10日目 4/21,急遽、軍用機でカトマンズヘ、そして、ホテルで缶詰状態

ルクラ発10:10〜(軍用機)〜カトマンズ着10:40  ホテルラディソン着11:20

○予定が変わり、急遽軍用機で外出禁止令のカトマンズヘ
 
 西の山が朝日に輝き、快晴の朝を迎える(1)大丈夫飛行機は飛ぶであろう。一堂胸をなでおろして、最後の朝食を摂る(2)。朝食後、昼食は12時の予定であるが、予定変更もありうるので、11時ごろにはロッジの中にいてくださいとのことである。

 天候も良いので、外をブラブラしに出かける。まず、空港を見に行く。次々と飛んできては、飛び去って行くので、それを見ているだけで飽きることはない。中には軍用機に乗り込む一団もいるし、今まで見たこともない大きな20人乗りのヘリコプターも飛んできた。
 
 、9時前に中央通りの方へ行くと、子供の通学風景に出会う。大きな子が小さな子の面倒を見ながらの微笑ましい風景である(3)大きな子は青いセーターに白いシャツ、赤いネクタイ、男女共に赤いスカートのような制服を着ている。その子達の後ろをついていくと、制服を着ていない小さな子は街のすぐ上の学校へ登っていくが、制服を着た子達は、街外れのゲートを出て、我々が昨日下りてきた道を進んでいく。ゲートのところに兵隊がたくさんいるのでそれ以上の追跡は止めた。なお、ネパールの教育制度は、4歳以上が入学でき、小学校が5年生までで、小学校の教育費は無料だそうである。しかし、途中で止めてしまう子や行けない子も多いようで、このルクラの子供達は非常に恵まれているようである。

 その後、昨日のバザール会場の下の方へ続く道を見つけたので、そちらの方へ下りていく。道沿いにはいかにも貧しそうな農家の民家が建ち、その生活を垣間見ることもできた。生活物資を下の集落まで運ぶポーターもたくさん往来している。滑走路の端付近まで行くと検問所があり、兵隊がたくさんいるので止めて戻ることにする。

 10時までにロッジに戻れるであろうと、中央通りに出たところで、若いキッチンボーイが私を見つけて「早く!早く!」と言う。急いでロッジの前に行くと、サーダーが待ち構えていたように、「スケジュール、チェンジ!急いでください!」と言う。急いでロッジに入ると、他のメンバーはすでに出発準備を終えて心配そうに私の到着を待っていた。荷物は同じ部屋のOさんがすでに出してくれたらしい。ツアーリーダーのKaさんはすでに空港の方へ出かけている。

 私の準備を待って、ロッジを飛び出す。何が何やら分からいままサーダーが先頭になって「急いでください!」と急かされて空港へ向かう。待っている乗客でごった返している空港の入り口でツアーリーダーからチケットを受け取り、「前について行ってください!」と言われる。どこへ行けばいいのか分からないまま、人ごみを掻き分けながら背の大きなサーダーの後を追う。なんと一気に改札口から外に出た。定期便と軍用機が2機停まっていた。チケットを見た係員が軍用機の方を指差すので、そちらへ向かう(4)

 荷物を積み終わったところで、我々が乗り込む。椅子は金属の長いもので壁の両側にお互いが向かい合って座るように作られている。その間に荷物が積まれている。窮屈な格好で乗り込むとすぐに動き出した。私がロッジへ戻ってからわずか20分間の出来事であった。あと5分戻るのが遅ければみんなに迷惑を掛けるか、一人だけ置いて行かれるところであった。我々の他に欧米人が8人ほど乗っていた。無事着陸したら、同乗の欧米人グループから拍手が上がったので、我々も同じ思いで拍手をした。

 カトマンズの空港へ着いて、我々の地元の受け入れ会社の社長さんが直接迎えに来てくれていて、ようやく状況が理解できた。13:00の定期便では、今日中に下りられない可能性が強いと判断し、直接軍に掛け合ってくれたのだそうである。その軍用機がカトマンズを飛び立った段階で、ツアーリーダーに「今、そっちへ着く軍用機に乗ってください」という連絡が入ったらしい。

 いずれにしても、無事カトマンズまで下りることができ、ホッとするが、カトマンズの町は外出禁止令が出されたままで、店のシャッターはすべて下ろされ、街角に兵隊の姿だけが目に付くまさにゴーストタウンである。走っている車は「ツーリスト・オンリー」と書かれた垂れ幕を前に下げた我々の車だけである。

○ホテルに缶詰状態

 8日ぶりにラディソンホテルに到着し、まずしたことは、なんと言ってもシャワーである。8日ぶりにさっぱりするが、外出は一切できない。仕方ないので、ホテルの中でのんびり過ごすしかない。私は昨年、カトマンズ市内散策や古い寺院の固まっている旧王朝のあったパタン市の散策をしているのでいいが、ネパールが初めてのほかのメンバーには非常に気の毒である。

 部屋にあるテレビにNHK放送が映るので、これで初めてネパールの詳しい情勢が分かった。カトマンズ市街地は静かだが、それを取り囲むリングロードでは数10万人規模のデモが発生し、軍隊とも衝突が起きているようで、犠牲者も出ているようである。ホテル内にある3つのレストランでの食事や、部屋の窓から見える街並み(5)その街並みとはやや異質なホテルの雰囲気を楽しむしかない(6)昼食は、メインレストランのネパール料理中心のバイキングを、夕食は他のメンバーと一緒に別のレストランでピザとビールを楽しむ。

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