第29回札幌国際スキーマラソン
50km 参戦記 09,02,08

前日からのドカ雪にコース整備が間に合わず、スタート前後と終盤は猛吹雪・・・自分的にも最悪なレース

天 候曇りのち吹雪
気 温
雪 温
スタート時   −1℃
  〃     −1℃
ワックス


(効果)
base gallium ブルー
top gallium AXF20:30(1:1)
finish gallium FCGパウダー
(イマイチ)
記 録 4時間56分09秒
1km換算ラップ 5分54秒
25km中間ラップ 2時間22分
順 位 353位/578(男子)
 札幌ドームを発着点として、郊外のコースを1周する都市型のスキーマラソン。これまで自分の参加してきたレースで、もっともアップダウンがきつくて、もっとも過酷なコースである。大会要項(1)によると、今年も全種目の参加者は合計2700名弱。そのうち、50km男子は741名。

  2年連続キャンセルが続き、3年ぶり5回目の参加となった。前日、札幌入りして雪祭りを見て、譲っていただいたポールをニッセンスポーツで切って長さ調節をしてもらう。泊まりは、札幌ドーム近くの24時間営業スーパーの駐車場での車中泊。9時間も爆睡して、満を持して臨んだはずだったが・・・。

 早くにドーム入りして受付を済ませ、スキーをスタート地点に早めに置いてこようと張り切って出掛けたが、昨日からのドカ雪でコース整備が追い付いていない。吹雪状態の中30分以上も待たされる。昨年からスタート時の混雑解消のために、50kmは、8:50と9:00のウェーヴスタートなっている。うまい具合に予想タイム4時間辺りのゼッケン500以降が2部スタートだったので、511の自分は、その最前列にスキーを置いて、車へ戻る。

 3年ぶりということもあるので、あまり頑張らないで滑走を楽しもうと、カメラ持参の取材モードで、再びスタート地点へ。スタート時には吹雪も治まり、8:50に一部のスタート(2)いよいよ我々2部の9:00スタート・・・最前列なので、コースに入ったのは6番手だった・・・一瞬トップ選手の気分。ところが、どうもワックスが合っていないようだ・・・金曜日の段階でワックスを選択したが、そのときより雪温が上がっていて、それが災いしているようだ。

 最初は直線の緩い坂道を上っていくが、徐々に抜かされていく。それでも、20番手くらいで登り切る。そこで、後続の流れをカメラに収める。「余裕ですね!」と声が掛かる。その間に、30人以上が過ぎてゆく(3)焦らない焦らない・・・。

 朝方までのドカ雪のため、機械での整備が出来なかったようで、1部スタートの選手が踏んでいったコースを進む。したがって、例年より、コースが非常に狭い。トップ選手はラッセルをしながら滑走したわけだから大変だったろう。

 トドマツ林の中を通過して(4)、浄水場のそばを下った地点が4km、ふと前を見ると、HYML仲間のオコタンペ@恵庭さんが追い越していったようだ・・・。走力がそんなに違わないので、追いかけようと思ったが、無理をしなかった。しかし、4時間台前半のメンバーの中で滑らないと勝負にはならないはずなのに、どうも、追い越されモードのようだ。

 10km地点で時計を見ると55分・・・これまでに経験のない遅いタイムである。雪とコースの状態からは仕方ないが、それ以上に遅いようだ・・・これなら4時間切りどころか5時間切りがいいところだ・・・。

 それでも、これまで心拍数が追い付かず途中で休んだことのある16km付近からの長い上りや20km付近の急な上りは、休まないで登り切ることが出来た。周りや自分のペースが遅いこともあるのだろう。
 
 エードは充実しているが、2つ目の17km地点で温かいスポドリだけを摂る(5)その後、いくつか飛ばしたが、殆どのところで、飲み物のほかに、お粥、バナナ、サンドイッチ、パンなどを摂る。

 中間地点の25km地点のタイムが2時間22分。これにも愕然・・・これまで2時間は超えたことがなかったはず。目標は持たなかったが、なんとか5時間は切りたいものだと思う。 

