昆布岳(1044.9m)C  
<小花井ルート> 単独 山スキー  14,2,25 
B12,10、8「豊浦コース」
A05、8,06 @93,8,29「豊浦コース」
長大なだらだらした尾根を辿り、小花井コースより念願の山スキー登山が叶った

登山
地 点
下山
 7:45
 8:10
 9:10
11:20
11:40
12:25
除雪終点
尾根取り付き
460林道交差
▲841.4
911ポコ
頂 上
14:10
14:00
13:45
13:20
13:10
12:35
[4:40]
所要時間
[1:35]

ニセコ周辺や洞爺湖周辺からは、直ぐにその山だと指呼できる天を突く独特のピークの一等三角点の山である(1)(ニセコ町宮田地区から撮影)。山名は、アイヌ語でトコンポ=ヌプリ(小さなこぶの山)に由来するらしい。あの独特のピークをアイヌの人たちがトコンポと呼んだのは納得できるが、それに海の産物である昆布という漢字を当てたので、由来を知らないと頭を悩ますことになる。

 先週、西昆布岳から昆布岳を眺めて、そちらからのルートも検討したが、手前の944ピークとの落差の大きさと、昆布岳特有の山容の迫力不足がネックだった。そこで、今回は、一番記録の多いニセコ町宮田の小花井ルートから登った。700m付近まではだらだらした北東尾根の歩きで、高度を稼げない効率の悪い長丁場のルートである。しかし、600m辺りから姿を見せる鋭く天を突きく端正な頂上ピークに近づいて行く楽しみがあった。


 ニセコ道の駅で夜を明かす。国道5号線から宮田地区のルベシベ川沿いの道々791号線(小花井林道線)を入る。ゲートのすぐ手前が除雪終点だった。その先に週末のものと思われるスノーシューのトレースが続いていた(2)しかし、この長いルートをスノーシューで往復は考え見くい。800mほど進んで、尾根の末端に取り付いた。案の定、スノーシューのトレースは尾根には取り付かず林道の奥へと続いていた。すぐに、トドマツの人工林へと入って行く。デコボコして歩きづらい(3)そこを抜けると、このルートで頂上直下の斜面以外でもっとも急な300〜400mの間の登りにぶつかる。ジグを切って登り切ると平坦な広い尾根となる。それがしばらく続く。幸い、帰りの登り返しがないのがせめてのも救いだ。460m付近で林道と交差する。古いスノーモービルのトレースが残っていた(4)


 標高点637ポコまで進むと正面に合流する東尾根が見えて来る(5)。さらに進むと、右手に鋭く天を突く昆布岳の頂上ピークが見えてくる(6)


 650m辺りの左側からこれから進む尾根の上に新しいスノ^モービルのトレースが現れる。ここまでは、ウサギの足跡以外は自分だけの世界だった。ラッセルの必要ないことだけは助かるが、荒らされた感じで残念である。振り返ると羊蹄山が見えていた(7)。841.4の三角点で、蘭越町とニセコ町の境界となる東尾根に合流する。その先は911ポコへの登りで、右手に凛とした頂上が見える(8)(三脚を立ててセルフタイマー撮影)。


 スノーモービルのトレースは911ポコまで続いていた。頂上ピークを目の前にして、その先はようやく自分だけの世界になる(9)(セルフタイマー撮影)。細かなアップダウンを繰り返して、頂上ピークとのコルに降り立つ。さて、その先をどうするか?顕著な尾根の下まで進んで考えた。左の急斜面をジグを切って登れないことはない。しかし、暖気なので雪崩の危険性はなくもない。斜面はサンクラストしていて下りの滑りは楽しめそうもない。ジグを切って登るより、尾根を直登した方が効率が良さそうだ。結局、スキーをアイゼンに履き替えて、尾根を直登した(下山時に撮影)(9)


 途中でスポンと左足が落ちた。と同時にズシンという音が響いた。以前雪庇を踏んて100mほどに渡ってひびが入って落とした時の音と同じだ。案の定、ストックで掘ってみたら、全層雪崩の割れ目だった。しかもその右側の雪面に20mほどひびが入っていた(10)春ならともかくこの時期にはまだ全層雪崩はないだろうと注意しながら通過した。

 頂上手前の夏道コースと合流するところには、週末に夏道コースを登ってきたと思われるスノーシューのトレースがあった。覚悟はしていたが、スタートしてから4時間40分を要して頂上に到着。頂上標識は分厚いエビのしっぽで覆われて団子状態となっていた(11)。雪ををストックでたたき落としたら、昆布を模った懐かしい頂上標識が現れた。それを前に記念撮影(12)


 風はなく、ポカポカと暖かかったが、遠望はかすんでよく見えなかった。かろうじて羊蹄山とニセコ連峰が認識できる程度だった(13)。西側には、944ピークとその左奥にちょこんと先週登った西昆布岳の頂上が見えていた(14)

 腹ごしらえをして、下山開始。スキーのデポ地点でアイゼンからスキーに履き替えるが、シールは911ポコまでの登りに備えて貼ったまま。しかし、このとき、リュックからポットが転げ落ちて、谷底へと転げ落ちていった。


 911ポコでシールを剥がす。登りで目を着けておいたすぐ下の斜面で気持ちの良いターンを刻んだ(15)結局ターンを楽しむことができたのは、ここだけだった。あとは樹間を縫うようにすべり、639ポコへの登り返しを避けて、東側をトラバースした。その下からは、400m地点までは登りのトレースを直滑降で下った。300mまでの急斜面は左側の斜面を下り、トドマツ林へと入った。幸い歩かなければならないようなところはトドマツ林の中以外にはなかったので、4時間40分も要したコースを1時間35分の約1/3の時間で下ることができた。これが山スキー登山の最大のメリットである。

 下山後、国道5号線から改めて辿った尾根を眺めて、その長大さに感心したと同時に満足感も増大した(16)昆布川温泉の幽泉閣の温泉でまったりとして、ニセコ道の駅へ戻って車中泊。

 
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