第31回湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会
85km参戦記  15.02.28

滑りの悪い雪質だったが、天候に恵まれて60kmまでは快走を楽しんだが、最後はやはりつらかった

天 候曇りのち晴れ
気 温スタート時   −11℃
ワックス

(効果)
base gallium ハイブリットベース
top gallium AXF20
(まあまあ)
記 録 7時間16分21秒
1km換算ラップ 5分03秒
丸瀬布(37km) 2時間49分
         (ラップ・4分36秒)
遠軽(60km)  4時間45分
         (ラップ・5分12秒)
ゴール(85km) 7時間16分
         (ラップ・6分02秒)
順 位194位/434名(男女混合参加者)
 自分にとっては、5週連続6回のクロカンスキーのメイイベントである国内最長85kmのこの大会に今年も参加した。2007年〜2011年の5年間は85kmの部がなかったので、その間を抜いて、これで、通算8回目の参加だ。

  標高670mの旧白滝村(現遠軽町)の北大雪スキー場をスタートし、白滝市街地の西側から湧別川沿いに丸瀬布〜遠軽〜ゴールの上湧別までのワンウェイ85kmを滑走する大会である。

 長距離にも関わらず、圧雪車での幅の広い丁寧なコース作り、地域ボランティアのサポートによる充実した数多くのエード(給食所)や地域の方々の応援が魅力の大会である。今年で5連覇の杉山氏も「距離も日本一だが、コース整備も日本一」と語っていたが、まさに素晴らしい大会だ。

 今年は、距離やコース別の10種目に1139名が参加していたが、この85kmの湧別原野コースは、昨年より70名ほども減って434名の参加だった。一時中断される2007年までは、85kmの部だけで1300名以上の参加者がいたのが信じられないほどである。ちなみに謳い文句となっている「100km」は駅伝の部である。

 距離は長いが、標高差650mの概ね下りのコースなので、「札幌国際50km」よりは楽な感じで、エードも非常に充実していて楽しみの多い大会である。なんと言っても距離が長いだけに完走後の満足感が大きい。

 前日は、当初はスタート地点まで10分ほどの白滝の道の駅で車中泊の予定だった。しかし、翌朝は−20℃位まで下がりそうな予報だった。寒くて夜中に目を覚ましそう。そこで、旭川の24時間営業のスーパー銭湯「万葉の湯」に泊まった。4時に起きて、4時半に出て、6時過ぎにはスタート地点に到着。しかし、スタート地点の気温は−11℃で、ホッとする。ワックスも設定雪温の範囲で行けそうな感じだ。

続々と集まるスタート地点

スタート前の元気な笑顔で(旅人さん提供)


スタート前
 駐車場で、トップレーサーの今年は快調な網走のちから!(結果は5位入賞)さんと再会。受付を済ませ、スタート地点で軽くアップし、スキーをスタート地点の前から10列目くらいに置いて車に一度戻る。ベンチコートとスキーケースをトラックに預け、再びスタート地点へ。

 今年は怪我のためにカメラマンとチームサポーターとして参加の恵庭の旅人さんと、ビデオ取材のチューリップおばさんにも会うことができ、スタート前の写真を撮ってもらった。天候はだんだん良りそうな感じだ。

<結果>
 自分では結構滑ったと思ったが、37km地点の丸瀬布のタイムを見たら、これまでにないくらい遅いタイムだった。この時点で7時間オーバーを覚悟した。滑らないなりに、滑走を楽しむことに意識をおき、ゆったりとした大きな滑りを楽しんだ。しかし、それも、遠軽の60kmまで。残りの湧別までの25kmは、疲れとの闘いだ。とくに最後の3kmはへろへろで5人くらいに抜かれた。

 タイムはワースト記録の7時間16分21秒。ところが、順位は194位と、昨年より12番も上がっていた。プラス気温で最高に滑った昨年より約1時間以上も遅かったが、優勝タイムも昨年より1時間遅れだったそうだ。自分のタイムも順当なところという訳。 途中のタイムの遅さに愕然としながら滑っていたが、みんなも滑らなかったらしい。順位に救われた感じだ。
 
○7:30 北大雪スキー場をスタートし、白滝を抜け、丸瀬布まで標高差470mの37km
 

スタート地点の急坂を登り終えると、数kmはダウンヒルもどきの滑走が続く

 今年はカメラ代りに、スマホ持参でスタート地点に並ぶ。7:30スタート、まずは短い上り坂を登り切ると、トップ選手はずっと先で姿は見えない。
 このあと、数kmはダウンヒルもどきの下りが続く。大好きなところである。


