[86]神居尻山(947m)[Aコース〜Bコース]95,10,28天候 曇り時々晴れ
 
 整備され過ぎの感のある登山道を辿り、晩秋の展望を楽しむ。

登山Aコース
12:40
12:45
13:25
14:30
14:45
「道民の森」総合案内所
Aコース登山口
林道交差
縦走路分岐
頂 上 着 
[2:05]所要時間
下山Bコース
15:00
16:00
16:10
頂上発
Bコース登山口
総合案内所
[1:10]所要時間
 17:00浜益温泉(入浴)
 16:10浜益荘(宿泊)
          
 当初、雪に覆われた日高山脈を眺めるために、日高のピセナイ山に向かう。まだ暗い早朝3時半に出立。これ以上の秋晴れはないといった天候のもと、遠く雪の被った幌尻や戸蔦別を眺めながら日高路を向かうが、登山口のかなり手前で土砂崩れのため通行止め・・・泣く泣く諦めて、明日に予定していた神居尻山と黄金山を目指してさらに4時間車を走らせる。  

 日本海側に来るにしたがって、天候が良くないし、明日も「午後は崩れる」という予報。黄金山は明日にして、時間を要する神居尻山を先に登ることにする。
登山道途中から結構急峻な山容を望む
 「道民の森」の整備された総合案内所の広い駐車場に車を置き、登りは敢えて、一番距離の長いAコースに取り付く。樺戸山地では高さも山容もピンネシリの方が魅力的なのだが、頂上に乙部岳と同じ雨雪量観測レーダーがあり、車道が付いているのが嫌で神居尻山を選んだ。山容は深い谷、切り落ちた斜面や鋭い稜線など高度感はあるものの、「道民の森」造成に合わせて新しく造られた登山道である。尾根上を忠実にジグも切ること無く、急なところには嫌いな木の階段や太い立派なロープの手摺がとりつけられ(2)、展望の利くところには必ずといっていいほど休憩所が設置され、あまりにも整備され過ぎているのがちょっと興ざめであった。
 整備され過ぎ?の登山道
 初めは様々な広葉樹の落ち葉の絨毯の上をのんびり進む。ところが、途中で一時間近くの時間計算の間違いに気付き、つるべ落としの秋の午後だけにちょっと気持ちが焦る。おまけに、うんざりするほどいくつものピークを越す険しいアップダウンの繰り返えしが続き、さっぱり効率が上がらない。
 
 最初のピークを越すと、右手にすっかり葉の落ちた白いダケカンバとのコントラストが美しくも、結構険しい感じの頂上と対面(1)。太陽は雲の陰から時々顔を出す程度であるが、雪に覆われた暑寒別岳やその麓に飛び出した奇異な形をした黄金山の展望や、二度ほどキジの幼鳥との出会い、頂上にドームを抱いたスマートなピンネシリの山容を楽しみながら、頂上へもう少しのところにあるピンネシリヘの縦走路分岐に到着。
 頂上の様子
 そこから頂上へ続く稜線の南側は雪崩斜面で結構な高度感がある。立派な避難小屋の中を覗いて、まもなく誰もいない頂上(3)へ到着する。頂上は、風もなくそれ程寒くないが、汗が冷える。樺戸山地の全容や半分ほど雲に覆われた増毛山地、石狩湾、遠く雪に覆われた大雪連峰などの展望を楽しみながら遅い昼食をとる。
 
 15分程休んで、見るからにAコースとは対称的な急な痩せ尾根を一気に下る感のBコースを下山し始めたところへ、青年が一人登ってくる。Cコースとの分岐から振り返って見上げる頂上の南側斜面のすっぱり切れ落ちる迫力は、写真に収めたいところだが、フィルム切れで残念。
 全容を振り返る
 その後は、日高の戸蔦別岳からの沢に落ち込むような尾根道を思わせる急な斜面をジグも切らずに、幅の狭い木の階段とロープの手摺の連続で一気に下る。登りはかなりきついはずである。ただ、各休憩所に設置された展望や植物や森林の生態の説明板の文章が、子供に語り掛けるようなユーモア溢れる内容を易しく表現し、思わずしっかり読んでしまうのがとてもうれしかった。ファミリー登山や遠足登山を意識した他の山では見られない工夫である。
 
 晩秋の夕日に赤く染まった山肌を振り返りながら、登山口を後にして(4)、浜益温泉へ向かう。途中、明日登る黄金山を眺めながらの走行であるが、あまりにも急で奇異な山容に不気味な感じさえして、とても天候のいいときでないと登れないなと、明日の好天を念じる。
 
 設備の整った新しい浜益温泉で、宿の電話で予約をしたあと、のんびりと汗を流す。浜益の街にある旅館「浜益荘」は、泊り客が一人で寂しかったが、海の物中心の素朴な料理はボリューム不足ではあったが素材が豊富でそれなりに美味であった。
                                    
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