登山口から5時間歩いたら戻ることにして五色ヶ原の花々を楽しみながら歩いていくとだんだん上空のガスが晴れてきて、トムラウシ山や石狩連峰、忠別岳なども見えるようになってくる。

 あと30分も歩けば五色岳(1868m)へ到着するのだが、以前一度登っているし、そのとき、この五色ヶ原も歩いているので、ちょうど5時間の周りの花がきれいで、花畑の向こうにトムラウシ山が見える1780地点で戻ることにし、そこでのんびり昼食タイムにする(1)。

 トムラウシの頂上の雲がなかなか晴れそうで晴れないので、諦めて下山を開始する。途中から沼ノ原やその右手に沼ノ原山の展望が広がる(2)。途中、結構多くの登山者が登り下りするのと出会いながら、帰りの沼ノ原の眺望を楽しみに泥んこの登山道を下る。同じヌプントムラウシ温泉から登り、忠別岳キャンプ指定地に泊まる2人連れとも出会う。

 まず、登りでは一面のガスで何も見えなかった沼ノ原へ入ると、一番先に目に飛び込んできたのはアカエゾマツの林と湖沼群であり、その向こうに見える音更岳〜石狩岳〜ニペの耳である(3)。振り返ると、トムラウシから化雲岳、五色岳などの稜線がくっきりと見えている(4)。今度は大沼から見るトムラウシを楽しみに歩を進める。木道から大沼の岸を歩くコースに入る。登りではまったく見えなかっただけにその広さも予想を越えるが、水の少なさが意外だった。念願の大沼のバックに聳えるトムラウシ山をカメラに収めて(5)、下山を続ける。

 やがて沼ノ原を抜け、目の前に頂上を見せる沼ノ原山を目指して歩を進める。北側のコルまでの急斜面を下る途中、沼ノ原山の斜面を見上げながら進むと(6)、微かな踏み跡が続く沼ノ原分岐に到着する。まずは草付きの急な尾根をジグを切って登ると、ハイマツなどの藪に覆われた頂稜へ出るが、途中で踏み跡を見失い、探すのも面倒なので藪漕ぎをしている内に再び踏み跡に出る。

 わずか15分で細長い一番南側の頂上へ到着する。頂上標識は鉄板に釘か何かで書かれた「沼ノ原山 1505m」と書かれたものだけで、整地されたような痕跡があり、測量小屋でもあったのであったのであろうか。4本の丸太が土台のように埋められている(7)。頂上からは霞みながらも、ニペソツ山やトムラウシ山、端正なピラミッド形をした下ホロカメットク山や十勝連峰も見える。


 



頂上で15分ほど休み、下山開始する。下山は順調に踏み跡を見失うことなく10分で分岐まで下りてしまう。

 あとは、登りでは見えなかった周りの景観を楽しみながらひたすら登山口を目指す。登りで沼ノ原分岐まで2時間10分要した道を1時間30分で下ってしまう。

 丸木橋の手前の沢で水で顔や頭を洗い、スパッツと靴の泥を落として、およそ10時間の山行に終止符を打つ。

 ヌプントムラウシ温泉にでも入ろうかと思ったが、洗い桶もないので、着替えだけでそのまま車を走らせ、くったり温泉・レイクインでのんびり汗を流し、帰路に就く。


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