斜里岳への縦走をあっさりと諦めて、斜里岳を目指す。

 馬の背からさらに急なガレ場をジグを切って登ると(6)、祠が建つ稜線の先に頂上が見える(7)ここを登り切ると強風が吹き抜ける頂上に出る。













 三角点は頂上ではなく、一段低い東側のピークに設置されている。頂上標識をバックに先着の青年にシャッターを押してもらい(8)直ぐに風を避けるために北側の一段下がったところに隠れて腹ごしらえをする。目の前には網走方面から知床連峰までのオホーツク海側の展望が広がるが、ほかはすべて雲海の下である(9)


 休んでいると、登ってきた同年代の男性が頂上で海の方を眺めて柏手を打って礼拝をして、直ぐに下山していった。この男性は、今年になってから毎日登っているという地元の男性のようである。入山届けには今日で60回目と書かれていた。毎日雨が降ろうと風が吹こうと天候に関係なく、7:00ごろに登り11:00過ぎには下山しているようである。

 強風がなければ登る予定だった南斜里岳への尾根は馬の背の直ぐ南の痩せた岩稜ピークが手強そうであるが、はっきりとした踏み跡が認められる(10)。今度この山に来るときには、ぜひともここを歩いてみようと思いながら下山を開始する。下山しながら、南斜里への尾根を見ると、上二股の沢地形の上からコルの下をトラバースして尾根へ続く踏み跡も見える。熊ぷ〜さんによると、ここは下りに使われることが多いが、沢地形の中は熊の出没も多いとのことである。

 下り始めると登りの時より風が一段と強くなっている。そんな中、平日だというのに、次々とたくさんの人が登ってくる。下山後、入山届けを見たら、12グループの内10グループが本州の人である。まさに百名山詣での人たちなのであろう。

 下山は、上二股から新道コースを辿ることにする。途中、はっきりとした踏み跡を辿り、滾々と水が湧いている龍神ノ池へ寄る(11)。龍神ノ池から登山道に戻って尾根に乗ると、ハイマツ帯の中を熊見峠までの登りが続く(12)。このコースは下二股のすぐ上まで常に頂上が見えるのが魅力のひとつであろう(13)しかし、熊見峠から下二股までの、下っても下ってもなかなか着かない長い急な下りが辛い。

 ようやく長い急な下りから開放されて下二股に下り立ち、ホッと一息つく。あとは来た一の沢沿いの道を石を伝いながら下り、林道から新しい道を通り、熊ぷ〜さんと愛犬エルに迎えられてゴールイン。

 小屋の前の東屋で昼食を摂り、またの再訪を約束して清岳荘をあとにする。帰りは熊ぷ〜さんから教えられた280円の清里温泉で汗を流す。



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