遊楽部岳<ゆうらっぷだけ>(1275.6m)C
<左股コース> 2名、 14,10,5
B09,9,30の「遊楽部岳」へ
   A94,9,15の「遊楽部岳」へ
5年前の紅葉の美しさが忘れられずに、tetsu@大麻さんと同行

5:00 自宅発
登山地点下山
 7:00
 9:15
10:10
11:10
登山口
968ポコ(6合目)
臼別頭(8合目)
頂  上
15:40
14:00
13:00
12:00
[4:10]所要時間[3:40]
16:00 八雲・和の湯(入浴)
18:40 帰宅
 この遊楽部岳は、道南中央部の八雲町とせたな町に跨り、これまでに登った白水岳、冷水岳、太櫓岳、岩子岳、ペンケ岳、臼別頭などを擁する大きな遊楽部山塊の主峰である(1)。(帰り、国道5号線の八雲大橋から撮影)

 この山を源とする多くの川が日本海と太平洋に注いである。山名の由来は、太平洋に注ぐ遊楽部川の源流に因るが、八雲町と合併した旧熊石町では、日本海に注ぐ見市川の源流に因り、見市岳と呼んでいる。

 なお、頂上は一等三角点の設置場所になっているが、最高地点(1277m)は、その500mほど手前の白水分岐(今は痕跡のみ)近くのピークで、ここの方が展望がよい。また、往復20km弱、アップダウンの大きな標高差1000m以上のタフなロングコースとしても有名な山である。

 この山に初めて登ったのは、山を始めるための足試しとして登山会に参加した1991年である。このときに体力的な自信を持ち、登山会の歩くペースの遅さが合わなくて、翌年から自分のペースで歩ける「一人歩き」にはまっていった思い出の山でもある。 その3年後に一人で再訪しているが、その日は夜に会議が入っていて急いで歩いたこともあり、ガイドブックでは往復8時間以上の山なのに、登り3時間、下り2時間15分という、自分でも驚くような記録が残っている・・・。

○まずは、臼別頭を目指して長い尾根を・・・
 
 tetsu@大麻さんと登山口で待ち合わせる。すでに先行者の札幌ナンバーの車が1台停まっていた。最初はトドマツの人工林の中を進む。1時間ほどすると、上から先行者が下りてくる。頂上まで登るのではなく、ブナ林を見に来たとのこと。この後は、狩場山へ向かい、やはりブナ林を見に行くと言う。このような山の楽しみ方もあるのかと感心する.


 やがて、ブナが目立つ秋色漂う林となる。標高700mの尾根が遅くて急になるところまでは、登山道というより、旧道といった非常に快適な道が続く。法面がしっかり造られていて幅広の道なので、昔は木を切り出すために作った道かもしれない(2)展望のない中を、徐々に紅葉の色が濃くなって行く変化を楽しみながら黙々と登る。前回は4合目の標識を目にした気がするが、今回は目にすることはなかった。
 標識はないが5合目とされる915ピークへ登ると、左手に双耳峰の臼別頭まで突き上げる太櫓川支流の沢を挟んだみごとな紅葉斜面が広がり、その眺めに感動する(3)


 一端下り、次の968ポコを目指す。この辺りまで来ると、下ではまだ青かったブナもかなり黄葉が進んでいる(4)。968ポコに到着すると、大きなダケカンバ木の幹に6合目標識が取り付けられていた。とりあえず目指す臼別頭がまだ遠い(5)


 臼別頭への登りから振り返ると、968ポコ〜915ポコ〜そこまで登って来た尾根と、その向こうに日本海が広がる(6)。臼別頭への登りはロープが設置された岩場の急な登りだった。しかし、ここを登りきったところは臼別頭の手前のポコだった(7)


 3時間10分を要し、三等三角点(点名・臼別頭)に迎えられ、360度の展望が広がる臼別頭(1251m)に到着(8)。ようやくここで対面できる遊楽部岳をバックに記念撮影(9)このピークの方が遊楽部岳より登頂感があり、展望も素晴らしい。


 左には太平洋の噴火湾(内浦湾)、大きな遊楽部岳の山体を挟んで右には日本海が望まれる。全国でも、太平洋と日本海が望める山は、この八雲町の山しかない。初めて目にしたtetsuさんは感激していた。ただ、残念なのは、5年前に登った時は、この斜面が一面紅葉で覆われていたのだが、すでにほぼ終わっていたことである(10)


 下から見たときに双耳峰に見えた北隣の尖峰とピークを過ぎた感のある紅葉が美しい。そのコルの向こうに太櫓岳の頂上部、そしてその先には噴火湾が広がる(11)。遊楽部岳への尾根の右側には冷水岳と白水岳(12) そんな大展望を楽しみながら、風もないポカポカ陽気の中、遊楽部岳への登り返しに備えて、ゆっくり休憩をとる。

○100mほどの登り返しの吊尾根を越え、頂稜の奥の頂上へ


 下って行くと、コル付近には熊の掘り返しがあちこちに見られる。さすが、この辺りは昔から「熊の踊り場」と言われているところである(13)
 東側には、高度による紅葉の変化の様子がとても良く分かる太櫓岳の姿が美しい(14)


 コル付近から最後の登りとなる登山道と頂稜の左奥の頂上を見上げる(15)。右手の日本海には微かに奥尻島も見えている(16)


 これまでの3回では気にならなかった最後の急登を青息吐息で登り切り、最高地点の1277ピークへ到着。来た方向を振り返ると、登山道がくっきりと続く先の臼別頭と臼別川源頭部の迫力ある崖が印象的だ(17)。頂上までのハイマツの中の平坦な道の途中から、南の展望が広がる。左の太平洋と右の日本海に挟まれた渡島半島で一番狭い中央部の山々だ。左手前の尖った岩子岳、その後ろの砂欄部岳、その右手前の雄鉾岳などなど・・・(18)


 4時間10分、一等三角点(点名・見市岳)と細い木杭の頂上標識の立つ頂上へ到着(19)。前回のときにも頂上標識に立てかけられてあったスコップ2丁を手に、記念撮影(20)
 座ってしまったら、周りの木や笹で展望のない頂上である。しかし、無風で太陽の恵みを受けて暖かいのがうれしい。40分もゆっくり休んで下山を開始。午前中より青空が広がり、より美しさを増した紅葉を楽しみながら、長いアップダウンの多い尾根を下った。しかし、遊楽部岳からと臼別頭からの急な斜面では、濡れた落ち葉とその陰になって良く見えない足元のせいで、4〜5回ほど滑って転んだ。

 前回より山頂近くの紅葉には遅かったが、天候にも恵まれ、素晴らしい紅葉を楽しむことができた。相変わらずアップダウンの長い尾根歩きの山だが、初めて登ったHaさんは、登って分かるスケールの大きさ、ハードながらも変化に富んだコース、素晴らしい紅葉、太平洋と日本海の見える山に大喜びだった。
 今回は先を歩かせてもらったが、前回より途中の休憩を長く取ったこともあるが、登りも下りもご丁寧に25分ずつ遅かった・・・久しぶりに疲れを感じ、加齢による体力低下を思い知らされた。

 下山後、八雲の立岩にある「和の湯」で疲れを癒し、Haさんと別れて帰路に就いた。次に再会は、クロカンスキーの大会でであろう。



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