渚滑岳(しょこつだけ)(1345.2m)<滝上町> 
[東尾根ルート] カンジキ 単独 2010,4,02 
ようやく日帰り情報をゲットし、天塩岳の北側に聳える念願の山へ

5:30 滝上町道の駅発
6:15 五区三十五番川林道入口
登山
地 点
下山
 6:30
 8:10
 9:20
10:25
10:50
林道入口
746ポコ
c990ポコ
1212ポコ
頂  上
13:30
12:30
11:50
11:15
11:00
[4:20]
所要時間
[2:30]
16:00比布温泉(入浴)
17:30 旭川道の駅(泊)

天塩岳の北側に聳える北見山地南部の山。北見山地は北へ行くに連れて標高が低くなるので、貴重な1300m峰である。オホーツク海へ注ぐ渚滑川の源流部に位置することが山名の由来。「ショ・コツ」は(滝の・窪み)の意。

 最初に天塩岳に登ったときにその存在感のある山容を眺めて、機会があれば登りたいものだと思っていたが、奥深い山で日帰り情報がなかなか見当たらなかった。しかし、3月上旬に、これまで何度も同行している札幌の岳友ヤマちゃんから、情報のないまま最短距離だと思われる滝上町の五区三十五線川出会いから頂上へ繋がる東尾根を日帰りをしたという情報をいただいた。

 前夜、滝上町の道の駅で夜を明かす。早朝まで降っていた雨が上がり、すぐに青空が広がって来たので、上川町へ抜ける国道273号線を南下。離農した廃屋がやたらと目に付く国道である。第四区地域から目指す頂上が見えている(1)少し南下し、第五区地域で月見橋を渡り大きく左側にカーブする右側が、五区三十五線川出会いにある東尾根の末端である。

 適当な場所がないので、車は国道の脇に停めるしかない(2)その向かい側にある林道入口からカンジキでスタート。前日にヤマちゃんに電話を入れたら「スキーは止めて、カンジキで登った方が良いです。下の方は雪付きが悪いし、急な痩せ尾根が続いていますので・・・」とのことだった。

 すぐに分岐があるので、左側の林道を進んだら五区三十五線川を渡る橋がない。仕方ないので、分岐まで戻って右側の林道を進む。橋を渡って、すぐに尾根の末端がある。林道を利用して左から巻くようにして、その尾根に取り付く。ここが既に標高350mである。残りの標高差1000m。

 まもなく、左側から伐採道らしき道が尾根に合流している。途中までそれを辿ることができたのでとても助かった(3)その道はc570付近で尾根から離れていくので、再び尾根に乗る。確かに雪の付きは悪いが薮はない。エゾシカの糞だらけで、鹿道のような痕跡が続いている。国有林の境界にもなっているらしく尾根の上の木にずっと赤テープや境界標識が付いている。夏には鹿道が作業道になっているのかも知れない。

 地図からも予想はしていたが、c600からc650の間が狭い上にもの凄い急登だった。下山時に上から見た感じでは、トドマツ林の中だから怖くはなかったが50度くらいはあったと思う。スキーで来たら絶対担いで登り下りしなければならないところである(4)

 それを越えると、緩やかになるが、今度は尾根の上に雪が無く、地面が露出している。雪が付いているのは右側に発達した雪庇(5)

 その先が標高点746ポコである。その先は徐々に広い尾根となり、斜度も緩くなる。高度を上げていくと、昨夜の雨が雪だったようで、カンジキラッセルが続くが、木々の枝の雪化粧が美しい(6)

 やがて、急登を抜けるとc990のポコへ到着。振り返ると北東側に国道273号線沿いの滝上町方面の盆地が広がる(7)

 標高点974へ向かって少し下ると、木々の間から目指す頂上とそこまで辿る尾根が見える。雪煙を上げていて、風がかなり強そうだ・・・(8)

  周りの山が見えないのに、目指す山だけは見えているというのもうれしいものだ。なんとか到着するまで晴れたままでいて欲しいと願いながら、少し深くなっていた雪面に歩を刻む。


上空は晴れているが、天塩岳方面から北大雪方面は雲が懸かって、その稜線の山は見えないのが残念。かろうじて見えているのは右手後の北見富士だけである(9)

 標高点1212ポコまで来ると、尾根も幅広で緩やかになり、ダケカンバの疎林帯となる(10)足首の深さ程度の新雪を気持ちよく漕ぎ、近くなった頂上を目指す。

 一昨日の知西別岳は600mで森林限界を越え、ハイマツ帯となったが、この山は1300mを越えているのにハイマツが見当たらない。その上、森林限界もはっきりしない。山によって、ずいぶんと植生に違いがあるものだ。 

 スタートして4時間20分、灌木が生えた、のっぺりと平らな頂上に到着。天候が良ければ、南側に天塩岳が見えるはずだが、生憎ずっと雲の中。オサツナイ川を挟んで、天塩岳方向の境界稜線へ続く細い尾根だけが見えている(11)

 強風に三脚が飛ばされないか心配だったが、記念撮影をする(12)風も強いし、展望もないので、パン一個だけ頬張って、即退散。ひたすら登りのトレースを辿って下山を続ける。

 下山後、携帯で明日以降の天気予報を調べる。明日以降は上川3山(天幕山・摺鉢山・突角山)の予定だが、明日は雪で、天候の良いのは明後日だけ。その後2日間は雨絡み・・・。

 これまで、標津山地の山を4日間、知西別岳は途中撤退も含めて2日連続、そして、この渚滑岳・・・どれも登り応えのある印象的な山ばかりで、もう十分満足である。今回の山旅はこれで打ち上げることにして、浮島ICから無料高速区間の比布ICまで走る。高速を抜けて比布の温泉に入る。その後、旭川道の駅で泊まり、翌日の昼には帰宅した。


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