11:00 自宅発
登山 | 地点 | 下山 |
11:53
12:00
12:15
12:54
14:06 |
中山トンネル手前駐車場
林道入り口
尾根取り付き
C558ポコ
C630地点 |
15:16
15:09
15:03
14:28
14:09 |
[2:09] | 所要時間 | [1:07] |
15:45 しんわの湯(入浴)
16:30 帰宅
|
大野町と上磯町の境界線上に聳える一等三角点のこの山に興味を持ったのは、「もっけ」というアイヌ語にわざわざ普通では考えられない「設計」という時を当てていることに、なにか歴史的な由来でもあるのではないかと思ったことである。「もっけ」とは、「日本山岳ルーツ大辞典」によると、 アイヌ語で「 モ・ケ Mo keの音訳」 ”小さい場所を占める山”とうことらしい。さらに、HPで検索していたら、
「全国地図測量史跡」全文紹介「設計山」が見つかった。それによると、
「ここ、函館地区では明治29年(1886)以降、設計山を測量原点とし、三等三角点、四等三角点、図根点を順次設置する、現在の方式に近い形で実施されたといわれる。従って、設計山が北海道における近代的な地籍調査のスタート地点でもあり、その名残が地名として残った山でもある。」(一部抜粋)とある。
その由来を知ってぜひ登りたくなったが、登山道もなく、一等三角点マニアの方なら登っているのであろうが、そのルート情報もない。仕方がないので、雪が降ったらと、地図を眺めながらルート探索をしていたら、大野と江差を結ぶ国道227号線の中山トンネル手前の林道から頂上へ続く、いくつもの小さなピークを越える尾根ルートが浮かんできた。GPSにそのルートを入れ、初めての地図とGPS頼みの単独山スキー登山である。
家を9時に出て、
国道227の中山トンネル手前の駐車場に車をデポし(1)、準備万端「いざ出発」ということで、スタート地点の写真を撮ろうとしたら、なんとデジカメにスマートメディアが入っていない。ガ〜ン! しかし、「遠くへ出かけての山でなくてよかった。」と気を取り直して、家まで戻ることにする。ようやく2時間後、再スタートである。しかし、すでに12時である。明日が冬至の一番昼が短いときである。「2時間歩いて頂上へ着かなかったら、そこで戻ろう。」と決めて出発する。
天候は曇りであるが、ガスの心配はない。
スキーを担いで200mほど国道をテクテク歩き、橋の架かる林道入り口へ到着(2)。そこからスキーを着け、15分ほど林道を進んだ地点から緩い尾根に続く斜面に取り付く。直ぐに尾根に乗り、緩やかな広い尾根を登って行く。雪の深さは靴の丈くらいでラッセル自体はそれほどではないが、雪が少ないので、寝ている笹がスキーの先やストックにひっかかり、すっきりと歩けないのがきつい。それでも下の方は笹の丈も低く、ブッシュもそれほど濃くなくほとんど直登できる。
ようやく、C440付近で反対側の頂上方向の展望が広がる稜線に乗る。頂上とそれまで続くいくつかのピークを越える尾根は見える。そこから進路を東に変えて、460のピークを越えると帰りの登り返しが気になるコルまでの急な下りが待っている。
そのコルからは細い急な尾根になり、風が強くなる(3)。左側の下には常に国道が見えている。そのコルから582ピークまではかなりの急登である。
汗をかいているのにだんだん寒くなり、ヤッケを上に着て、厚手の軍手からスキー手袋に替える。GPSに「電池交換の必要あり」という表示も出て、電池も取り替える。582ピークを目指して急な登りを続けていくと、そのピークで進路を南に変えるので、ピークをかわして次のピークとのコルを目掛けて斜面をトラバースする。かなり得をした気持ちになる。
その辺りから、稜線には未発達ながらも雪庇が発達している。なるべくその根元を登るようにするが、この辺りから太いネマガリダケの林が続く。ただ、そのほとんどは雪の下であるが、スキーの先がその下に潜ってしまうので、持ち上げるのが大変であるし、ストックは一回一回それにひっかっかて抜けてこない。おまけにまだバーンができていないので、その上に乗るとメリメリと氷が割れるように周りからひびが入り、沈むのには参る。ラッセルよりその闘いの方が疲れる。しかい、
左側には二股岳が(4)、右側のずっと向こうには江差の一等三角点の八幡岳〜笹山〜元山が見える(5)。後ろには乙部岳が見えるはずであるが、ガスの中のようである。
その後2つのピークを越え(6)、620ピークに立つ。ここまで来ると、13:45になっている。どう頑張っても14:00には
頂上(7)へ到着することは無理のようである。しかし、あと30分ほど頑張ってみようとおもい、一度コルまで下って手前ピークまでの急な登りを続ける。
14:06、帰りも何度もの登り返しもあるし、下りも笹やブッシュや立木ですっきろと滑られる状態でもない、さらに、遅い出発だったので、焦りもありほとんど休むことなく雪の下の笹と闘って来たので、かなり疲れもある。ここで引き返すことに決める。南側の展望も目にすることなく撤退するのは忍びないが、春の雪が締まったときにでも再訪することにして、大福餅1個とスポドリを口にして、登り返しに備えてシールはつけたまま下山を開始する。
3つ目の小さなピークの上でシールを外すが、
笹爆弾と立木が怖くて滑りを楽しむところではない(8)。股ストックと片足プルークを多用して、登りのトレースを辿る。ちょっとでも開けた斜面があるとトレースを外して滑る。最後のシール無しの登り返しはかなりきついものがあるが、そこを越えると傾斜も緩く、トレースを直滑降で下る。
15:00ちょっと回ったところで、林道に出てホッとする。林道の入り口でスキーを脱ぎ、国道の端をテクテク歩き、ほぼ予定通り15:16に駐車場へ到着。かなり汗をかいたようで着ているものが全部グショグショである。途中、大野のしんわの湯で汗を流して帰宅する。