登山 | 地点 | 下山 |
9:50
10:05
11:45 |
内待沢林道ゲート(850m)
尾根取り付き(870)
頂 上(1332m) |
12:50
12:40
12:20 |
[1:55] | 所要時間 | [0:30] |
14:00 ナイタイ高原牧場
14:10 ナイタイ高原温泉・亀の子荘(入浴)
15:40 音更(別宅)着
|
この山は、日本一の規模を誇るといわれる公営牧場として有名なナイタイ高原の西側に聳え、ボコボコと尖峰を連ねる山が多い然別湖畔の山にしては、
のっぺりとしていて頂上まで林で覆われている地味な山である。この前に登った北ペトウトル山から見ても、登る楽しみの少ない山のようである(1)。
山名の由来は、アイヌ語で「ナイ・エタィエ・ペツ(沢の・頭がずっと奥に行っている・川)」に由来し、“奥の深い川”の意味のナイタイ川の上流にある山ということらしい。
この山のアプローチは、HYML仲間の
『地図がガイドの山歩き』チームは厳冬期に東側のナイタイ牧場の方から、
『山の時計』のEIZIさんは然別湖畔を渡って西側からとそれぞれバラバラなルートを採っているが、幌鹿峠が開いたらこの北側からのルートが最短距離と、地図で検討して以前からこの時期にと計画していた。
北ペトウトル山を下山し、その登山口となった「然別峡峰越線」ゲート前から幌鹿峠に向かって2.3kmほど北上すると、
鹿追町と上士幌町の境界となっているヤンベツ川の円望橋を渡った右側に、自分で決めたルートの登山口となる「内待沢林道」ゲートがある(2)。ヤンベツ川がなければ、山田温泉から直接狙うルートが最短距離であるが、橋がここまでないので、ここを登山口とした。
立派な林道を1kmほど進み、橋を渡ったところから尾根に取り付くことにする。北ペトウトル山と同じくトドマツとエゾマツの大木の鬱そうとした林が緩やかで広い斜面を覆っている中へ入っていく。
広い尾根の微かに最も高いところを狙ってひたすら直登を続けるだけの変化のまったくない登りである。ところが、北ペトウトルでは付かなかった雪が、気温が上がったせいか、シールに付くようになる。慌ててシールワックスを塗るが、濡れてしまってからでは手遅れのようである。斜度も緩いので、諦めて、トレーニングのつもりでそのまま登っていく。
1000〜1100mの間が、このルートでもっとも急なところである。この間だけは直登は適わず、大きくジグを切って登る。1100mを越えると、木の密度も薄くなり、木の太さや高さも落ちてきて、林が明るくなってくる。ルート上唯一地図上に記されている1183地点を越えると、ほとんど平らにな感じになる。
忠実に尾根の微かに高いところを狙ってまっすぐ進んでいくと、1250m附近で地図上に表れていないコブに乗る。一瞬そこが頂上かと思ったが、その先にまだ緩やかな尾根は続いている。ずっとまったく展望も変化もない登りである。楽しみはただひとつ、GPSの現在地の表示と高度の変化である。上空が開けてくるが、朝にあんなに晴れ渡っていたのに、どんどん雲が広がってきていて、木々枝をゆらす風の音が大きくなっている。
頂上が近づいたところで、東側の展望が開ける高見に出る。
そこを頂上だと思い、スキーを脱ぎ、はっきり見えている阿寒の山(4)や
眼下に広がるナイタイ高原牧場(5)、東から南の方まで広がる十勝平野を写真に収め、休憩モードに入ろうと、何気なくGPSを見たら、そこは頂上ではなく、もっと西側にあることになっている。そこから見渡してもここより高いところはないので、その方向へ歩いていって見ると一端下がってさらにその先に頂上の斜面が見える。どうやら地図でみてもこの頂上附近は微かにふたこぶ状になっていて、その東側の方に出たらしい。
慌てて戻り、スキーを着け、そちらへ向かうと、確かにところどころに岩を露呈させた頂上感のある一段と高いところがある。平らな頂上部分には木の枝に赤いテープも2本ぶら下がっている(6)。その間、わずか10分ほどなのに、上空は曇って阿寒の山もはっきりとしなくなるし、西の空は雪雲が広がっている。展望の広がる東側以外の斜面はみんなのっぺりしているのに、こちら側だけは沢に浸食されて切れ落ちていて、岩も露出していて結構それなりに頂上感のあるところである。
東側にだけ広がる展望を楽しみながら昼食タイムである。強い西風に乗って雪がちらついてくる。30分ほど休んで、下山開始である。斜度もないので、ワックスを塗ってスタートする。トレースを外さないように斜度の緩いところは直滑降で、ちょっと斜度の増したところは小回りで、木に激突しそうなところはプルークで慎重にどんどん下っていく。
登りで1時間40分掛かったところをわずか20分で林道に出てしまう。林道の南斜面に芽を出したばかりのフキノトウを採りながらゲートを目指す。帰宅後、今年初のフキノトウ味噌になる。
まだ時間的余裕もあるので、日本一というナイタイ高原牧場とそちら側から見た山容を見たくて、士幌経由でそちらへ向かうが、観光牧場としての営業はまだ開業していなかった。事務所へ寄ってパンフレットをもらって、帰宅しようと走っていると、ナイタイ高原温泉亀の子荘の看板を見つける。入浴するためにそちらへ向かう。350円であった。まさに高原の一軒宿というたたずまいで、お湯も温くゆったりとした露天風呂もあり、静かできれいな温泉である。温泉から上がり、
ナイタイ高原牧場の一部とその奥のナイタイ山を見ながら、一路十勝平野を南下する(7)。
ナイタイ高原牧場
上士幌市街地から9kmに位置し、標高350mから998mの高原に広がるホルスタイン中心の育成牧場である。戦前は種馬育成牧場として利用されていたが、当町の基幹産業である酪農の振興に伴い、昭和41年国営大規模牧草地事業として着工、昭和47年に完了。それ以降、町に管理移行隣、現在に至っている。
総面積1,700haで、そのうち1,009haほどが草地として牛の放牧に利用している。東京ドーム358個分だそうである。家畜の数は、5〜10月の放牧期間が最も多く、2,700頭の牛や馬が放牧されているそうである。