エガミ山(646.2m)<乙部町>
鮪歌三ツ谷川右股沢ルート  2名  17,10、2
過去に経験がないほど強烈なネマガリジャングルを掻き分けて新ピークゲット

6:20 自宅発
7:55 乙部道の駅(待ち合わせ)
8:15 鮪歌三ツ谷川右股沢の橋
登り
地 点
下り
 8:35
 9:30
10:10
----
11:45
入渓地点
420二股
530地点(沢から抜ける)
550地点(沢へ下りる)
頂 上
14:25
13:50
----
13:00
12:15
[3:10]所要時間[2:10]

15:00 乙部道の駅
15:30 乙部温泉光林荘(入浴)
17:00 帰宅
<GPSトラックログ>
林道も含めた広域地図
 この山は乙部町の鮪歌(しびうた)三ツ谷川右股沢の源流部に聳える二等三角点(点名・江神山)の山である。登山道はなく、ネット上にわずかながら冬の記録が見られる程度である。夏の記録は見当たらない。

 実は、11年8月にすぐそばの円山を下山後に登ろうとしたが、入渓地点の二股を間違えて右の沢に入ってしまった。すぐに戻ったが前日の雨でずぶぬれになって断念して、それっきり未踏のままだった。

 この山に登ることになったのは、「道南登山単独紀行」のじゅんさんからのお誘いだった。じゅんさんは週1の平日しか休日がないので遠出ができず、日帰り可能な道南の山を登り歩いている。登山道のある山はすべて登り終えて、同じ山を何度も登っていて、最近ではGPSを使いこなして単独で夏の藪山にも登るようになった。

 藪山の単独行は心配なので、「どうしても登りたい山があればお付き合いします」と連絡をした。その第1回目として、彼がチョイスしたのは、まだ自分も未踏だった乙部町のエガミ山(646.2m)だった。
 ちなみに、エガミ山の語源は、北海道のすべての山名を収録している『北海道の山辞典・カムイミンタラの山々』(寺口一孝編)には、その語源や由来は記されていない。

 乙部道の駅で合流し、北側の三ツ谷地区から三ツ谷林道(簡易舗装)を進み、八雲(旧熊石)町豊浜と乙部町栄浜を結ぶ全面舗装の広域基幹林道・栄豊線へ合流し、前回同様、鮪歌三ツ谷川の右股沢を渡る橋から入渓・遡行。山頂西側のコルに出て、頂上を目指す計画を立てた。

 入渓地点から標高差350mほどの山なので、いくら藪山といえども、2時間もあれば登れるだろうと思った・・・。ところがドッコイ問屋はそうは簡単に卸してはくれなかった。


 入渓地点である鮪歌三ツ谷川右股沢を跨ぐ手前に駐車スペースがあったので、そこに車を置いて準備(1)前回は、そこから沢の右側に続く作業道から入渓したので、沢を間違えてしまった。
今回は、橋の上から直接沢に下りた。前回のときの水量が長靴でも大丈夫だったので、2人ともスパイク長靴でスタート。
8:35、入渓。きれいな苔の生えた岩を伝いながら、スパイク長靴で沢を遡る(2)


 9:50、前方に沢地形や出尾根が見えてくるが、進む先はどうやらガスが懸かっているようだ(3)
 高度を上げて行くと、沢の上からネマガリダケが覆いかぶさって歩きづらくなった。530m付近で沢から抜けて左の斜面に取り付いた。 結果論だが、どうせ沢から抜けるのであれば、ここは右の斜面に取り付くべきだった。その方が頂上に近かった。
 しかし、ここからが地獄の始まりだった。強烈且つ濃密なネマガリダケジャングルに突入。 交代で先頭に立って掻き分けながら遅々とした歩みを進める(4)一人なら絶対撤退していたであろう。前が全然見えないので、GPS頼りの前進である。 直線距離でわずか200m登るのに1時間近く要してようやく頂稜へ出た。


 頂稜に出てしばらくすると、北側斜面が開けた場所に出た(5)その尾根の縁はネマガリだけが生えてなく、わずか50mほどは快適に歩けた。しかし、再び頂上を目指して先の見えないネマガリジャングルに突入(6)


 足元の地面のわずかな高みを辿って登って行くと、11:45、突然三角点が目に飛び込んできた(7)このジャングルの中で三角点を探すのは大変だろうと思っていたが、向こうから現れてくれた。
 周りは背丈の2倍以上もあるネマガリダケジャングルで、登頂感はも、もちろん展望もまったくなし。 まずは、周りのタケを鋸で刈払って、休憩スペースを造った。タケが引っ掛かって大変だった三脚を立てて記念写真を撮り、昼食を摂り30分ほど休んだ(8)

 12:15、下山開始。頂上から南尾根を下って、登って来た沢に下りるつもりだった。しかし、方向を間違えて軌道修正しているうちに、それも諦めて、ネマガリの倒れている方向に逆らわずに、最短距離でその下の沢に下ることにした。
沢に下り立ち、ようやくネマガリダケジャングルから解放された。しかし、沢の上部は両側からネマガリダケが覆いかぶさり、すんなりと歩かせてくれない。中には這って歩く所もあった。


 高度を下げてくると、すっきりとした広い沢となって、気持ちよく下山を続けることができた(9)420二股で、登りの沢に合流。
 14:25、ようやく入渓地点の橋の下に到着(10) じゅんさんは、かなり堪えたようで、車のそばで座り込んでしばらく動けなかった。

 登り3時間10分、下り2時間10分。5時間20分のうち、約2時間20分はネマガリダケと闘いながらの歩きだった。これまでもかなりの藪山を登っている。しかし、沢以外の斜面でまったく灌木もなく、薄いところもないこれほど強烈且つ濃密なネマガリダケ一色の藪こぎはほとんど記憶にない。おまけに、登った山も下から見ることができなかった山も珍しい。

 乙部温泉光林荘で、汗と汚れを落とし、帰路に就いた。帰宅後、ネマガリダケのカビなどで泥々になった衣類をバケツで4回も水洗いしたが、水がきれいにならなかった。あとは妻にお願いして洗濯機へ。洗濯機で2度洗いしていた。翌日は泥々になったリュックを近くのコインランドリーへ持ち込んで洗った。

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