  ときどき前後に、大滝の練習コースで必ず顔を合わせる洞爺湖町の71歳のNaさんの姿がある・・・いろいろな大会で顔を合わせるが一度も負けたことがない方だ・・・挨拶がてらに、「Naさんには負けるわけにはいかないですよね〜。」と声を掛けたのだが・・・自分がいつもよりかなり遅い位置にいるということだ。

 31.5kmで白旗山競技場を通過する。天候が悪いせいもあろうが、応援の姿が例年の半分もいなかったようだ。そのあとの上りで休んでいる内に、Naさんに追い抜かれてしまう。慌てて追ったが、思うように滑らないで、少しずつ離されていくので追うのを諦めた。

 やがて、これまでなかった渋滞にぶつかる(6)どうやら、急な下りの下がカーブしているので、ひとりずつそのカーブを転ばないで曲がってからスタートしているようだ。急な下りのカーブはみんなプルークで下っていくために、ドカ雪が深く掘れてボブスレーコース状態になっていて非常に怖い。曲がってから安心したら、油断して思わず転倒してしまう、後ろを見ると次の人が下りてくる・・・やばい!しかし、上手くかわしてくれて巻き込まないで済んだ。

 37kmのエードでゆっくり休み、その後に続く緩やかな上りを進む。前の方には切れ目ない列が続いている(7)このコース一番の難所41.5kmの急登に差し掛かると、「なんで、こんなところにいるの!」と声を掛けて前に出た人がいる。いつもいろいろなレースで顔を合わせる74歳の元気怪物・名寄のJiさんだ。自分がガンになったことを知っているので、「まだ体が本調子でないの?」と心配してくれる。夏の間あれだけハードな山行を続けてきたのだからそんなはずはない・・・そんなことを話しながら登る内に一番辛い急登は通過してしまっていた。ところが、その後も続く上りで、彼の後姿が離れていく・・・付いていくことが出来ない・・・情けない・・・。

 42.5kmの焼山に登り切ると、あとは殆ど下りだけで、そこからはいつも気持ちの良い滑走を楽しめるところなのだが、今回は全て狭いボブスレーコースのようになっていて、楽しむどころか怖いくらいだ。しかも、高い丘の上に出たこともあるが、そのころから猛吹雪となってくる。後から来たサングラスも掛けていない女性が、「前が全然見えなくて怖い」とこぼしている。その後、身長2mほどもありそうな外国人を風よけにして付いていったが、あと3kmの羊ヶ丘への上りにかかるところで離されてしまった。
 
 いつもは札幌ドームが見えてくると嬉しさがこみ上げてくるのだが、そのドームも吹雪で全く見えない。惰性の滑りで、辛さから解放されるのだけを楽しみにゴールを目指す。

 これまでの最悪のタイムよりさらに30分近くも遅い4時間56分09秒・・・かろうじて5時間を切っただけ。最良のタイムは3時間42分なので、それより1時間以上も苦しんだということだ。

 ゴールして気付いたら、手袋が凍っていて指が痛い。スキーを車の中に収めて、チップを返して完走賞と記録証をもらう。今年の完走賞の袋には、大型バスタオルのほかにお楽しみ袋かと思うほどいろいろな景品が入っていた(8)

 疲れと寒さで、足が震えて止まらない。ゴール地点で温かい砂糖湯をヤカンで配っているテントがあったので、そのヤカンを手で抱かせてもらった。すると、そこの係りのおばさんが、「内緒だけど・・・」と熱々のアミノバイタルのボトルを1本まま渡してくれた。それを持ち歩いていたが、なかなか手は温まらなかった。豚汁を食べて車に戻り、30分以上して、ようやく手も体も温まってきた。例年通り、帰路途中の黄金湯温泉で疲れを抜いて、八雲で味噌ラーメンを食べて、帰宅したのが21:30。

 帰宅後、すでにネット上にリザルトが公開されていた。下手すれば、順位は400位くらいかと覚悟していたが、353位だった。エントリーしていたのが男子で741名もいたのに、完走したのが575名というかつてない少なさだ。それだけ今年は過酷なレースだったということだろう。自分的にはそれ以上に最悪なレースだった。しかし、完走できたという充実感と達成感は大きい・・・これがまた、次の意欲へと繋がるのだ!来年は、今年のリベンジを新たな目標としよう!

 大会成績一覧


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