ピリカ「丸山」(674.2m) (美利河コース) 単独行 02,04,29
登山 | 地点 | 下山 |
7:05
8:23 |
登山口
頂 上 |
10:00
9:15 |
[1:08] | 所要時間 | [0:45] |
正式には「丸山」という名前であるが、同じ名前の山があちこちにあるので、ここでは敢えて美利河の地名を付けて「ピリカ丸山」と呼ぶことにしたい。この山は、自分のフィールドである道南の山で「夏山ガイド」に掲載されている中で、唯一登り残していた山である。これと言った魅力も見いだせなく、標高や登行時間などから、何かのついでにと思って数年経過していた。
雪山との端境期の低山巡りの一つにとの思いつきで、札幌からの帰路でもある早朝、この山を選んでみた。登山道は長万部の二股温泉からと今金の奧ピリカからの2本があるが、今回は距離の短い後者の方にする。
長万部と瀬棚を結ぶ国道230号線の今金の美利河ダムの手前からピリカベツ川沿いに10kmほど進むと、登山口となっている通称・奧ピリカといわれる美利河温泉がある。ここには、温泉を中心に夏季期間のみの温泉宿である山の家や遊歩道が完備した自然公園になっている(1)。妻とドライブがてら来たことのある数年前は、800m手前にゲートと駐車場があり、温泉まで歩いたものだが、現在は温泉の上まで車で入れるようになっていて、立派な駐車場までできている。
早朝ということもあり、駐車場は宿泊者のものと思われる車がたくさん停まっている。山の家の裏手から登山道が付いていて、標識に2.8kmと書かれている。1時間少々の歩きになるだろうと思い、「急ぐことはない、ゆっくりこう」とスタートする。まずは頂上に続く尾根に乗るまではブナ林の急な斜面を大きくジグを切って登る。まだ朝日が当たっていない道端には花びらを閉じてうつむいたカタクリとキクザキイチゲが目に付く。ブナはまだ葉を開いてなく、ブナ特有の新緑にはまだ間があるようだ。ブナの新緑の頃には気持ちの良い森林浴が期待できるコースである。
やがて、右側が足下から切れ落ちる笹の雪崩斜面となっている細い尾根に乗り、忠実にその上を辿る道となる(2)。右側には羊蹄や昆布岳が、左側にはカニカン岳が目に入ってくる。 頂上での朝食はラーメンと決め、中に入れるギョウジャニンニクを探すが、遂に1本も目にすることがなかった。その代わり、足下に小指ほどの太さのササの子が目に付く。太いものを見つけては採って頂上を目指す。
やがて、緩やかな稜線歩きとなる。3ケ所の残雪を越えてきれいに刈り払われた頂上へ到着する。まず、びっくりしたのが、写真で見ていた足下が曲がった鉄製の展望櫓がなくなっていて、真新しい頂上標識が立てられていることである(3)。長万部の方からの登山道が整備されたばかりの感じで、その延長上に頂上の整備も進んでいたというところであろうか?
北側の展望が多少樹木で見えずらいものの、西側から北側にかけてはカニカン岳(4)、利別岳、長万部岳、その奧に狩場山、北東に黒松内岳、その東奧にニセコ連峰の山々、羊蹄山・・・・。南の噴火湾越しには駒ケ岳が霞んで見える。さらに南西には遊楽部岳と手前の美利河ダムの湖面などがぐるっと見渡すことができる。
誰もいない静かな頂上で、途中で採ってきたササの子の皮を剥いて、朝食のウィンナーとササの子入り味噌ラーメンを作る(5)。ポカポカ陽気の中ウグイスの声を聞きながら、50分ほどくつろぎ、下山することにする。
頂上稜線から急な尾根筋の急な下りに差し掛かると、下から4人のグループが登ってくる(6)。その後はスタスタと下山後の温泉を楽しみに下りを続ける。
45分ほどで、振り出しに戻り、山の家で300円払い、温泉へ向かう。天井の高いログハウスの中に野趣味溢れるきれいな内湯があり、お湯が直接川のように注ぐ池のような露天風呂は混浴で、すでにタオルおばさんと水着お姉さんが入っていた。この温泉は温くて、いくらでも湯船に入っていられるのが好きである。