3:00 音更発
5:30 芦別ダム入口(集合)
6:40 沢取付き・車デポ地点
登下山 | 地 点 |
7:05
----
9:40
10:25
10:55
11:40
12:10
14:35
14:50 |
沢取付き地点 (530m)
(途中沢違い35分ロス)
源 頭 (890m)
三角点ピーク(1062.8m)
〃 発
本 峰 (1068m)
〃 発
林 道 (580m)
沢取付き地点 (530m) |
[7:45] | 総所要時間 |
15:40 桂沢湖観光ホテル(入浴)
21:30 音更着
|
芦別市・三笠市・夕張市の3市の境界線のピークに二等三角点が設置され、その北側の数メートル高い本峰に山名が記載されているこの山は、
国土地理院の「日本の山岳標高一覧1003山」に選ばれている山もであり、機会があれば登ってみたいと思っていた山である。
この想いをこれまで何度もお世話になっている沢詰め藪漕ぎ登山が信条の
「地図がガイドの山歩き」のSaさんに伝えたら早速実現してくれる。メンバーは「地図がガイドの山歩き」チームのHi女史、Na女史、初めてご一緒する岩と藪漕ぎのスペシャリストのIさん、それに、
EIZI@名寄さんも駆けつけ、6名の楽しい藪漕ぎ隊である。
Saさんはこれまでこの山には2度別ルートから登っているが、本峰は初めてだそうである。今回の登りのルートは芦別ダムの入口から奥芦別林道を16kmほど奥に入った芦別川に橋が架かって林道が二手に分かれる地点から三角点ピークに直登できる沢で、下りは、本峰から三角点ピークに戻る中間地点からやはり東面の北側の沢を狙って下るルートで、ほとんどが藪漕ぎ覚悟のルートだそうである。昔は南尾根に登山道があったそうだが、今はその面影すらないとのことである。
芦別ダムの入口で待ち合わせ、その奥の林道を進む。崕山への惣芦別林道との分岐から奥芦別林道を14kmほど進むと芦別川に架かる橋があり、林道の分岐でもある。そこに合流する沢が登りの沢で、500mほど手前の沢が下山予定の沢である。今シーズン2度目の沢スタイルに身を固めて沢に入る。
10分弱で540二股を右に進んだまではよかったが、直ぐその先の550二股を見落として15分ほど進んでから間違いに気付き、GPSで確かめて550二股まで戻る。35分ほどロスをして予定通りの沢を進む。その二股に古いテープが着いているところを見ると、この沢を利用する人がいるということである。
その沢は前半は小規模ながら滑滝が続き、気持ちよく歩くことができる(1)。ところどころに鹿道のような踏み跡も見られる。640二股は右に進む。沢の中に林道の沢を横切るときに使う直径60cmほどの黒い大きな管が落ちている。ふと左上を見上げると林道があるようで、そこの崖崩れで落ちてきたようである。まもなくその続きの林道が沢を横切っている。
その直ぐ上にこの沢で最も高かった3mほどの滝が出現するが、倒木が詰まっていて、それを利用して登る。このあたりから沢は背丈を超すフキやオオイタドリや木の枝などの藪に覆われ、それらを掻き分けたり、潜ったりしながらの歩きとなる。
740mを越すと沢筋の上の方に稜線が見えるようになるが、沢は上から崩れて来ている泥で埋まった小沢となる。
860二股を右に進むとまもなく水が涸れて泥壁状の源頭となる。そこで、沢シューズの上にスパイクの付いたノンスリップ靴を付け、急な源頭斜面を登る(2)。その上から稜線までは、かなりの急傾斜の頭を遙かに越す猛烈な藪である(3)。手こずりながら30分ほどの藪を抜けると、
三角点ピークの南側の稜線に出る。そこから急斜面を周りの笹に掴まりながら登ること10分ほど(4)、スタートから3時間20分で、
朝露と汗でみんなずぶぬれ状態で、三角点の設置された頂上に到着である(5)。
