2019(令和元)年5月1日
登下山地   点
 4:45
 7:30
避難小屋
山頂着
[2:45]所要時間
 7:45
 9:45
10:20
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13:00
山頂発
避難小屋着
   〃 発
(別行動)
登山口
[5:15]所要時間
13:40 利尻富士温泉(入浴)
16:10 鴛泊港着
16:40 フェリー発
18:30 稚内道の駅(車中泊)

○新元号・令和元年初日の山頂アタック

 当初は夜明けとともにスタートするつもりで3:30に目覚ましを掛けて寝た。しかし、夜中に風が強くなり、朝方には雨も降っていた。だが、天気予報はどこを見ても好天予報である。この山はどこもスマホが繋がるのが心強い。

 4時に外に出てみたら、弱い霧雨は振っていたが、頂上部が見えている。歩く腹ごしらえをして、最低限必要なものだけを持って、4:45にスタートした。ここから上は急斜面が続くので、アイゼン・ピッケル装備にした。しかし、気温は高いので、雪はグサグサで非常に歩きづらかった。頂上部はときおり姿を隠すことがあったが、天候は間違いなく回復傾向である(1)。少し登って行ったら、西側に虹が懸かっていた(2)


 令和元年初日の日の出は残念ながら目にすることはできなかったが、尾根から令和元年初日の太陽が顔を出した(3)。目指す頂上方向はみごとな青空が広がっていた(4)


後ろを振り返ると、左側に避難小屋が見え、後ろに手前ピークと長官山(右)が見える。このような雪面は歩きやすいが、ダケカンバの木が生えているところは踏み抜きが多くて非常に疲れる(5)
後ろから、「ブロッケンが見える!」と法さんの声がする。西側を見ると、確かに自分の影が写ったブロッケンが見えた(6)このようなはっきりとしたブロッケンは、2004年の日高の縦走以来である。新元号初日のうれしいプレゼントである。ずっと消えないで30分ほどは見えていた。


 9合目で雪の消えた登山道に出た(7)。後ろを振り返ると、日本海を覆う雲海の中に長官山と避難小屋手前ピークが浮かんでいた。ガスのお陰で、現像的な風景が楽しめた(8)


登っている最中は頭上に見えているピークが頂上かと思っていた(9)。しかし。近づいて行くと、そこは頂上ではなく、岩の間を抜けて登って行くことが分かった。夏は深く掘れ急なガレ場の所である(10)


岩の間を抜けると、今度は赤い神社が見えて来た。あそこが間違いなく頂上である(11)写真で見るとそれほどでもないが、かなりの急斜面である。もし、凍りついていたら一歩間違えば滑落する所である。


 頂上直下で後ろから登って来る法さんを待つ(12)。この元号またぎ登山の発案者である法さんに敬意を表して、先を譲って頂上に到着(13)


三脚を立て、早速、作成してきた「令和元年5月1日利尻山」のプラカードを2人で持って、記念写真に収まる。間違いなく、「令和元年利尻山登頂者第1号」である(14)

 ともに、後期高齢者となった75歳である。法さんからは、「これが最後の利尻山です。お付き合いいただいてありがとう!」と感激のお礼の言葉をいただいた。しかし、自分こそ、彼の思いがけない発案のお陰で、この雪で覆われた最北の名山に、元号またぎ登山ができて感謝している。彼は、新婚旅行で来てこの山に登っている。この最北の名山が大好きで、四国人なのにこれで7回目だそうだ。北海道人の自分は、まだ3回目だ。7回は無理だが、80歳を迎えたときに、3月の誕生日には無理だが、その年の夏にでももう一度トライしてみたいと思っている。


 利尻山神社とともに、ガスに巻かれた北峰をバックに(15)峰にはトレースが向かってはいたが、ガスで頂上まで続いているかどうかは分からなかった。夏は危険なので通行禁止となっている。
  ガスで周りの海は見えなかったが、大満足で下山を開始。
 
 約2時間で、9:50避難小屋に到着。往復に思った以上に時間が掛かり、この時点で法さんから、「坂口さんの乗る最終フェリーに間に合うようにここから下山する自信がない。先に一人で下りてくれませんか?」との申し出があった。確かに、登りで7時間を要している。山頂往復の疲れもあり、5時間は厳しいかもは知れない。かと言って急がせるのも忍びない。
 核心部はここから山頂までで、ここから下はそれほど心配なところはない。本人も、ゆっくり自分のベースで下りたいという。体力は落ちてはいるが、登山歴は自分など足元にも及ばないほど長い。この利尻山も雪山は初めてだが今回で7回目である。そんなこともあり、申し出を受け止めて、先に下りさせてもらうことにした。
 
 法さんに見送られて、先に下山させてもらう(16)しかし、この2日間気温が上がり、雪解けが一気に進み、上の方は踏み抜きがすごい。足が抜けてこなかったり、踏み抜きの一歩が非常に体力を奪う。 それでも、早く下りて早く休みたいので、休むことなく下山を続けた。2時間40分で、13:00に登山口に到着。まさにへとへと状態でしばらく休憩。法さんにフェリーの往復の乗船券を買ってもらったので、ここは、タクシーを呼んだ。 利尻富士温泉で降ろしてもらい、16時に迎えの予約もした。

 温泉から上がって、一人で祝杯を上げた(17)。 法さんのお陰で、「元号またぎ登山」などという思いがけない平成最後の日と令和初日のすばらしい思いでを作ることができた。

 16:40のフェリーに乗り、稚内の道の駅で車中泊態勢に入った所で、電話が入り、17時に無事下山されたとのこと。これで、お互いにひと安心。

 


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