東側から〜急崖を配した東面 |
西側から〜樹林に覆われた西面 |
4:50 自宅発
5:45 中天狗橋手前の駐車帯
登山 | 地 点 | 下山 |
6:00
6:05
6:30
7:20 |
駐車帯
林道入口
尾根取付き
頂 上 |
8:10
8:05
7:50
7:30 |
[1:20] | 所要時間 | [0:40] |
827峰(点名・下俄郎)登山口へ
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函館から江差方面へ向かう国道227号線の天狗橋前後の南側に聳える尖った山が、この北斗市の三角山である(1,2)。函館新道の桔梗辺りからも木地挽山と毛無山の間にその尖った山容を望むことができる。
登山道はなく、急峻な山ではあるが、函館や近郊のマニアックな冬山愛好者には結構登られている山のようである。
冬の痩せ尾根が嫌いな自分は、地図を眺めては、この山に登るときは、仲間の多くが利用している北尾根は避けて、西側の中小屋林道を利用して山裾をグルッと回って頂上へ直接繋がる急な西尾根を登る方が安全と考えていた。しかし、そのルート情報はまったくなかった・・・。
○数日前のトレースに導かれて
好天予報に釣られて、Fuさんを誘って、厚沢部の827峰(点名・下俄郎)とセットの1日2山の予定で出掛けた。
まだ、夜の明け切らぬうちに、中天狗橋手前の大野ダム入口ゲート前の駐車帯に車を置いて出発。この時点では、中小屋林道を入り、送電線の下から北尾根に上がるつもりでいた。その北尾根を下から眺めると、もの凄い雪庇が張り出していて、見上げるのも怖いくらいである。
国道を5分ほど歩く。携帯電話のアンテナの建つ地点が林道の入口である。
林道に上がると、数日前のものと思われるスノーシューのトレースが続いている(3)。
これ幸いとばかり、つぼ足でそのトレースを辿る。しかし、そのトレースは、どこまで行っても北尾根には向かわずに、奧へと続いている。
自分が当初考えていた西側の直登尾根へ向かっているようである。「このルートを考える人もいるのだ・・・。」と、北尾根に向かうのを止めて、そのトレースを利用させてもらうことにする。「北尾根は下山に使ってももいいか」と考えながら・・・。
トレースは、
頂上部分と西斜面が望めるc400m付近で(4)林道を外れて、西尾根の末端に取り付いている。こちらの考えていた当初のルートなので、安心してそれを辿る。斜度が急になったところで、カンジキを着ける。
その先は、地図からも予想していた通りもの凄い急斜面となる。木が密生しているので雪崩の心配はないが、スノーシューでは絶対無理な斜度である。トレースはかなり苦労しているようで、ついにはつぼ足で登り下りしているようだ。こちらは、カンジキの強みであるキックステップができることや底の歯を利用して、這うようにして登っていく。振り返ると、朝日を浴びてピンク色に輝く山肌が美しい。
斜度が緩むと、林から抜けて、朝日を浴びて頂上に到着(5)。
頂上へ出ると、眩しい朝日と反対側の眺望がいきなり飛び込んでくる。毛無山の尾根の左側に、雪煙を上げる木地挽山とその奧の横津連峰、さらには函館方面の眺めが広がる。(6)
駒ヶ岳は、二股岳の陰になっているうようで東側の尾根しか見えない。西側の眺望は木々に遮られてよく見えないが、設計山は見えた。
頂上の雪庇は6mほども張り出しているようで、誤って踏んだら奈落の底である。二股岳をバックに記念写真を撮るが、その場所も雪庇の上かも?と思うと腰が落ち着かない(7)。
雪庇越しに恐る恐る下を覗くと、国道227号線が眼下に見え、足が竦む(8)。
○雪庇の恐怖を避けて同じルートを下る
それでも、雪庇の張り出している北尾根を下るつもりで歩き出す。
しかし、雪庇の根元には割れ目が走っていて、木の密生した斜めの斜面をトラバーズするしか歩きようがない(9)。とても歩きづらいのと、雪庇の恐怖と闘いながら下るのはゴメンとばかり、早々に止めることにする。頂上の下の斜面をトラバースして、登りのルートへ戻る。
そうと決まれば、下りは速い・・・登りで50分要した急斜面をわずか20分で林道まで下ってしまう。あとはカンジキを脱ぎ、つぼ足で林道をくだるだけ。頂上での休憩も入れて2時間ちょっとの快心の山行となった。
結果的に、トレースのお陰で、楽させていただいたのと、自分でも考えていた安全ルートを採ることができ、大満足の新しい一山となった。この山のお勧めルートとでも言いたいくらいである。
このトレースを残してくださった方々は、このページを読んだ2名の方からメールを頂いたが、函館山の会のメンバーだったらしい。感謝!