<第2日目> エサオマン入ノ沢〜エサオマントッタベツ岳〜コルのテン場(C2)

○エサオマン入ノ沢から北カールを目指す
登下山
地点
 7:00
 8:30
11:05
14:20
15:50
16:10
C1(c900)
入ノ沢出合い(c950)
1200二股
北稜線(c1770)
エサオマントッタベツ岳
札内JPとのコル(C2)
[9:10]
所要時間

 5:00起床、餅とウインナーと味付け玉子入りわかめラーメンの朝食を摂り、7:00出発。昨日、最後に苦労した滝の連続するゴルジュは、ロープを掛けてもらって登り、薮をトラバースして、大高巻きで全部を越えてしまう。

 1時間30分で、昨日見逃したエサオマン入ノ沢出合いに到着。出合い部分が倒木や岩でカモフラージュされていることが見逃した原因のようだ(1)

 入ノ沢は滑が続き、小さな滝もきれいな釜を抱き、非常に美しい渓相が続く(2)そんな雰囲気を楽しみながら歩いていると、出会いから50分ほどで、目の前に垂直に落ちる10mほどの滝が現れる(3)

  ここは、右岸の高巻きしかないようだ。しかし、取り付きが難しい。Iさんが空身でロープを持って斜面に取り付き、上の木の幹にロープを掛けてくれる。それを頼りに登る。下を見たら、さらにその上にまた10mほどの滝が続いている。それもまとめて高巻くのかと思ったら、今度はYaさんがさらに上へ登り、ロープを幹に結んでくれる。

 彼が先に懸垂下降で二つの滝の境目のテラス部分へ下り立った。自分も、今回初の懸垂下降を試みる暫く振りでエイト管へのロープの通し方を忘れていたが、下降は余裕を持ってすることができた(4)

 その上の滝は、まずは、右岸の岩の上を巻く。その上は、掴まる薮もないところをわずかな足場を探して、恐る恐るトラバースして、上のテラス状の所で対岸へ渡った。ここは本当に恐かった。私の怖々の通過の様子を下から見たいたYaさんに、「見ている方がドキドキするよ」と笑われる。

 この後は、恐いところは全くなかった。ここが入ノ沢の唯一の核心部であった。

 ナメワッカ登頂後の下山に、主稜線を越えるはずであった1583南側コルへ突き上げる沢の1200二股で休んでいると、上から二人の男性が下りてくる。その若い方はHYML仲間の釧路のTaさんである。これまで、Taさんとは札内岳への登山口付近で、お二人とは、一昨年、昨日越えてきた神威岳で会っている。彼等は、反対側に下りて、七ッ沼から幌尻岳へ登り、戸蔦別岳から戸蔦別林道へ下りて来る予定とのこと。

 彼等と別れて、暫くすると、涸沢になり、目の前に北カールが見えてくる。このときは正面に踏み跡があるという稜線上のコルが見えていたのだが・・・・・・(5)そこを目指して、一番顕著な沢地形を進んでいたつもりなのだが、いつの間にか左側へ進んでしまう。

○間違いを承知でカール北側の稜線を狙う

  目の前に、ルンゼ状の急な地形が現れる。本来であれば、目の前にカール壁が現れるはずである(6)ここで、ルートを間違ったことに気付く。

 戻るかそのまま登ってエサオマンの北の稜線上に出るか迷うが、どこで間違ったのか判らないので、そのままルンゼ状の所を詰めて、薮漕ぎ覚悟で踏み跡があるはずの稜線を狙うことにした。

 源頭付近から右の尾根の薮を漕ぐ。幸いハイマツはわずかで、ミヤマハンノキがほとんどであった。しかし、斜度もきついし、リュックが枝に引っかかってそれを抜けるのにエネルギーを使う。

 右手の眼下にカール底が見えるのが悔しい。本来であれば、その真ん中からカール全体を眺めたかったのだが・・・・。休憩しながら後を振り返ると、幌尻岳〜七ッ沼カール〜戸蔦別岳〜北戸蔦別岳が見える(7)

  忍耐の薮漕ぎを続けること約1時間30分、ようやく神威岳から続く稜線の上に出る。1770m付近の小さなコルだった。もっと頂上に近いと期待したにもかかわらず、頂上ははるか彼方・・・・(8)

○北側の稜線上からエサオマン岳を越えてコルのテン場まで
 
 右手に、北カールを見下ろし、左手には北東カールとエサオマントッタベツ川を挟んだ札内岳のまさに紅葉最高潮といった眺めがすばらしい(9)。 

 細いハイマツの稜線であるが、踏み跡が割としっかりしていて歩きやすい。ほぼ1時間でエサオマントッタベツ岳手前のピークに到着。正しいルートはその西側のコルに上がってくるはずである。

 ペッピリガイ沢を挟んで南西方向に諦めた台形のナメワッカ岳が見えるより一層遠く感じるのは気のせいか・・・・(10)

 以前にも一度、この北カールを覗きたくて、このピークまで来たことがある。今回はバックに越えてきた神威岳と下った沢、さらに入ノ沢やルートを間違ったとは言え、登ってきただけに眺めが新鮮だ。しかし、しっかりした沢地形がカール底に繋がって見えるだけに、カールの真ん中を通って来れなかったのがちょっと悔しい(11)。 

10分ほどで3回目のエサオマントッタベツ岳頂上に到着。頂上に新しい遠慮がちな小さな標識が石に結ばれてていたが、標高が間違っているのが残念。正しくは1902mなのに・・・・(12)

 計画では、北東カールまで下ってテントを張る予定だった。しかし、ルート間違いで時間をオーバーしてしまったのと、幸い水を汲み上げてあったので、以前から目を付けておいた札内JPとのコルの快適なテン場に泊まることにし、そこを目指して下って行く(13)
 
 まったく整地の必要性のない裸地の真っ平らな広いテン場である。早速、テントを張り、着替えをして周りの展望を楽しむ。

 テントを張っている内に日高側の谷からどんどんガスが湧いて駆け上がってくる。

 南側にはずっと縦走した稜線の先にカムイエクも見える。これまでに4回は眺めた展望である(14)

 日高側から駆け上がってくるガスが溢れて十勝側への滝のように流れ落ちる景観が感動的だ(15)

 夕食の献立は、ウインナー・マカロニ・野菜入りのカレーシチューと海草サラダ・・・Yaシェフがウィスキーを飲みながら手際よく調理をしてくれる。これもボリューム満点で、昨日といい、山でこんなに美味しい物をたらふく食べたのも初めてであった。

3日目へつづく<コルテン場から札内JP経由で北東カールから下山>


 
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