ダウンヒルもどきの滑走を楽しむ

細い上り坂の手前で渋滞、一休み

  やがて、渋滞にぶつかる。昨年からコースの変わったところで、1列でしか登れない狭い上りコースだった。焦っても仕方ない。待ちながら一息入れる。
  この後、湧別川沿いのコースへ下りていく。広く整備されていて、実に気持ちの良いコースだ。

湧別川沿いのコースへ下りていく

 スマホのカメラを取り出したタイミングで、札幌のSiさんが声を掛けて追い抜いて行く。お陰で、彼の後姿を入れた良い写真が撮れた。


2ヶ所目のエードで、スポドリを差し出してくれる女の子

旅人さんがカメラを構えている前を通過。貴重な滑走中の画像(旅人さん提供)

 エードは、およそ10kmごとにある。一つ目はパスして、2つ目でスポドリだけをもらう。
 丸瀬布が近くなった辺りで、カメラを構えた旅人さんが目に入った。そちらを向いて笑いかけた写真を送ってもらった。
 丸瀬布までの37kmは下り勾配が多いので、それほどそれほどダメージもなく、気持ち良い滑走を楽しむことができる。ところが、結構滑っていたと思ったのだが、丸瀬布のエードへ着いて、タイムを見たら、これまでに経験のない2時間49分だった。最高に滑った昨年より25分も遅い。この時点で、7時間オーバーを覚悟する。この時点では、自分の体力が落ちたせいだと思っていた。
すぐ後ろから、先週の「恵庭」ですぐ後ろでゴールしたHYML仲間のオコタンペさんも到着。スキーを脱いで、スポドリを飲み、カロリーメイトを2本食べた。 

○結構アップダウンの多い丸瀬布から遠軽までの23km

丸瀬布のエード

丸瀬布から遠軽を目指して
 
 タイムや順位を意識せずに、「滑走楽しむ」ことを意識し、ゆったりと大きなフォームで滑ることを心掛けた。少し休んだせいか、途中で10名ほどを追い越すこともできた
 丸瀬布からの前半は、辛い上り坂が何ヶ所かある。しかし、登りが長くないので、頑張ることができる。

広い河川敷を滑る

遠軽のシンボル巌望岩が見えてくると、遠軽のエードは近い

 遠軽が近くなってくると、堤防の上や広い河川敷のコースとなる。エードを楽しみに、リズムを崩さないように気持ちの良い滑りを楽しむ。
 遠軽のシンボル巌望岩が見えてくると、屋台村のような感じの60kmのエードが近い。しかし、いつもよりかなり手前でお昼のサイレンが聞こえた。速い時はエードに着いてからなることが多い。
 結局、遠軽到着は、これまででもっとも遅い4時間49分だった。これまでのワーストタイムのときより9分も遅い。
 それでも、15分は休もうと決め、前後を滑って来たオコタンペさんと一緒に、椅子に座って温かいうどんを食べた。
 
 ○疲れとの闘い、ゴールの上湧別までの25km

60kmの遠軽のエード。例年ここでは椅子に腰かけてうどんを食べ、15分ほど休憩

湧別川の橋を渡って対岸へ

 ここからは、単調なフラットなコースが続く。もう登りはない代わりに、下りもほとんどなくなる。いつも疲れとの闘いだ。しかし、青空が広がって、太陽光線が暖かく気持ちが良い。
 ずっと前後を滑っていたオコタンペさんが、「先に行きます」と言って追い抜いて行った。どんどん間が開いて、見えなくなってしまった。
 少し向かい風が強くなってきたのが気に掛かる。湧別川を渡る橋を潜って堤防の上に上がり、橋の上のコースを渡って対岸へ。さらに河川敷へ下りていく。この辺りから、前後のあまり選手の姿が見えなくなり、さびしくなる。しかし、昨年よりは疲れが少ないような気がするが、あとは自分との闘いである。

 河川敷から離れ、広い畑地の中を進むが、「ゴールまでの13km」地点のエードでは、スキーをはいたまま椅子に座って一息入れる。やがて、右手の堤防沿いのコースが続く。「ゴールまで8km」から1kmごと減って行く標識が、昨年よりは長く感じなかった。しかし、「ゴールまで3km」地点で、7時間オーバーとなった。それを知ったら、一気に疲れが出てきてがっくりペースダウンとなった。ゴールまでに5人ほどに抜かれたような気がする。

○へろへろ状態のゴール・・・しかし、順位に救われた


へロヘロ状態でゴール(旅人さん提供)

スタート前とは全く違うゴール直後の疲れ切った表情(旅人さん提供)

