「緑」岳に「赤」岳と「白」雲岳を加えての大三元狙いで小泉分岐まで進む。そこで、昨夜白雲小屋のテン場に泊まったという札幌の青年に出会う。白雲小屋から小屋分岐のコースにもチョウノスケソウが咲いているというので、帰りは白雲小屋経由で緑岳に戻ることにして、やはり赤岳まで往復するという彼と同行する。途中の花は緑岳〜小泉岳ほどではない。
銀泉台から上がってくる人たちとすれ違いながら、20分ほどで岩峰の赤岳に到着。
赤岳と烏帽子岳の間から北鎮岳を中心としたお鉢平方面の眺望を楽しみ(1)、頂上岩峰をバックに写真を撮り(2)、いろいろ山談義をしながら小泉岳分岐まで戻る。
そこで、緑岳へ下りる彼と別れて、岩のゴツゴツした白雲岳を目指す(3)。
白雲岳分岐にリュックを置き、カメラ片手に空身で頂上を目指す。
周りは一面イワウメの独壇場である(4)。ところどころにミネズオウやキバナシャクナゲなどの群落もある(5,6)。
春先にだけ現れるという幻の沼となる白雲平と呼ばれる火口原も全てイワウメで埋め尽くされている。
その火口壁の切れ間にちょうどトムラウシの頂上部が収まる眺めも面白い(7)。最後は雪渓を踏んで頂上へ到着(8)。
この頂上は、8年ぶりであるが、その時は秋だったので、
白雲岳頂上からの名物である後旭岳〜旭岳〜熊ヶ岳〜間宮岳方面の版画のような美しいストライブ模様との対面は14年振りである(8)。
そばで休んでいるご夫婦と、夕張山系や阿寒方面の山まで見える360度の山座同定を楽しんでいると、すぐ下で休んでいた若いご夫婦の男性が、「坂口さん!」と声を掛けてくる。2度ほど飲んだことのある、TVでもお馴染みの某放送局カメラマンでHYML仲間のHiさんである。私と同じでチョウノスケソウとホソバウルップソウ狙いで、奥さん連れで旭岳経由で白雲小屋のテン場に泊まったそうだ。
○白雲小屋経由で下山
下山は、そばで休んでいた釧路のご夫婦と最後までご一緒する。ご主人は非常に花に詳しい方で、奥様も今春退職されたので、二人でキャンピングカーを操って全国の山を登り歩くのが夢だとのこと。白雲小屋経由で緑岳へ戻るが、
小屋手前の雪渓の下に今が盛りと咲いている早春の花・エゾノリュウキンカが新鮮である(9)。
緑岳への稜線に登る途中にもチョウノスケソウが咲いていた。それらをじっくり目に収めて緑岳へ向かう。頂上で腹ごしらえをして、あとは、ご夫婦と山や花談義をしながら下りだけの道を進む。
2時間弱で登山口到着。9時間たっぷりのゆったり花見山行にも関わらず、13:30といううれしい時刻である。高原温泉でゆっくりくつろいで、明日からのエベレスト街道トレッキング同窓会登山のメンバーと待ち合わせの千歳空港へ向かう。