狭い頂上であるが、ここにはあちこちの沢から結構多くの人が登っているらしく、多くのテープが木の枝に結ばれているし、座って休むことも可能な状態である。
ただし、残念ながら夕張山系の山々は全部ガスの中である(6)。
30分ほど休憩して、
今度は稜線の北側に聳える本峰を目指して、稜線上の背丈を遙かに超える木の枝や太いネマガリダケを掻き分けながらの強烈な藪漕ぎである(7)。先が見えないので、足下の地形を見て、稜線の中央部を外さないように慎重に進む。一番年長をいいことに自分は最後を歩いているので、非常に楽であるのが申し訳ない。
藪から抜けて、わずか700mの距離を50分も要し、ようやく本峰へ到着する(8)。本峰まで来る人はほとんどいないようで、背丈の低い藪の中である。しかし、微かに人が休んだような痕跡もある(9)。
30分ほど休んで、いよいよ下山開始である。予定は三角点ピークとの中間地点付近まで戻り、まっすぐ東を目指して出会うはずの沢を下る予定である。
ところが、ここで理由の分からないハプニングが・・・。先の見えないネマガリダケの藪を漕いでいる内に、下り始めてしばらくしたのに、いつの間にか登っているのである。GPSで確認したがどうも本峰へ戻っているようである。そのときはGPSの調子が悪いのかと思ったほどである。やがて、藪の先に現れたのはさっきまでいた本峰である。その前後は自分が先頭を歩いていたので、そのときなのか、その前なのか誰もよく分からない。広くもない稜線上のどこで、どのようにUターンしたのかまったく分からないのである。
再びUターンして、三角点ピークとの中間地点まで戻る前に、東側の斜面をトラバースして下り始める。このままトラバースしていくと予定のルートにぶつかるはずとの読みである。この稜線の直ぐ下の東斜面は急な崖のような地形で、その崖の上のテラスのような部分を周りの木々に掴まりながらトラバースして少しずつ下っていく。
この辺りから雨が降り出して、笹薮が非常に滑るようになる。着ているものは汗と雨でびしょぬれである。雨が降ってきたのに、
夕張山系のガスが取れ、中岳(10)やシュウパロ岳や崕山が藪の間から覗くようになる。斜度の緩いところを狙って沢地形を下る。GPSで確かめるとどうやら予定のルートに入るためには尾根を一つ越さなければならないようなので、そのまま沢地形を忠実に辿っていく。
700m付近の平坦な地形で沢地形は顕著でなくなり、ふたたび猛烈な藪漕ぎが続く。とにかく右側に見える谷を目指して尾根状のところを藪漕ぎで下る。670m付近で再び沢に下り立つ。そのまま沢を下っていくと林道に出る。その林道を登って、予定のルートとなっている沢までと歩き始めるが、その林道がその沢まで延びているかどうか分からないし、わざわざ登り返すのも面倒と、ふと下を見ると我々が車で通ったと思われる林道が見える。
そのまま林道を戻って下っていくと、5分ほどで芦別川沿いの奥芦別林道へ合流する。さらに10分で車のデポ地点へ戻ることができた。どこを歩いているのか、どこへ出るのか分からない探検ごっこのような楽しい全行程の8割以上の猛烈な藪漕ぎ登山にピリオドを打つ。いつの間にか雨は上がっているが、リュックも全身も泥んこでびしょぬれ状態である。着替えてさっぱりし、長い林道を車で戻る。
名寄まで帰るEIZIさんと芦別ダムの入口で別れ、あとの5人は桂沢湖観光ホテルへ向かい、温泉で汚れを流し、疲れを癒す。ビールで健闘を祝し、休憩して、酔いを醒まして帰路に就く。
帰宅後、リーダーのSaさんにGPSのトラックログを送ったら、次のような返事が来た。「トラックログを見ると、80点くらいかなと思っていて、帰ってきた答案を見たら、30点だった思いでした。昔(学生時代)のあの思いが甦ります・・・」・・・・しかし、あのような藪漕ぎも多くの仲間と一緒なら十分楽しく、思い出に残る山行となった。