 ゴールの横では、カメラを構えたチューリップおばさんと旅人さんに迎えられてゴール。これまでのワーストタイム更新だったが、「優勝タイムが昨年より1時間も遅かったんですよ」と慰められた。それを聞いて少し気持ちが楽になった。自分も昨年より1時間10分ほど遅かった。ということはまあ順当なタイムだろう。みんなが滑らなかったようだ。


記録証
 この時点では、15時の送迎バスに間に合わないと思ったので、二人に「ゆっくりするので、戻ってきます」と言って、湧別文化センター中へ入り、記録証をもらった。なんと順位を見たら、昨年より12番も上がっていた。タイムも悪いから、昨年よりもっと落ちているだろうと覚悟しただけに、とてもうれしかった。

 トラックで運んでもらっコートを着たら、まだバスの時刻まで5分ほどある。楽しみにしていたそばも食べず、ビールも飲まず、チューリップおばさんと旅人さんに挨拶もしないまま、慌てて15時の送迎バスに飛び乗った。これを逃せばスタート地点へ戻るバスは、17時で2時間も待たなくてはならない。バスの中からチューリップおばさんにお詫びのメールを打った。案の定、二人は私のことを探したらしい。

 この大会は、その時の雪質や雪温、天候などの条件によって、本当にいろいろおもしろい結果が出る。この85kmが再開された2012年からこれで5年連続参加しているが、昨年までは、タイムは条件の関係で、年々速くなっているのに、順位が年々下がっているという具合だった。今回は、タイムはワースト記録だが、順位の落下は阻止できた。ウルトラ系のこの大会で、この歳で、まだ参加者の半分より上にいるのは励みになる、

 スタート地点へ戻ったら、チトカニウシ山が夕陽にピンク色に染まったいた。16年前に山スキーで登ったのが懐かしい。そのころは、すぐ下の白滝グランドホテルで温泉に入れたのだが、今は廃業しているようだ。

  翌日は、紋別まで行って、流氷を見るつもりだったので、丸瀬布温泉のマウレ山荘(Hoの無料クーポン利用)で、疲れを抜いた。丸瀬布の道の駅へ戻り、車中泊態勢に入り、セイコーマートの惣菜で完走祝いのビールを空けた。






スタート地点へ戻り、2000年5月に山スキーで登った、夕陽に輝くチトカニウシ山を眺める。

 翌日、流氷を見るために、紋別まで走った。しかし、朝調査に出たガリンコ号が戻ってきて、「第1便は出航はしますが、流氷帯までは到達できません」とのことだったので、ガリンコ号の写真を撮っただけで帰路に就いた。

 先月?TVで放映されていた旧白滝駅が、今回のクロカンレースのコースの途中にあることが分かっていたので、帰りにカメラに収めに寄ろうと思っていた。ついでに、その前後にある、やはりこの3月で廃止に決まった下白滝駅と上白滝駅にも寄ってきた。この3駅は、鉄道マニアの間で「秘境・白滝3駅」と呼ばれていたとか・・・

○大荒れの天候を掻い潜っての帰宅 
 全道的に暴風雪警報が出されている荒天だったが、明日も荒れる予報なので、奥白滝ICから高速に乗り、走れるところまで走ろうと思った。一番怖かったのは、深川と滝川の間だった。横殴りの強風にハンドルを取られ、時折地吹雪で前も後ろも消えないところが数か所あった。そのたびに後ろから車が来ていないか、前の車は止まっていないか・・・それを気にしながらホワイトアウトの中に突入した。滝川を通過して間もなく、同区間が通行止めになった。帰宅後、ニュースで見たが、自分のすぐ後に、深川で立ち往生事故があったらしい。

 ラジオを聞いていると、その先も、帰路予定の美笛峠も道央道の胆振管内の区間も、230号の留寿都と洞爺湖町大原の間も通行止めになっていた。

 考えた結果、最悪の場合、留寿都で足止めを食らっても、道の駅で泊まれると考えて、ドカ雪が解けて凄い道路状況の札幌市街地を抜けた。13:30になって、230号の留寿都と洞爺湖町大原の間の通行止めが解除になったので、無事帰宅できた。 



5位入賞のちから!さんの滑り

自分の滑り


























 この2枚は、湧別のチューリップおばさんがビデオで撮影したものをコマ切りして送っていただいたものである。 
 ちから!さんは、勢いで飛んで行きそうなフォームだ。全身のばねと筋力が躍動している感じ。それに比べ、自分は、いかにも辛そうで、情けないフォーム・・・!いつも下を向いて滑る癖がありそうだ。
 もちろんこのようなフォームで滑ることのできる。トレーニングで鍛えられた筋力とばねがあるからだが、これが、タイムにして4時間台と7時間台の違いとなる。二人の後続の選手を比べても、一流と三流の違いが一目瞭然といった感じ。

大会85kmの部・成績一覧 



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