クマネシリ岳(1586m) [美里別川コース]    2名  04,6,6

作業道跡から急斜面をひたすら直登し、岩壁を巡らした頂上へ・・・表大雪・東大雪・北大雪の展望がみごと!
 
4:00 音更発
登山
地点
下山
6:10
7:15
7:55
登山口(910m)
草付き斜面(1430m)
頂 上(1568m)
9:40
8:50
8:30
[1:45]所要時間[1:10]

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GPSトラックログ(40kb)
 
  クマネシリ山塊の山では、早くから登山道が開かれていて、隣のピリベツ岳と合わせてオッパイ山と親しまれている西クマネシリ岳が有名であるが、このクマネシリ岳と南クマネシリ岳に正式な登山道ではないが、踏み跡があり、結構登られているという情報を得たのが昨年である。クマネシリ岳については、この5月に改訂発刊された『夏山ガイド』にも掲載されたばかりである。

 このクマネシリ岳は「本クマ」と呼ばれているが、この山の東尾根から8kmに渡って、この山名の由来となっているアイヌ語での「物干し棚のような山」が延びている様は地図上で見てもみごとである。

 私の音更の半年限りの仮住まいのアパートを見つけてくれた帯広在住のHYML(北海道の山ML)仲間のとしさんを誘って、南クマネシリ岳との一日2山の計画で出掛ける。

 快晴の夜明け前、音更から足寄町へ向かい、芽登から置戸町へ抜ける道道88号線を北上する。芽登から30km地点の紅映橋を渡り、左側の美里別川沿いの林道へ入る。その林道を10kmほど走ると分岐があるが、そこに設置されている小さな標識(1)を見落とし、快適な林道の方を直進してしまい慌てて戻る。その分岐からかなり荒れた林道に入る。河原跡のような車道を恐る恐る650m進むと、だだっ広い土場に出る。標識も何もないが、ここが登山口である。すでに910mもの標高である。

 土場からテープのぶら下がっている小さな沢を渡る林道跡の方へ進む。少し先へ進むと、ここにも広い土場がある。そこから目指すクマネシリ岳の全容が見え、その先にも荒れた道が続いている。10分ほど進むと、また土場に出る。そこはテープに従い、その上の右側の二股になった作業道の左股を進む。

 作業道跡にしてはかなり急登である。その中に踏み跡が続く。標高も高く、まだ雪が溶けたばかりで、花がほとんど見られない。ヒメイチゲとコヨウラクツツジとショウジョウバカマくらいのものであるが、小鳥のさえずりが爽やかである。

 作業道跡の上に続く踏み跡もアカエゾマツ林の急斜面を一度もジグを切ることなく、ひたすら直登でである。最初このルートを歩いた人はかなりタフな人なのであろう。1200mを越えると、残雪が出てきて、ダケカンバ帯となり、林床にも苔が生え、ツツジ類の灌木が増え、高山らしい雰囲気となってくる。

 1400mを越えると、ほとんど残雪をキックしながらの登りとなる。急斜面なので滑って前へ手を付くことも多いが、周りの灌木に掴まりながら登っていく。1430m附近で残雪が消え、灌木の生えていない草付き斜面へ出る(3)。ここから振り返ると、北見富士や武華岳と武利岳、その西側に表大雪〜ニセイカウシュッペなどの山々が見えるようになる。それらの展望を楽しみながら、一息入れる。

 さらに明るくなった急斜面の直登を続けていくと、一面残雪に覆われた急な斜面へ出る。頼りのテープが見当たらず、ちょっと右往左往する。しかし、上の岩壁を目指せばいいので、縁に生えている灌木の枝に掴まりながら登っていくと、岩壁の下にテープを見つけてホッとする(4)。そこから岩壁の隙間を登ると、頂稜の一番低い地点へ出る。ハイマツと岩が混じり、両側が切れ落ちた高度感のある頂稜線へ乗ると、東側に鋭く尖った頂上との対面である(5)。反対側の西クマネシリ岳の方へも踏み跡が続いている。

 ここで、この後に登る南クマネシリやその後ろにニペソツを初めとする東大雪の山々、物干し棚のように延びる尾根(6)などの展望が一気に広がる。

 鋸などで整備されたハイマツ帯の頂稜の細い稜線の踏み跡を8分ほどで、二等三角点とその支柱に頂上標識が立てかけられた360度遮る物のない頂上へ到着する(7)。

 西側に稜線で繋がっている西クマネシリ岳とピリベツ岳が見え、その後ろにニペソツ岳や石狩連峰が見える(8)。また、その右側に三国峠の国道が見え、その奥にまだ多くの残雪に覆われた旭岳を初めとする表大雪の山々が見える(9)。反対側には霞んだ雄阿寒岳や雌阿寒岳・阿寒富士も見えている。

 まもなく、単独の年輩の男性が到着する。聞くと西クマネシリの方から稜線づたいに来たそうであるが、途中、濃いハイマツで踏み跡が切れていて難儀し、見た目よりかなり多い1時間40分も掛かったそうである。帰りは同じ道を戻り、ピリベツに寄って下山するそうである。

 その男性が去ったが、無風で快晴、ポカポカ陽気の中、飽きることのない東大雪・表大雪・北大雪の展望(10)を楽しみながら35分ほど休憩する。次の南クマネシリの予定もあるので、下山開始する。

 登山口近くまで来ると、この山の情報を一番先に提供してくれ、前日「私たちも9:30ごろ登ります。逢えるといいですね。」とメールをいただいていた北見山岳会の熊ぷ〜さんとその仲間10人ほどが登ってくるのと出会う。

 まだ、9時半過ぎで、それほどの疲れもなく、45kmほどの林道と道道を繋ぎ、次の南クマネシリ岳の登山口を目指して車を走らせる。



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