秘境駅全国NO.1の小幌駅・小幌海岸探訪 [豊浦町] 
 <旧礼文華トンネル西口からの林道コース>> 単独 07,10,29

数年前から気になっていた鉄道マニアの間で秘境駅全国No.1に選ばれている小幌駅と小幌海岸探訪

9:00 旧礼文華トンネル入口
    林道ゲート(車デポ)
往き地 点帰り
 9:20
 9:35
 9:50
10:10
ゲート前
砂防ダム
岩屋観音堂
小幌駅
11:50
11:30
11:15
11:00
10:30
10:45
ピリカ浜見下し地点
文太郎浜
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[1:25]所要時間[0:50]
帰路へ

 鉄道マニアの間で日本一の秘境駅として人気の高い室蘭本線の小幌駅(1)は、両側の長大な二つのトンネルのわずか100mほどの間に位置し、北面は急な山斜面、南面は急斜面の下の海に囲まれている。勿論集落も人家もなく、駅までの車道も、国道へ直接繋がる歩道も存在しないという究極の秘境駅である。

 1943年9月25日、 信号場として開業、1967年10月1日 仮乗降場化、1987年4月1日 正式に駅に昇格という沿革を刻むが、年間この駅での乗降客は何人いるのであろうか・・・鉄道マニアと釣り人と岩屋観音目当ての信者や観光客・・・・?

 鉄道マニアは列車で駅に来て、次の列車まで付近の海岸を散策するらしい。しかし、登山マニアの私は、この一帯の歴史や地名・地形等の調査研究のために6回も訪れているというあまいものこさんの情報を基に、国道37号線からから続く林道を辿り、小幌海岸の岩屋観音堂へ繋がる踏み跡・さらには、観音堂と小幌駅に間にある歩道を利用して探訪を試みた。

 ○まずは、岩屋観音堂へ 

 国道37号線の新礼文華トンネルの長万部側の
入口の手前から、旧礼文華トンネルの入口まで下
ると、林道が続いている。ゲートには鍵が掛かって
いるので、その手前に車を置いてスタート。

快適な林道を1.2kmほど進むと沢地形にぶつかる。
その下にある砂防ダムを巻くようにして、沢沿いに
明瞭な踏み跡が海岸まで続いている。
紅葉が非常にきれいである。

15分ほどで、小さな湾になった海岸へ出る。
海中に桟橋があってビックリする。これは、毎年9/16・17に
行われるという岩屋観音の祭典に船でやってくる人のた
めのものであろうか?

大きな岩崖の下に洞窟があり、その中に岩屋観音堂が
祀られている

岩屋観音堂の内部
岩屋観音(通称・首なし観音)の説明板には、次のように書かれている。

 1666年、僧円空がこの洞窟で仏像を彫って安置した。修業の僧が熊に襲われて、この仏像の後ろに隠れて難を逃れた。仏像の首を熊に食いちぎられて以来、「首なし観音」と言われてきた。1894年、泉藤兵衛により首は修復されたと伝えられている。祭礼は9月16・17日に行われる。

 なお、小幌という地名の由来は、、「ケウ・ポール」=kew[死体]poru[洞窟]がケポロイに訛り、小幌になったという。

 この人骨が出たという小幌洞窟遺跡は観音の安置される観音堂の真下にあったらしい。昔の人が供養の為に観音を祀るようなことになったのではないかと考えられる。


○山越えの道を小幌駅へ

沢沿いから洞窟の上の山を越えて続く標高差85mほどの
毎年整備されているらしい山越えの快適な遊歩道がある。

15分ほどで小幌駅に下りるが、案の定、その遊歩道の入口
には観光案内の看板が立っていた。

駅の手前に立つ掘っ立て小屋〜もともとは待合室だった
らしいが、2年前に亡くなったが、この付近に20年ほど住み
着いていたという「小幌仙人」の冬期間の住居だったらしい

○小幌駅

室蘭側のトンネルと信号関係施設の建物

長万部側のトンネルと今は無人の官舎

このほかに停車しない普通列車や特急や貨物列車が通過

○駅付近の海岸探訪

官舎の裏から続く踏み跡を辿ると、それを跨ぐように
小幌仙人の住居跡や物置が点在する。寝室と思わ
れる布団が見えるのは気持ち悪い。

その先には、小幌仙人の作成したベンチ等が設置され、
紅葉に彩られたピリカ浜方面のきれいな海岸美が広がる

駅まで戻って、さらに駅の下に続く踏み跡を辿って
文太郎浜へ。断崖絶壁の上の紅葉が美しい。

 文太郎浜から駅までも戻る。駅の上に見える国道37号線の礼文華橋を見上げて、帰路に就く。この間、貨物列車と特急列車が通っただけで、誰にも出会うことのない、まさに秘境探訪であった。それにしても、海岸探訪だったにもかかわらず、紅葉が非常にきれいだったことも得をした感じであった。

 戻りに就いた途端に、天気予報通り、雨が降ってきた。カッパを着て、来た道を車デポ地点まで戻り、2時間30分の秘境探訪は終わった。



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