ガロー川(大船川水系)遡行
登り ガロー川、下り ガロー川林道 2名 16,8,4
登り | 地 点 |
8:00
9:10
10:30
11:40 |
鎖ゲート・第1砂防ダム前
F1
橋下
折り返し地点(c360) |
[3:40] | 所要時間 |
11:50
12:00
13:20 |
折り返し地点
林道へ
鎖ゲート・第1砂防ダム前 |
[1:30] | 所要時間 |
[5時間10分] | 総所要時間 |
13:40 大船温泉ひろめ荘(入浴)
15:00 帰宅
GPSトラックログをもとにしたルート図
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当初は、SHOさんと二人で、狩場山系のポン狩場川を利用して天狗岳(693b)に登る予定で、早朝4時に出発した。
しかし、八雲から檜山に抜けたら黒く低い雲が立ちこめ、霧雨が降っていて、狩場山系は見えず。太平洋側は晴れていたので、諦めて今金から国縫に抜けた。
そのまま帰るはもったいない。太平洋側でどこか沢登りが楽しめる川はないかと道路地図を見て物色。結果、旧南茅部町大船に住んでいたころ、地元の人から「滝が多く深い沢」と耳にしていた大船川水系でもっとも水量の多いガロー川を思いだした。道路地図で確かめたら、万畳敷を水源とする結構長い川だった
ガロー(賀呂・賀老など)という地名や川は道内あちこちにあり、「切り立った崖」というアイヌ語らしい。絶対、ブタ沢のはずはない。切り立った崖の中を流れる川に違いない…の期待で大船温泉への道を進み、下の湯の手前の採石場のところからガロー川沿いの林道へ入った。大船に住んでいたころ、良く山菜採りに入った林道だ。
ところが、入って100mもしないうちに鎖のゲートがあり、鍵が掛けられていた。しかし、GPSで確かめたら、そこが一番林道に近く、入渓しやすい位置だった。ところが、ものすごい高さの砂防ダムが立ち塞がっている。しかも、非常に水量が多い。
とりあえず、その砂防ダムを左の斜面を巻いて越えて、入渓した。
○いきなり、1時間以上も、まさに「ガロー」状態の荒々しい流れが続く
砂防ダム上にありがちなプールのような所もなく、狭い沢へ出た。水量が非常に多い。
2〜3分も歩いたら、両側から崖が迫って、小滝が続く急流となった(1)。
名前通り、両側が崖で、河畔などはなく、岩盤むき出しや大きな岩がゴロゴロして小滝が連続する勢いの強い流れだった(2)。
やがて、立て続けに2つの砂防ダムが現れた(3)。 2つとも、両側は崖で高巻くことはできない。しかし、良く見たら、鉄の階段梯子のようなものが設置されていた。それをよじ登って、流れに戻ることができた(4)。
砂防ダムを越えても、同じような荒々しい深い谷の中といった感じである。水量が多いので、やむなく股下まで濡れる深いところもあるが、涼しくて気持ちが良い(5)。
両側から崖が迫って、暗く不気味なところもある(6)。
頭上を見上げると、切り立った岩崖である。この当りの川の中の大きな岩は、これらから崩れ落ちたものであろう(7)。
1時間10分ほど、気の休まる時のない歩きが続いたら、待ちに待った深い滝壺を持ったF1が現れた(8)。ここは、右側から簡単に巻くことができた。
○F1を越えたら、谷が広くなり、穏やかな渓相の中を、さらに1時間20分ほど遡る
右側から、崖の上を流れ落ちる滝も見える(9)。しかし、F1を越えたら、谷も広くなり、「ガロー」のイメージがなくなり、穏やか渓相に変わった(10)。
ようやく、緊張感から解かれて、のんびりとした歩きを楽しむ。
大千軒岳の知内川コースでたくさん目にするサワグルミの木が、ここにも多かった(11)。F1から1時間20分ほどで、林道の橋が見えて来た(12)。
このときは、この先、行けることころまで行って、この橋まで戻って、林道を歩いて帰るつもりだった。
○さらに、渓相ががらりと変わり、岩盤の上のナメと滝が連続する
橋を潜った途端、いきなり、岩盤の上を流れるきれいなナメの連続へと変わった。分厚い苔が生えたナメを気持ちよくスタスタ歩き続けた(13)。しかし、滝の出現も期待できそうな感じだった。
案の定、橋から15分ほどで、15mほどの大きな滝が現れた(14)。
多分、ここが一番大きな滝だろうと、その前で、おなじみの万歳ポーズで記念写真撮影(15)。カメラのレンズに舞っている水滴が付いて、ボケてしまった。
あと3mほどのところで、先に突破したSHOさんが「無理しないで、ロープを出すから」とのこと。それに甘えた(16)。
帰りは、ここは懸垂下降でなければ下りられないと覚悟した。しかし、その後、地図をみたら、さらに先に林道に突き上げている顕著な小沢が見つかった。それを利用することにして、先へ進んだ。
その先は、立て続けに深い滝壺を持った滝が現れた。まずは、F3〜ここは、滝壺の左をへつって、直登した(17)。
次に、F4〜ここも滝壺の左をへつって、左端を突破。すぐ上にも小滝が続いていた(17)。
それにしても、滝壺には魚影が多い。25cmほどの大きさのものがうようよしている感じで、釣りをする人には堪らない感じだろう。
そして、F5〜ここは、右の笹薮を利用して高巻いた(18)。この前後にも、ナメの小滝は連続していた。
やがて、うれしくなるようなナメ歩きを楽しむ。水量が多いせいか、丈の長いフカフカの苔で覆われている(19)。
○林道へ突き上げている小沢の先で戻ることにし、この小沢から林道へ出て、1時間20分の林道歩き
その先で、林道へ突き上げている小沢の地点に到着。 橋の下からここまでで、1時間10分だった。結局入渓して3時間40分だった。その先は、屈曲する地形や非常に狭いところもあり、多くの変化が期待できる感じだ。
しかし、源頭まで詰めるとすれば、さらに3時間は掛りそうだし、同じところを下らなければならない。ここまでで、げっぷが出るほど、いろいろな変化や沢登りの醍醐味を満喫し、大満足だった。
その先に見える滝を眺めて、戻ることにした。それにしても、ここまで来ても水量の多さに驚く(20)。次回には、万畳敷の源頭まで詰めてみたい気持ちはあるが、戻るのが大変だろう。簡単な腹ごしらえをしながら、10分ほど休憩。
まっすぐ林道へ突き上げている小沢を登った。 同じことを考える釣り人なのか沢登りの人がいたようで、ピンクテープがぶら下がっていた(21)。10分ほどで、廃道化している林道へ出た(22)。
。
人も車も通らない廃道化した林道わきに、クマの寝床と思われるところもあった(23)。
この林道は、かなりくねくねしているので、距離は長いが、沢の中を戻るよりはずっと速い。いくつかの林道分岐を越えるにつれて、道の状態がだんだん良くなってくる。
結局、スタートして5時間20分でゴール。その後、大船温泉のホテルひろめ荘で入浴して、帰路に就いた。
狩場の天狗岳には振られたが、予想以上の楽しい沢を楽しむことができた。「捨てる神あれば、拾う神あり」で、大満足の結果だった。