1839峰(1842m)A
[コイカクシュサツナイ夏尾根コース] 4名  12,7,18〜20
99,7,26〜27のガス中単独初登頂の記録

HYML60代メンバー4名と共に、13年ぶりに念願の晴れた1839峰への再訪が叶う
 
<7/17>
12:00 中札内道の駅集合
14:30 札内ダムゲート発
15:30 札内川ヒュッテ(泊)

<7/18>
登山
地   点
 5:20
 7:30
 8:20
11:50
12:20
14:50
札内川ヒュッテ
上二股着
  〃 発
1305テン場着
  〃   発
コイカク夏尾根頭(泊)
[9:30]所要時間

<7/19>
往路地点復路
 4:40
 5:55
 7:35
 7:50
 8:45
10:30
11:25
コイカク夏尾根頭
ヤオロの窓
ヤオロマップ岳着
   〃    発
1781ピーク
前衛峰
1839峰
19:00
17:10
15:50
15:40
14:50
12:50
12:00
[6:45]所要時間[7:00]

<7/20>
下山
地   点
 6:00
 7:25
 7:50
 9:30
10:25
11:10
11:40
13:15
13:35
14:35
コイカク夏尾根頭
1305テン場着
 〃   発
上二股着
  〃 発
テント干し休憩
    〃
札内川ヒュッテ着
   〃    発
札内ダムゲート
[8:35]所要時間

16:00 芽室町・新嵐山荘(入浴・食事)
17:30 解散・自分は駐車場泊
 
 


  中日高のヤオロマップ岳から西に派生する支稜線上に聳える孤高の鋭鋒1839峰(1)存在感のある岳人憧れの人気の山だ。自分にとっても、「北海道百名山(山渓)全山単独行完登ゴール」の忘れられない山である。天候に恵まれず4年目にようやく登れた山だったが、そのときも終始濃いガス中の登頂だった。「いつか、晴れた1839に再訪したい」が長年の念願になったまま13年の歳月が流れていた。

 なお、実際の標高は1842mなのだが、昔の標高がそのまま山名として定着してしまった山である。同じように1823峰も実際の標高は1826mだ。

 昨年、札幌のHYML仲間から「60代メンバーでかすみ草さんを1839に登らせる会」のリーダーとしてのお誘いを受けた。しかし、天候に恵まれず、今夏に延期になっていた。そのときと同じメンバーで、それぞれ一度ずつ登っているyoshiさん、いさむちゃん、私に、一昨年ヤオロの窓まで行って悪天候で撤退しているかすみ草さんの60代混性カルテットである。

○7/17、札内川ヒュッテ前泊

 本来であれば、コイカクシュサツナイ川の登山口まで車で入れるのだが、今年は、雪害で途中の橋が壊れて、札内ダムの先は通行止めになっている。そこで、札内川ヒュッテまで歩いて、前泊することにした。

 昼に中札内道の駅で待ち合わせて、食事と買い物を済ませる。札内ダムのゲート前からスタート。共同装備の一番重いテントは自分が引き受けた。(2) いくつもの暗いトンネルを抜けて、約1時間で、貸し切りの札内川ヒュッテに到着。ジンギスカンパーティで3日間の天気上げと健闘を誓い合う。

○7/18、コイカク夏尾根頭テン場まで

 晴れの朝を迎える。札内川ヒュッテを元気に出発(3)。一つトンネルを抜けて、コイカクシュサツナイ川へと進む。

 水量は少ないので、二つの函は中を進むことができた(4)

  昨冬はあちこちで雪崩があったようで、快適だった河原がデブリや土砂で埋まり、流れまで変わっていて、その荒れように驚きながら進む。流木土砂の堆積した上を越えなければならないところも多かった。

 やがて、雲一つない真っ青な夏空の下に、これから登らなければならない標高差1060mの道内最高急登のコイカク夏尾根が見えてくる(5↓)




  上二股の手前に最大のデブリがあり、まだ分厚い雪が一面倒木と土砂で覆われていた(6)、その倒木の根元に時季はずれのオオサクラソウが健気に咲いていたのには驚く(7)。2時間強で、上二股に到着。良いペースだ(8)

 上二股で沢靴から登山靴に履き替え、一人5リットルの水を汲む。50分ほどその準備や休憩に費やし、いよいよ最難関の夏尾根に挑む。

 自分は、この尾根はこれまでに2回登って4回下っている。この急な上り下りの苦しさは嫌と言うほど身に染みている。しかし、今回は一番後ろからゆっくりペースに合わせていくので、これまでで最も重い荷物のはずだが、あまり苦しさは感じなかった。1時間ほどしていさむちゃんが足が攣りだしたので、さらに2リットルの水も引き受けるほど余裕があった。

 ほぼ標高差150mごとに休憩しながら、ゆっくりながらも順調に高度を上げる。下の方は道の脇は笹で覆われているが、高度を上げて行くに連れて笹がなくなってくる(9)

 上二股から3時間30分で、1305テン場に到着。天候も良く、夕方までにテン場に着けばよいので、30分ほどゆっくり休憩(10)

 あと残り2/5ほどだが、核心部の急な岩場があるので、油断は出来ない。心してスタートする。




 いよいよ急な岩場に差し掛かる。ここはルートファンディングを買って出て、先に登る。眼下の痩せ尾根の下に歩いてきたコイカク川の深い谷が覗き、その先には尖ったピラトコミ山が見える。高度感のある眺めだ(11)。北側には、2004年に単独で縦走した主稜線上の一番手前に1463ピーク、その後ろにテン泊した1823峰、さらにその左奥にカムエクが頭を見せている(12)


 岩場も無事クリアでき、高度を上げていくと、細い尾根の上にゴールのコイカク夏尾根ピークが見えてくる。安心して最後の休憩を取る(13)

 14:50、1日目のゴール、夏尾根頭に到着。上二股から7時間20分、スタートの札内川ヒュッテからは9時間30分の行程だった。上空に黒い雲が懸かってきて心配したが、やがて、それも取れて来る。

 疲れた体でテントを張り終え、明日のピストン予定の1839峰とそこまでの長い稜線を眺めなら、のんびりくつろぐ(14↑)

 13年前自分が一人でここにテントを張ったときには、濃いガスで何も見えず、強風で一睡もできなかった・・・それに比べると天国だ。

 一帯は花畑が広がっている。ウサギギク(15)、チシマギキョウ(16)のほかに、イブキトラノオ、エゾツツジ、ミヤマダイコンソウなどが咲いている。

 テントの中に入ると、ちょうど入口から西日を浴びて輝く1839峰が見えるのがうれしい。最高の贅沢なロケーションだ(17)

 それを眺めながら、ウィスキーの水割りで乾杯し、豚鍋の夕餉を囲む。これがグループ山行ならではの最高の楽しみである(18)

 19:00過ぎには、シュラフの中に入り、いつの間にか眠ってしまった。夜中にトイレに起きると、満天の星空が広がっていた。

つづく


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