オダッシュ山(1097.7m) ヤスダ川コース  単独   03,7,19

頂上部がガスで覆われ、登るのを躊躇したが、刈り払われたばかりのすっきりした明るい尾根道を、新得の町並みや十勝平野を眺めながら頂上へ

午前中 佐幌岳登山
登山
地点
下山
12:30
12:42
13:05
13:52
14:02
登山口
憩いの水場
白樺平
前 峰
頂 上
15:40
15:27
15:15
14:50
14:40
[1:32]所要時間[1:00]
16:15 清水フロイデ(入浴)
19:00 日高町

 この山は、新得町の市街地の西側に聳える山であり、以前から佐幌岳とセットで登ろうと考えていた山であった。2万5千の地図には、登山道が中新得川沿いから始まって頂上から北東に延びる尾根にあるよう記されているが、これは間違い?のようで、実際はヤスダ川沿いから始まってその右側の前峰から北東に延びる尾根に付けられている。

 午前中に狩勝峠の登山口からガスに覆われたままの佐幌岳を下山して、新得の町へ移動する。頂上部が雲に覆われたオダッシュ山を見て登るかどうか悩む。駅前で昼食に手打ちそばを食べたりしながら、天気の回復を待つ。多少なりとも天気が回復傾向なので、頂上からの眺望は諦めながらも、もしかしたらと淡い期待を持って登山口へ向かう。

 国道38号線から新得温泉への道と直交している道(新得七号線)を市街地に向かって西側に入ると、真っ正面に頂上部をガスに覆われたオダッシュ山が見える(1)。市街地へ入って直ぐJR根室本線のアンダーパスを潜るが、そこに「オダッシュ通りアンダーパス」と書かれている。その道を直進して、道立畜産試験場の前を通り、JR根室本線のガードを潜るとT字路にぶつかる。標識に従って右折してまもなく登山口でである。駐車スペースが用意されて、立派な登山届けのポストが設置されている。

 そこには、車が2台駐まっていて、登山届けを見ると、単独の人と3人グループが登っているようである。こんな天気でもすでに人が入っているという安心感に押されて急いで出発の用意をする。ガイドブックで2時間半の設定なので、2時間もあればとは思うのだが、標高差が730m近くあるので結構な急登の連続であろうという想いもあり、午後からの登山は、帰りの時間が気になってどうしてもハイペースになってしまう。

 この山も佐幌岳同様、ここ2〜3日以内に刈り払いが行われたらしく、まだ刈られた草や笹が青々としている。ヤスダ川を右手に見ながら林の中のすっきりとした登山道を急ぎ足で登っていくと10分少々でヤスダ川の対岸に渉るところに出る。そこ「憩いの水場」の標識が立っている(2)。

 川を渡り、そのまま斜面を横切るように進み、前峰から延びる北東尾根に取り付く。この間の標高500m〜600mの間は、刈り払われた背丈の高いイタドリやアザミや笹などが山のように積まれた状態で、それが足に絡まって歩きづらいが、きっと刈り払いがされていないときは、かなりの藪漕ぎ状態なのであろう。そのことが登山届けにも不満として記されていた。この地点で60代後半の単独の男性が下りてくるのと出会う。「頂上はガスが懸かっていないので、意外と温かかったですよ。」とのことである。

 このトラバース地点からは東側の展望が広がり、新得の市街地を中心とする十勝平野が見えてくる。ロープが設置されている急登を越えて尾根に乗り、振り返ると、さらに展望が広がってくる(3)。この尾根は急な登りが続くが、標高670m附近で少し平坦なところへ出ると、「白樺平」の標識が立っている。確かに周りはダケカンバ林である(4)。ガイドブックによるとここまで1時間であるが、実際は35分しか経っていないので、意外と早く着くかも知れない。

 少し休憩して登っていくと、やはり60代後半の3人グループが下りてくる。「いいときに登ってきましたね〜。上へ行ったら展望が広がるかも知れませんよ」と声をかけらる。彼らは2時間かからないで登ったとのことで、「あたなならもっと速く着きますよ。」と励まされる。標高820m附近でやや平坦なところへ出るが、そこからは左手上に前峰が見えるようになる。晴れていたとしても本峰はその陰で見えないようである(5)。

 そこからは、尾根の北側の斜面に登山道が付けられており、ダケカンバ林で林床の植生の丈が低く、明るくすっきりとした斜面の中に登山道が続き、非常に爽やかな気分で歩けるところである(6)。前峰に近づくと左手に頂上から南に延びる稜線が見え、その右手のガスの上に位置的に狩振岳と思われる端正なピラミダルな頂上だけが頭を出しているのが見える。

 斜度が増して来るが、まもなく岩峰が目に入ってくる。ここが、本峰より50mほど低い前峰である(7)。その岩の上に登ってみると、ガスの中にうっすらと頂上が見える。ダケカンバ主体の灌木帯の中に続く整備されたばかりの気持ちのよい道を進み(8)、笹原の中に続く道を登り切ると頂上到着である。1時間35分で着いてしまう。また、「速すぎて参考にならない」と叱られそうである。

 頂上はきれいに刈り払われて、立派な頂上標識が建ち、三等三角点標石が埋められている(9)。上空は明るく結構ポカポカと温かいが、周りの展望はまったくない状態で前峰さえもガスに隠れているのは残念である。本来であれば、西にはトマム山や夕張山系の山々、南西方向には冬に登ろうと計画に入れている狩振岳、南には北日高の山々、北には東大雪や表大雪、十勝連峰まで見えるはずのすばらしい眺望の山らしいのだが、諦めざるを得ない。佐幌岳とともに、これまでの山とはやや違った位置や角度からの新鮮な眺望を期待していたのだが残念である。またのチャンスに期待しよう。

 思ったより速く着いたのでのんびりと40分ほど休憩して、下山開始する。ふと足元を見ると、ヨツバシオガマとモイワシャジンの花が固まって咲いている(10)。よく見るとこれらの花があちこちに咲いている。あとは、急な登山道をひたすら戻るだけである。1時間ちょうどで登山口へ到着する。清水町のフロイデ温泉でのんびり入浴して、明日からの登山の待ち合わせ場所である日高町へ向かう。


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