二股岳(825.6m) 754ピーク経由尾根ルート    単独  04,03,27

夏道は一度登っているが、山スキーは地形図や下からの見た目で754ピーク経由の尾根の方が滑りも楽しめるはずと地形図や下からの見た目でルート設定して初挑戦

登山地点下山
9:30
9:50
10:30
11:35
11:50
下二股林道入口
ゲート
尾根取付(360m)
754ピーク
頂 上
13:00
12:50
12:25
12:13
12:10
[2:50]所要時間[0:50]
 函館の大野新道の表面に見える大野町の最高峰・二股岳は夏道もあるが、函館から眺める山の様子からしても山スキーも楽しめるはずと眺めていた(1)。来年、北海道新聞社から発刊予定の仮称『北海道冬山ハイキング』(北海道の山ML編)(今年2月に発刊された『北海道スノーハイキング』の姉妹編)に、道南から横津岳、七飯岳、この二股岳、太櫓岳、長万部岳の5山を掲載する予定になったので、シーズン最後のギリギリの取材山行となった。
 
 この山の山スキー登山は、夏道のある尾根は狭くて立木も密集しているので、その南側の函館側から見える立木のほとんど見えない754ピーク経由の尾根の方が絶対楽しめるはずとGPSにルートを入れて向かう。国道227号線の「二股岳登山道入口」の看板の立つ向かい側の駐車帯に車を置き、二股岳登山道に繋がる下二股林道へ、スキーを着けて入る(2)。入り口には、前にはなかった「この山は命にかかわる事故多発」という看板が立っている。自分がその該当者にならないようにしなくては・・・と嫌でも緊張感が走る。

 1kmほど進むと、夏の登山口の実質的な登山口となるゲートがある。その脇を通り、さらにそこから3km強の林道歩きを覚悟して進む。ゲートの先の橋の上から眺める下二股川の川面が春の日差しにキラキラ輝いて見えるのが、何となくうれしい(3)。2箇所目の林道分岐から先はスノーモービルの古いトレースが続いている。小さな崖崩れ箇所もあるが、スキーを外すほどではない。途中、冬眠明けのクマ対策に笛を吹きながら進む。

 当初取り付く予定の尾根は460ピークの尾根であったが、取り付く尾根の端が崖や雪付きの悪い急斜面になっているので取り付けず、その先を見ると、若いトドマツの人工林の次の尾根に林道が見えるのでそれを利用することにする(4)。

 いくつもの砂防ダムが続く顕著な沢を越えると、下二股林道が大きくへピンカーブになって、再び折り返す地点(コンタ360m)がその林道の取り付きである。下二股林道入り口からちょうど1時間である。

 そのトドマツ林の尾根の林道はいきなり二手に分かれているが、方向的に右側の林道を進む。こちらにはスノーモービルの古いトレースが続いている。「ひょっとすれば頂上まで続いているのかも?」と思いながら進む。東側の谷地形を横切り、しばらくは右手に沢地形を右側にトドマツの人工林を見ながら登っていく。

 途中450m地点でまた二つに分かれている。向かう方向を当初の予定の方に変えて、スノーモービルのトレースと別れて、東側へ向かう林道を選ぶ。直ぐに暗い大きなトドマツ林の中に入り、林道をショートカットしながら登って行くと、550m付近でトドマツ林から抜けて、尾根の下の広い平坦な開けたところ出る(5)。スノーモービルのトレースも反対側から続いているところを見ると、450m地点の分岐はどちらを採っても、ここで合流していたに違いない。

 そこから上は疎林帯で、帰りの滑りが大いに楽しめそうなおいしそうな斜面が続く。きっと函館側から見える真っ白な尾根に違いない。よく見ると、古いスキーのトレースも見えている。やはりこのルートを利用する人もいるのであろう。

 小休止をして、754ピークに続く斜面を登る。高度を上げると左側に夏道の付いている尾根が見えてくる。斜度がきつくなってくると、スノーモービルの何度か挑戦したが諦めたらしいトレースが見られる。その急な帰りの滑りが楽しみな斜面をジグを切りながら登る。そこから頂上まではスノーモービルの跡は全くなかった。やがて雪付きが悪く笹が頭を出している754ピークに到着。

 そこからは反射板の設置されている頂上までは1km弱である。東側の雪庇に気を付けながら両側に全層雪崩の発達している細い稜線を登り(6)、頂上到着である。

 頂上標識の前にスキーを立て、函館山を入れてシャッターを押す(7)。次にあまり見ることのない方角からの駒ヶ岳である。その緩やかな裾野と横津岳の裾野の間に大沼とその向こうに噴火湾が広がる(8)。西側には乙部岳、北側には遊楽部岳や昨秋途中撤退した岩子岳など・・・。

 そんな眺望を楽しみながら20分ほど休憩する。あとは快適な滑りを楽しむつもりだったが、意外に気温が上がらず、クラストした斜面であった。それでも、754ピークを越え、疎林帯の斜面を下り、トドマツ林に入るまで、10分と掛からなかった。どうしても下りは、滑りを楽しむ内についつい尾根の最大傾斜線の方へ滑りすぎる傾向がある。GPSで確かめたら、トドマツ林の上はかなり西側に寄っていた。軌道修正し、トドマツ林の中の林道を見つけ、あとは国道までずっと林道滑降である。雪が腐っているところと日陰で凍っているところとでは、滑りが違うので、大いに疲れる。登りで3時間近く要したところをわずか50分で下りてくるのが、山スキーの強みである。

 大野町の最高峰・二股岳に登ったら、やはり帰りは町営温泉・せせらぎ温泉である。のんびり疲れを取り、帰宅するが、どうもいつもより登っているときも体がきついし、喉の痛みがあり、いつもより帰宅後の疲れも大きい気がして熱を計ってみたら37度3分ほどあった。慌てて寝たが、次の日(60歳の誕生日)、咳きも苦しくなり、体温もどんどん上昇し、ついにこれまで経験したことのない39度7分にまで跳ね上がる。日曜日なので慌てて座薬を買いに行き、一日いっぱい苦しさとの闘いの還暦の誕生日であった。月曜日に病院へ行ったが、熱は下がっていたが気管支炎であるとのこと。忘れられない山行となった。



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