西ヌプカウシヌプリ(1261m) [扇が原展望台コース]  2名 04、6,11

若い白樺林と予想以上の多くの花と岩斜面、そして、十勝平野の広がりを楽しむ

7:10 音更発
登山
地点
下山
 8:30
 9:35
10:05
登山口(760m)
平坦地(1205m)
頂 上(1254m)
11:35
10:55
10:30
[1:35]所要時間[1:05]
南ペトウトル山登山口へ移動

GPSトラックログ(50kb)
この山は隣の東ヌプカウシヌプリと並んで十勝平野の北西の尽きる辺りに聳える山で、ヌプカウシヌプリの意味も、アイヌ語で「原野に聳える山、野の上にいる山」と、まさにそのものずばりの山である。

 隣の東ヌプカウシヌプリに登ったのは8年前である。そのときはこの山に登山道があることを知らず、登らないで帰ったのである。今回は、同じ然別湖畔の登山道のある山で、やはり未踏の南ペトウトル山と一日2山の計画で、気になっていたこの山に向かう。

 この山に向かう頃には、まだガスに包まれて、その姿をカメラに収めることができないまま、然別湖へ向かう道道85号線の十勝平野の展望台である「扇が原展望台」のすぐ手前の登山口(1)へ向かう。

 登山口の路肩に車が3台ほど停められるスペースがある。そこに車を置いてスタートする。最初はカラマツ林の笹に覆われた斜面の中にまっすぐ続く登山道というより踏み跡状態の道を登る。刈り払いはまったくされておらず、膝から腿ほどの丈の笹に覆われたままである。

 まもなく、カラマツ林からシラカバとの混合林となり、やがて、完全に若い白樺林へと変わっていく。まだ細く、同じような太さと高さの白樺の白い幹と新緑の葉のコントラストが美しい(2)。

 標高1000mを越す辺りから顕著な尾根となり、林を抜け、傾斜も急になってくる。 1100m付近になると、左側がシラカバやダケカンバ林で、右側に草付き斜面が広がる尾根になる。その先に、1205地点付近の平坦な稜線が見えてくる(3)。右手には東ヌプカウシヌプリや後ろには十勝平野が広がるが、その奥の日高山脈は、霞んではっきり見えないのが残念である。

 笹が少なくなり、ほかの草や潅木が多くなり、足元にツマトリソウ、ハクサンチドリ、、ミヤマオダマキ、山では初めて目にしたスズラン、エゾシモツケ、イソツツジじなどの花が目に付くようになり(4)、振り返ると十勝平野の広がりが眺望できる。
 

ハクサンチドリ

ミヤマオダマキ

 スズラン

エゾシモツケ

イソツツジ


 傾斜が緩むと、1205の平坦地である。その先に目指す頂上が見える(6)。この平坦地は草原状で、ミヤマキンバイとミツバオウレン(5)、フデリンドウがびっしりと咲いているが、もう少ししたら、別の花が咲いているに違いない。のんびりくつろぎたくなる快適な場所である。

 

ミヤマキンバイ

ミツバオウレン

クロツリバナ

  平坦地の向こうに見える頂上を目指して進むと、だんだん下っていく。コル附近は足下が笹で覆われた暗いアカエゾマツ林で、そこを抜けると、大きな岩が積み重なった岩崩れ斜面の下に出る(7)。

 上のテープを目指して、慎重に登っていく。登り切ると、林床も苔で覆われ、植生も高山らしい雰囲気となり、クロツリバナ(6)やコヨウラクツツジなどの花がピークである。テープに従いそんな中の踏み跡を登っていくと、最高地点が頂上である。

 標識もなく、テープがやたらとぶら下がり、大きな岩が5個ほど鎮座し、周りが木で囲まれた狭い頂上である(8)。展望は限られ、北側に然別湖とそのバックに今春山スキーで登ったナイタイ山が(9)、その左手にはこれから登る南ペトウトルなど3つのピークがかたまって見える。
反対側にも踏み跡と赤いテープがあるので、少し辿ってみたら、どうやら、東ヌプカウシヌプリとの間の白樺峠の千畳崩れ附近から登ってくる踏み跡のようである。もし、この踏み跡がそうであれば、東ヌプカウシヌプリとのセットで登られるには、そちらの方が近道であろう。ただし、花畑もどきの平坦地や岩崩れ斜面は通ることができないようである。

 25分ほど休憩し下山する。頂上から少し下がったところで、ふと気がつくと、踏み跡もテープも見当たらなくなっている。そのまま下がれば、岩崩れ斜面の上へ出るので、心配ないが左側へ少しトラバースしたら、正規の登山道へ出ることができた。

 平坦地から下は、やや霞みがちな十勝平野と、左手に東ヌプカウシヌプリ、眼下に扇が原展望台などを眺めながら、どんどん下っていく。


このあとに登った「南ペトウトル山」へ 


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