8:10 三角山(北斗市)下山
8:35 天作林道入口
登山 | 地 点 | 下山 |
8:45
9:30
9:50
11:30 |
林道入口
尾根取付き
南西尾根
頂 上 |
12:50
12:40
12:30
11:55 |
[2:45] | 所要時間 | [0:55] |
13:10 鶉温泉(入浴)
15:10 帰宅
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乙部岳に次ぐ厚沢部町の第2峰で、隣り合っている北斗市にもこれより高い山はないにもかかわらず、不遇な無名峰である。この山より高い山は、南の七ッ岳、東の横津岳、北の狗神岳、西の乙部岳までない。したがって、
長く緩やかな尾根を延ばし、ゆったりとした大きな山塊はどこからでも目を引く存在である(1)(鶉温泉付近から撮影〜ルートは真ん中の尾根)。
三等三角点「下俄郎」が設置されている山で、函館山の会では、天作沢川の源流の山ということからか、「天作沢山」と呼んで、毎年のように登っているようだ。頂上の北東側は、地図にも記載されている天然記念物指定の「鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯」である。
山容からしても、初心者の山スキー登山には絶好の山のようだ。国道227号線へ向かって5本ほどの尾顕著な尾根が延びているので、いくつかのルートが考えられるが、登り返しのほとんどない一番利用されているらしい天作沢川とガロウ沢川に挟まれた南西尾根ルートを採った。
○天作林道からゆったりした尾根へ
Fuさんと二人で、早朝のうちに北斗市の三角山へ登り、こちらへ移動する。
中山トンネルを抜けると、目の前にド〜ンと飛び込んでくるのが、この山である(2)。
厚沢部町の天作沢川沿いの町道を走り、天作林道の入口へ車を置いて、山スキーでスタート。林道をそのまま45分ほど進み、ヘアピンカーブとなるc340付近の先から支尾根に取り付く。
ブナ林の尾根を20分ほど登り、頂上へ繋がる南西尾根に合流。
ゆったりした幅広尾根で、中央部にはなぜか木があまり生えてなく、実に広々とした快適な尾根だ(3)。
標高点605付近から尾根は少し細くなり、雪庇も東側に発達している。この辺りまではブナの巨木が目に付いたが、
それから上は、ダケカンバの巨木が目に付くようになる(4)。c650〜c800は、再び幅広の尾根となる。スキーもラッセルの必要がまったくなく、淡々と直進することができる。
高度を上げて行くに連れて、
西側には、2/11に登った鍋岳を挟んで乙部岳と砂蘭部岳の山並みがスッキリと見えるようになる(5)。
やがて、手前の800ピークまで登り詰めると、それまで陰で見えなかった頂上が姿を現す。ここから先の稜線には向きを交互に発達させている雪庇が続き(6)、稜線の上を進むことができないので、木の生えてない東側の斜面をトラバースして進む。
○360度の大展望・・・そして、下山
先に登頂したFuさんが、「おおっ〜!」と声を上げる。
彼の指さす先には、それまでは見えなかった見慣れない角度からの新鮮な形の駒ヶ岳のスッキリとした姿が・・・(7)。
まずは、その駒ヶ岳を挟む格好での記念撮影(8)。そして、遮る物のない360度の大展望を楽しむ。
西側には、乙部岳〜鍋岳〜砂蘭部岳や八雲の山々。
北側には、地層を剥き出しにした南面をこちらに見せる迫力満点の狗神岳、自分が辿った崖上の西尾根が懐かしい(9)。
東側には、最奧に横津岳と手前の七飯岳、その手前の木地挽山、さらに手前の二股岳の重なりがおもしろい(10)。
さらに、南側には、二人で登った焼木尻山や遠くの桂岳や七ッ岳、さらに二人で登った袴腰岳と尖岳などが・・・。
その西側には厚沢部平野とその向こうに、八幡岳〜笹山〜元山の連なりも見える(11)。
それらの大展望を楽しみながら、昼食を摂る。欲を言えばきりがないが、予報に反して上空には雲の方が多く、太陽の陽射しが差したり陰ったりで、暖かさが全然違う。もっと、春のポカポカ陽気の下での頂上を期待してきただけに、ちょっと残念だ。
25分ほど休んで、いよいよ下山。自分は頂上でシールを外し、Fuさんはちょっと登り返しのある次の800ピークでシールを外す。
ターンを楽しむほどの適度な斜面はほとんどないが、正面の堅いモナカ状の雪なので、思うようなターンを刻むことはできない。安全第一のプルークターンと直滑降で緩い斜面を下る。
支尾根は、雪が緩んでいて、スキーは回しやすいが、今度は木が煩い。声がしたので、後を振り向くとFuさんが大木に衝突している。しかし、転倒もせずに大丈夫だった・・・・2時間で登った尾根を35分で下って林道へ出た。
林道も傾斜があるので、登りで45分掛かったが、下りはわずか10分でゴールイン。結局、トータルで登りの1/3で下山したことになる。これが山スキー登山の一番のメリットである。
貸し切り状態の鶉温泉でゆっくりと疲れを抜いて、帰路に就く。今日の北斗市の三角山とこの山は、癌で入院しなかったら、昨冬に登るはずの念願の山だっただけに一日で2山を制して大満足である。