伊由谷岳(898.3m)〜イユダニヌプリ(9044m) 
 釧北峠ルート 単独 かんじき 13,3,26
遠いとは覚悟していたが、アップダウンが多く本当に長く辛かった
 
6:45 足寄道の駅
登山
地点
下山
 6:45
 7:30
 8:25
10:15
10:35 
釧北峠
送電線下
729ピーク
伊由谷岳
イユダニヌプリ
13:35
13:00
12:20
----
1045
[3:50]
「所要時間」
[2:50]

14:00 阿寒バスセンター温泉(入浴)
14:30 阿寒湖畔駐車場(車中泊)

 双耳峰に見える二つのピークにそれぞれ同じような名前が地図に載っている珍しい山だ(1)(前日フップシ岳から撮影)。もともと本峰のイユダニヌプリが先で、その隣のピークに二等三角点を設置し、その点名・伊由谷岳を山名にしたものと思われる。

 検索したら、いつもお世話になっている「地図がガイドの山歩き」チームも登っていたこの記録によると、イユダニヌプリは、足寄町史では、アイヌ語で「杵を作る木の多い山」の意だが、萱野茂氏の辞典には「イユタニ・ノチュー」の記載があって、オリオン座中央部の三ツ星を意味しているとのこと。三ツ星に当るのは伊由谷岳とイユダニヌプリ山、北西端の788mピークで、語彙の多さで特徴的と言われた美幌アイヌが、オリオンの三ツ星が登ってきて、それが夜中に南中する頃に地平線に対して斜めに見える。これを地上に投射するような形で三つの山が並んでおり、その様子を見てこれらの山々をそう呼んでいたのではないかとのこと。

 この際、3日間を阿寒周辺の山にこだわることにして、昨日フップシ岳から眺めたこの二つの山へ向かった。積雪期は国道240号線の釧北峠からのアプローチが一般的なようだ。しかし、いろいろな記録を見ると、アップダウンが多い上にかなり距離も長いらしい。津別町と足寄町の境界線上を辿るルートだ。山スキーのメリットは生かせないので、かんじきで往復した。これまでの記録を参考に、登り4時間、下り3時間の計画でスタート。

 釧北峠の駐車場へ到着したら、昨夜降った15cmほどの新雪が積もっていた(2)峠から頂上へ続く尾根の末端(標高650m付近)までの境界線は地形に関係なくほぼ直線上に続いている。自分はGPSがあるから心配ないが、地形図だけで尾根の末端までこのルートを辿るのは至難の技だ。幸い、昨日のものと思われるスノーシューの微かなトレースがあった。それもほぼ境界線に沿っているので、それも参考になった(3)送電線を潜るまでは、昨日までと同じような鬱蒼としたトドマツとアカエゾマツの混合林が続く。45分ほどで、送電線の下を通過(4) 


 送電線下を潜ると、その先には植林地が広がり、あちこちに林道や作業道があるようだ。その中で一際生の高いアカエゾマツ?が目立っていた(5)。1時間15分も要して、ようやく頂上へ繋がる尾根の末端に到着(6)ここからは、いくつかのピークを越えるアップダウンの多い尾根となるが、境界線はそれらを繋いでいる。 


 729ピークまで登ると、右手の谷を挟んで、頂上に反射板が設置された伊由谷岳が見えてくる(7)しかし、そこへ到着するには、左に続くピークへ登り返し、さらに源頭部を巻くようにいくつものピークを越えなくてはならない。729ピークから下ったコルからは左手に昨日登った黒いフップシ岳とその右隣に白い雌阿寒岳が見える(8)


 急な登り返し斜面から振り返ると、植林地の中に自分のトレースが続き、越えてきた729ピークの先に雄阿寒岳が見える(9)。やがて、伊由谷岳が近くなってくるが、まだまだ遠い。(10)


 760ポコへ登って初めて、イユダニヌプリの姿も左奥に見えてくる。ようやく手中に入った感じだ。すでに、スタートして3時間を経過していた(11)733コルまで下って、手前の伊由谷岳を目指す。3時間30分を要して、まずは反射板と三角点標識の立つ伊由谷岳の頂上に立つ。右から雪雲が押し寄せてきて、かろうじて雄阿寒岳が見えるだけだ(12)
 

 当然、目はさらに先のゴールとなるイユダニヌプリへと向く。なんとか4時間は切ってゴールできそうな距離だ(13)。コルまで下って最後の登りを詰めて、3時間50分でようやくゴール。登ったというよりは辿り着いたという感じが強い。それでも、かろうじて、伊由谷岳の奥に雄阿寒岳とフップシ岳、雪雲に覆われた雌阿寒岳が微かに見える展望に救われた(14)

 イユダニヌプリからは伊由谷岳へ戻らずに、733コルを目指して斜めに下った。普通の山は、登りと下りなのだが、この山はそうはいかない。往路と復路と言った方がピッタリの感じだ。復路の登り返しも多く強烈だった。おまけに、気温の上昇に伴って新雪がベタ雪になり、かんじきに団子状にくっついて、余計疲れる。それでも、往路より1ちょうど1時間早くゴールすることができた。久しぶりに疲れた〜という感じの山だった。

 下山後、阿寒湖温泉街のバスセンターにある500円の温泉に入った。この温泉は湯元に一番近い温泉だそうだ。本来はバスの運転士のための宿泊施設と温泉だが、一般にも開放しているとのこと。その後、味噌ラーメンを食べる。翌日は、温泉街の裏の阿寒湖畔スキー場から白湯山とフレベツ岳の予定なので、トイレ付の冬季間は無料の駐車場に落ち着く。


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