北ペトウトル山(1400.7m)・北峰(1421m)  然別峡峰越線ルート  単独・山スキー  04,4,26

この時期にしては珍しく新雪に覆われた快晴の下、日高山脈〜夕張山系〜十勝連峰〜表大雪〜東大雪〜阿寒の山と360度のくっきり眺望に酔う

5:00 音更(別宅)発
登山
地点
下山
6:20
6:50
8:00
8:15
然別峡峰越線ゲート入口(825m
然別湖畔支線林道終点(900m)
本 峰(1400.7m)
北 峰(1421m)
9:30
9:12
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8:50
[1:55]所要時間[0:40]

ナイタイ山登山口となる内待沢林道ゲートへ移動

GPSトラックログ(90kb)<登り〜赤色、下り〜青色>
この山は然別湖の北側に聳える双耳峰で、三角点は南峰に設置されていて、そちらが本峰となっているが、北峰の方が20mほど高い。

 山名の語源は、然別湖畔から登山道のある南ペトウトル山も同じで、アイヌ語で(ペト・ウトウル=川・の間)2河川の間にある山であることを意味しているらしい。これらの山を挟んでいる二つの川とは然別川とヤンベツ川であろうか?

 然別湖から糠平湖に抜ける幌鹿峠の道路が4月下旬に開くと、アクセスしやすい1300〜1400m台の山が然別湖の北側に4山ある。この北ペトウトル山、遠望山、石山、そして、ナイタイ山である。前日に道路の開いていることを確かめたが、この4山を一日で登るのは無理なので、2回に分けて計画した。ウペペサンケからの稜線続きにある遠望山と石山はセットにして次回に回し、今回はこの山と下山後少し移動して登るナイタイ山をセットに一日2山で挑戦する。 

 朝日を浴びて輝く南端まで見える日高山脈や十勝連峰を眺めながら、見渡す限り雲ひとつない十勝平野を北上し、然別湖畔を経由して山田温泉の少し先にある「町道然別峡峰越線」入り口を目指す。途中、牧草地で朝日を浴びてたむろするエゾシカの群れに出会う(1)。

 「町道然別峡峰越線」のゲート付近はまだ積雪が1mもある(2)。すでに標高825m地点であり、しかも放射冷却のせいで−7℃という気温である。山スキーを履いて、朝日を後ろから浴びながらその道を7分ほど進むと、分岐に出会う。その「然別湖畔支線林道 延長1152m」と書かれた左側の林道に入る。分岐から20分ほどで、林道の終点に到着。

 その左側から密度の濃いトドマツとエゾマツの混合林の中に入っていく(3)。ヤマバトや小鳥のさえずりが迎えてくれる。初めは広い緩やかな尾根であるが、高度を上げて行くに連れ、だんだん顕著な尾根になっていく。トレースもテープもない林の中をひたすら広い尾根の真ん中をまっすぐ進む。上空はみごとな青空が広がり、5cmほどのパウダーの新雪が積もって歩きやすい。

 1050m辺りで、後ろを振り向くと阿寒の山がはっきりと見え、樹間から右手後ろに石山と遠望山の白いピークとその稜線続きの真っ白なウペペサンケ山が覗く(4)。1100m辺りで、今度は左手にまだ凍結したままの然別湖と通称・唇山(天望山)が見えてくる。コンタ1170m〜1240mの間がもっとも急で、この間はジグを切って進むが、堅く凍ったザラメ雪の上にサラサラの新雪が積もっているので、エッジが外れてズレ落ちる。スキーアイゼンを着けようと思ったが、面倒なのでそのまま我慢して登っていく。

 1250mを越えると、尾根は狭くなるが、斜度は緩くなる。ウペペサンケの左奥にニペソツが姿を現し、振り返ると阿寒の山と手前に全山林に覆われたナイタイ山が見える。左側には然別湖とその周りの山々、さらには十勝平野が広がる(5)。

 頂上が近くなると、林から抜け、真っ白な頂上が(6)、右手には北峰が見えてくる。予定よりなかり早い1時間40分で本峰である南峰に到着。

 見渡す限り、ほとんど雲もなく、日高山脈の南端まで、さらには夕張山系〜十勝連峰〜表大雪〜東大雪〜阿寒の山まで、ぐるっと、しかもくっきり見えるのがすごい。ここ2日ほどの降雪のおかげで、どの山も雪化粧をして、凛とした真冬のそれを呈しているのがうれしい。

 とくに近くのウペペサンケ山とその左奥で尖峰から雪煙を上げているニペソツ山が美しい(7)。十勝連峰の山も北峰の左奥にくっきりと見えている。

 それらを写真に収めて、北峰を目指すが、一度高度差50mほどのコルまで下りなければならない。稜線にはハイマツが顔を出していて、まっすぐ下りられないので、ハイマツをかわすように東斜面をトラバースしてコルに下りる(8)。

 コルから北峰を見上げるが、稜線は急で岩も露呈している。ここは頂上の下の比較的斜度の緩い東斜面をトラバースして、頂上を巻くようにして反対側から頂上を狙う。案の定、あっさりと狭い頂上へ立つことができた(9)。

ピーカン天気なのに、風がめっぽう強い。雪庇の陰に下りて風を避け、東側の展望を楽しみながら休憩する。35分ほど休み、次に登るのっぺりとしたナイタイ山をカメラに収めて下山開始である(10)。

 帰りは、登り返しをしなくても済むように南峰をかわしてその下の尾根を直接目指して、木の生えていない新雪が積もっている谷地形の東斜面でターンを楽しみながらトラバースする。

 1250m附近で尾根に乗り、登りのトレースと合流したまではよかったが、その下の一番急な斜面でトレースを見失なう。気にしないで滑りを楽しむが、登りより急な斜面が長く続き、その先に深い沢が見える。「またやってしまった!」と思いGPSで確かめると、案の定登りのトレースと90度ほど北側の最大傾斜線に下っている。急な沢地系の斜面をトラバースして軌道修正し、1080m附近で登りのトレースに合流して、ホッとする。

 あとは、斜度も緩み滑りを楽しむほどでないし、広い尾根なので、登りのトレースを外さないように気を付けて下り。林道に出る。登りで1時間半ほど要したところをわずか22分で下りてしまう。新雪でよく滑るせいもあるが、これが山スキー登山の強みである。

 林道をノンビリ下り、兼用靴のまま運転して、次のナイタイ山の登山口となる2.3kmほど先の内待沢林道の入り口を目指す。

 この山のあとに登った「ナイタイ山」


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