敏音知岳(ぴんねしりだけ)(704m) 
敏音知コース 16,9,13  単独
04,9,09「敏音知コース」
12年ぶりに、北海道本土最北端の山からの眺望と写真撮り目的で再訪

9:15 ピンネシリ道の駅
登山地点下山
 8:20
 8:55
 9:35
 9:55
登山口
白樺の泉
軍艦岩
頂 上
11:50
11:20
10:40
10:15
[1:35]所要時間[1:35]
12:15 中頓別鍾乳洞
14:00 敏音知温泉(入浴)

 登山道のある北海道本島最北端の山である。両側に日本海とオホーツク海が見え、その中央が宗谷岬へと収斂していく感じの展望が魅力である。この山も、北海道各地にあるピンネシリ(アイヌ語で男山)マチネシリ(女山)とのペアの山である。

 国道275号を北上すると、正面に見えてくる台形の稜線を見せる端正な山が敏音知岳である(1)。(画像の右の山は松音知岳(まちねしりだけ)ではなく、689峰)

 この山への初登は、12年前の04年だが、北海道各地で観測記録を塗り替えるほどの暴風により莫大な被害をもたらした台風18号の翌日だった。前夜は車中泊ではなく、避難を兼ねて豊富温泉に泊まった。道をふさぐトドマツの倒木を跨いだり、潜ったり、迂回したりして登ったのが懐かしい。

 登山口は、国道を挟んで、敏音知温泉と向かい合わせになっている道の駅「ぴんねしり」のすぐ裏である(2)今回も、8月以降4つの台風が北海道を襲い、前回もそうだったが、多くの山の林道が通れなくなっていて登山口まで辿りつけなくなっているが、この山は国道からすぐ登れるのが幸いした。


 登山口には詳しいコースの案内板があり、頂上に社が祀られている三吉神社の鳥居をくぐってスタート(3)


 その先はみごとなほどすっきりと高く伸びるトドマツ林の中の整備された道で、「松並木の道」と命名されている(4)あちこちに今年の台風による倒木が見られるが、12年前に比べるとかなり小規模である。さらに進むと、北海道の巨木100選に選ばれている根元から数本の幹が別れている「千本シナ」」のそばを通過する。幹は8本とのことだが、12年前より少なくなっているような気がする(5)

 トドマツ林を抜ける辺りに「白樺の泉」という湧水が流れている。その先はシラカバ林となり、斜度も急になり、8回ほどつづら折りの道となる。前回は、「2km地点」、「石畳の坂」、「紅葉の滝」「駒返しの坂」、「大松の曲」、「水松の曲」などの案内表示が多かったが、今回はそれらは目につかなかった。
  

 露岩の上を歩く急な坂が前回の「駒返しの坂」のようだ(6)。やがて、尾根の上の道なるが、その末端に「軍艦岩」がある。セルフたーマーの10秒で鉄梯子を登って岩の上に立つのは大変だった(7)前回は、この上からの展望がもっと良かった気がするが、木の枝が広がったのであろう。


 尾根の上の道を、中央左に鋭く尖るその名も鬼刺山や、右のペンケ山を背に登る(8)この鬼刺山は3年前にヤブ山仲間と沢から取りつき、ヤブをこいで10時間を要して登っている。
 周りには高い山がなく、畑と林と丘陵地帯の展望が一気に広がる。

 正面には、急な道の先に頂上と、南側は雪崩斜面が地面を露出させて荒々しく頂稜まで突き上げている。頂上の右上に東峰が見える(9)。
 1時間35分で、二等三角点と2つの標に迎えられて頂上に到着(10)


 一番先に利尻山を探す。なだらかな丘陵の先に日本海に浮かぶ利尻富士が微かに見えた(11)。その右側には、頓別川沿いの平野が広がり、中頓別市街地の向こうにオホーツク海が見えた(12)

振り返ると、ペンケ山とパンヶ山。ちなみに、ペンケは上流、パンヶは下流の意のようだ。上流にある山、下流にある山と言うことになるのだろう(13)
すぐ隣のピークには三吉神社の社が建ち、手前に山にはないはずのフリージアが咲いていた。途中の登山道にも咲いていたので、誰かが持ち込んで植えたものだろう(14)


360度遮るもののない、北側の眺望。左が日本海、右がオホーツク海、中央奥が宗谷岬である。高い山がなく、緩やかな宗谷丘陵が広がる景観(15)

 前回は東峰までの踏み跡があり、10分ほどで往復したが、今回は消滅していた。前回の記録を見ると、向こうの方が2〜3mほど高いようである。
 もう来ることはないであろう、北海道の北端の360度の展望を欲しいままにゆっくり休憩したかったが、羽蟻がうるさくて、休んでいられないのが残念だった。
 自撮りは、下山時にやったので、下りも、登りと同じ1時間35分だった。

 下山後、中頓別鍾乳洞へ。この町一帯は、海中堆積が隆起した石灰岩の地形で、中頓別町ジオサイトとして売り出しているようだ。

  石灰岩の海中堆積が良くわかる「軍艦岩」(16)   中が見学できる鍾乳洞第1洞の中(17)    石灰岩地形にはよくある「ドリーネ」(窪地)(18)       
 
 この後、市街地の食堂で昼食を摂り、敏音知温泉に入って、翌日の天塩岳を目指した。


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