社満謝岳(1062.5m)<南富良野市/占冠村>
<タケノコ山北東尾根ルート> 山スキー  単独 12、3,27
通称タケノコ山経由で社満謝岳へ登り、帰りのタケノコ山の北東斜面で豪快な滑降を楽しんだ

 7:00 南ふらの道の駅発 
登山
地 点
下山
 7:30
 9:20
10:00
入山口
タケノコ山
頂 上
11:15
10:35
10:15
[2:30]
所要時間
[1:00]

12:00 南富良野保養センター
               (入浴)
13:00 南ふらの道の駅(車中泊)

自分も執筆者の一人の『北海道雪山ガイド』にも掲載されているこの山は、かなやま湖の南岸に連なる山の最高峰で、富良野町と占冠村の境にある一等三角点の山である。

 気になる山名の由来をネットで調べたら、下記のような記述が見つかった。社満射岳の山名は誤った山名が既成化したもので、正しくは杜満射岳(トマンシャダケ)で一等三角点名も杜満射岳となっている。また古い資料ではトマムシャウンヌプリとなっており【杜】が【社】と書き間違えられてシャマンシャ岳になったようである。アイヌ語のトマムシャウンヌプリは(湿地の前にある山)を意味すると言う。

 この山の魅力は、なんと言ってもタケノコ山と呼ばれている東隣の1039ピークのからの北東斜面の大滑降であろう。

 この日は、大麓山〜トウヤウスベ山の予定だったが、天気が良くなさそうなので、十勝側の影響を受けて好天が期待できそうな南富良野町のこの山へ向かった。読みがバッチリ当たり、晴天の下に、滑りを期待させる下までオープン斜面が続くケノコ山とその右奥に目指す社満謝岳がくっきりとした姿で迎えてくれた(1)

 南富良野町の中心地である幾寅市街地から内藤の沢川沿いの林道へ進む。林道は除雪が奥まで入っていて、途中にゲートがあった。丁度その手前が尾根の取り付き部分だったので、広く除雪されたところへ車を置いてスタート。

 ○まずは、タケノコ山を目指して

取り付き部分からも林道が続き、その上には昨日?のものと思われるトレースが続いていた。正面にはタケノコ山の頂が見える(2)

 トレースを辿り、北東尾根を登っていく。周りはトドマツの原生林となり、標高点603付近から斜度が非常にきつくなってくる(3)左手には帰りに滑り降りる予定の北東斜面が覗き、滑り降りたシュプールも見える。

 トレースに助けられながら、急斜面を登っていく。c700付近から右側へ方向を変えて巻くようにして、尾根の中央へ乗る。


 辛い急登を終えて、1000mを越えると、ようやく斜度が緩んでくる。しかし、ラッセルも深くなる(4)。やがて、右手にこの後目指す社満謝岳頂上が見えるようになる(5)

 やがて、タケノコ山の頂上が近くなってくると、トレースは完全に消えてしまう。ウインドクラストしているが、膝上ほどの深さで、一歩一歩が辛いラッセルになる。この辺りの登りが最もきつかった(6)

 雪庇の発達した尾根のピークに立つと、タケノコ山の頂上は、その少し右奥にあった。

 この頂上からは、南側のアンテナの立つ落合岳からトマム山へと連なる山並みの展望が素晴らしい(7)このほか東側には狩勝付近の山々や北日高の山もみえる。

○コルを越えて社満謝岳へ

 ここから社満謝岳は方向を真西に変えて、幅広の吊り尾根で繋がっている。

 一休みして、社満謝岳を目指す。コルを目指して標高差にして60mほど下って、登り返さなくてはならない(8)

 ここから先には一切トレースは見当たらなかったところをみると、昨日と思われるトレースの主は、こちらへ向かわないで、タケノコ山の斜面を滑り降りる目的で登ってきたのかも知れない。
 
 コルからは急な手前ピークをかわすように左斜面を巻くようにして頂上を直接目指した。

 タケノコ山から40分、スタート地点から2時間半で、狭い頂上へ立つことができた(9)

 これまでの4日間で最も天候に恵まれ、360度の大展望が広がった。しかし、凍結したかなやま湖面越しに連なる十勝連峰も今日登る予定だった大麓山〜トウヤウスベ山も雲に覆われたままだった。こちらへの転進が功を奏し、喜び一入である。


眼下の凍結したかなやま湖の西半分の奥には芦別岳を初めとする夕張山系が屏風のように連なる(10)


東側には、スキー場からタケノコ山へ連なる尾根とその下には盆地状の幾寅市街地が見える(11)

○楽しみにしてきた長いオープン斜面の豪快な滑降を楽しむ

 シールを付けたままタケノコ山まで戻り、シールを外す。いよいよ楽しみしてきた北東斜面の大滑降だ。本来であれば、時期的にはもう期待できないのだが、ここ数日の厳冬季並みの寒さと降雪のお陰で、やや重めながらもなんとか滑降が楽しめそうな膝上ほどの深雪斜面が待っていた。


 ピークから左側へ長い斜滑降で下っていくと、眼下に沢の源頭部まで見通せる急なオープン斜面が飛び込んでくる。この標高でこのような長いオープン斜面は珍しいのでワクワクする(12)
 いよいよスタート・・・膝上ほどの深さのやや重めの雪ゆえに、思う通りの快適なターンは描けなかったが、上の急斜面は慎重に大回りで下りる。一気に滑り降りるのはもったいないので何度か停止したが、2度ほど豪快に捲れて深雪の中でもがく羽目に・・・斜度の緩んだ下の方は小回りで滑り降りた。
 
 標高差400mほどの大滑降を楽しみ、滑り降りてきた斜面を見上げる。上の急斜面の滑りは不満が残ったが、この時期、なんとか深雪滑降を楽しむことのできた満足感に酔う(13)源頭部からは左側の登ってきた尾根を目指して、林の中を下っていく、林の中はまだパフパフパウダーで思うような滑りを楽しむことができた。c550付近で登りのトレースにぶつかり、入山口を目指す。

 入山口へ到着したら、ちょうど札幌ナンバーの車の若者が一人でスタートするところだった。「「私のトレースでラッセル不要ですよ」と言ったら「助かります」と嬉々として登って行った。車を発進させてから、普段はしないことだが、ふとなんとなく拙サイトの読者のような気がして、HPの名刺をドアの所に挟んで来た。その夜、案の定、ブログの方へ下記のようなコメントをいただいた。

 びっくり&感激です!! (shino) はじめまして。今日社満射岳登山口でお会いした者です。このHPの読者でしたが まさかsakagさん本人に出会えるとは! 今、軽く興奮状態でPCのキーを打っております! 今日は寝坊をして 山に行こうかどうか迷ったのですが 出かけて大正解でした。今日のトレースは大助かりでした。明日晴れるといいですね!
 こちらも、予感が的中するうれしい出会いに大感激だった。

 下山後、かなやま湖畔の南富良野保養センターで疲れを癒す。翌日は、天候が良ければ今日の予定だった大麓山〜トウヤウスベ山の予定なので、南富良野市の道の駅に落ち着いた。


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