富良野岳
(1912.2
m)B
原始ヶ原コース 単独 07,9,23
93,7,25の「富良野岳〜美瑛岳縦走」
96,9,28の「滝巡りコース〜林間コース」
滝巡りコースと合わせて、念願のロングコースの原始ヶ原から紅葉の富良野岳へ
登山
地 点
下山
5:40
7:30
7:45
8:30
10:10
登山口
赤岩の滝
原始ヶ原入口
富良野岳分岐
頂 上
12:45
----
----
11:50
10:25
[4:30]
所要時間
[2:20]
不動の滝
川に架かる丸木橋
このコースの魅力は、アカエゾマツに囲まれた広大な高層湿原・原始ヶ原を通過することである。そこまでは二つのコースがある。ひとつは布部川沿いの滝を巡るコースと林間コースである。登りに滝巡りコースと下りに林間コースを歩いた。
○まずは、滝巡りコースへ
登山口は麓郷奥の布礼別の「ニングルの森」広場にある。登山口をスタートして直ぐに二つのコースの分岐がある。この原始ヶ原までの循環コースは11年前に一度歩いているが、どの滝も見応えのあるものばかりで、清流沿いの変化に富んだ面白いコースを楽しみに再訪した。
二段の滝の上段の滝
蒼天の滝
行き止まりにあるの赤岩の滝
原始ヶ原へ抜ける沢沿いに懸かる勝竜の滝
原始ヶ原と富良野岳
まずは、
豪快な不動の滝
(1)
が現れる。今年新しく架け替えられた
丸木橋
(2)
を渡って左岸へ。
次が深い釜を持つ二段の滝
(3)
、そして、
支流の三ノ沢から合流して落ちる苔むした岩との調和が涼しげな蒼天の滝
(4)
、再び右岸に渡り、原始ヶ原へ抜ける分岐からさらに
奥の行き止まりにある名前そのものの赤岩の滝
(5)。
ここまでで、すでに2時間近く要している。
分岐まで戻り、
勝竜の滝
(6)
を
左手にを見て、登り切ると、原始ヶ原へ出る。
○原始ヶ原を抜けて富良野岳へ
前回は、原始ヶ原の先に聳える富良野岳はガスに覆われて、見えなかったが、今回は爽やかな秋空をバックにすっきりとした姿を見せてくれた
(7)
。
この湿原は池塘がほとんどなく、木道もない。赤テープと水の貯まっている踏み跡を辿ることなる。進路を西側に採り、前富良野岳の山麓近くまで進むと、林間コースと富良野岳への分岐にぶつかる。そのすぐ前に「松浦武四郎通過之地」という白い標柱が立っている。この湿原の中をわらじで歩いたのであろうが、何の目的でどこへ抜けたのだろう?
1時間ほどで、緩い斜度で続く原始ヶ原を抜け、1300m付近でようやく紅葉に彩られた富良野岳の斜面へ取り付く。ここで、長靴から、背負ってきた浅い登山靴に履き替える。
端正な形をした前富良野岳の斜面の紅葉もきれいだ
(8)
。
初めは、小さな沢形に沿った道で、周りはちょうど見頃の紅葉である
(9)。
やがて、沢形は火山礫の急斜面となり、非常に歩きづらくなる。やがて、ハイマツ帯へ入って行き、ジグを切って登っていくと細い稜線に出る。
草紅葉に覆われた斜面の向こうに、ガスに覆われた頂上が見える
(10)
。振り返ると、トウヤウスベ山と大麓山の手前に広がる原始ヶ原を俯瞰することができる
(11)
。
頂上は、冷たい強風が吹き抜け、1週間前に登った十勝岳方面の眺めは、ガスに巻かれた状態である
(12)
。
風を避けて、他の登山者とともに、原始ヶ原を見下ろす南斜面で昼食を摂る。
○思わぬ出会いがあった下山
寒いこともあり、15分で下山開始。眼下の紅葉を楽しみながら、足場の悪いザレ場を下り、長靴をデポした地点で、再び長靴に履き替える。
原始ヶ原を抜け、林間コースに入る。広原の滝を過ぎたところで、こちらより10分ほど先にスタートして林間コースを登り、同じコースを下った単独の男性に追いつく。そこで、次のような会話が交わされた。
「どちらからいらっしゃいました?」「函館です。」「ひょっとしたら坂口さんではないですか?上でお会いしたときに、なぜか坂口さんのことが頭に浮かんだのです。私は○○といって、あちこちの山に頂上標識を・・・。」「えっ!あの○○さんですか?いろいろな山でよく拝見しています。」「私はインターネットはやらないのですが、坂口さんのことは山仲間の間でよく話題に登場していて、一度お会いしたいと思っていました。感激です。」
実は、この山頂標識、最近数が増えてきて、特に登山道のないような山にまで設置されるようになり、ネットの世界では批判的な声が多くなってきている。善意からの行為であり、氏の周りには支持する仲間もいるようで言いづらかったが、そのことを正直に伝えた。年齢的に私の大先輩であるにもかかわらず、素直に受け入れていただいて恐縮至極。「道理で、最近、無くなっているのが多いのですが、そのわけがようやく分かりました。もう止めることにします。」とのこと。
氏は車を持ってなくて、列車やバスを利用して、そこから登山口まで携帯自転車で移動しながら登り歩いている凄い人であった。ずっと登山口までご一緒して、富良野駅まで送ってあげた。「長生きするもんです。坂口さんにもお会いできて嬉しかったです。」と、最後に、「写真を撮らせてください」とまで言われ、彼のカメラに収まって別れた。耳にしたくないであろうことを話したのにもかかわらず、そのような態度で接していただき、こちらの方が感激であった。
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