雄柏山(1267.9m)  <滝上町/旧白滝村(現遠軽町)>

滝上町・カミオシラネップ川西尾根ルート  13人&犬1匹  05,10,16

藪漕ぎ愛好家?の12人と一匹で賑やかに紅葉の急な痩せ尾根登りを楽しみ、笹薮の頂上へ

○10/15 
16:00 札幌発(会議出張)
19:30 オシラネップ川道路ゲート前広場
     (交流会)
○10/16
7:00 オシラネップ川道路ゲート前広場
7:10 尾根取り付き地点手前飯場駐車場
登山地点下山
7:20
7:50
10:00
10:45
飯場駐車場(510m)
刈り払い終点(720m)
1188ピーク
頂  上 (1267.9m)
13:20
12:55
11:40
11:10
[3:25]所要時間[2:10]
13:40 オシラネップトンネル入口見学
14:00 オシラネップ川道路ゲート前広場
14:30 解 散
15:10 白滝温泉(入浴)
16:30 白滝高原キャンプ場(車中泊)

 この山行計画の誘いがあるまでは聞いたことすらなかった山で、地図で確かめたら、北大雪のチトカニウシ山とその北西に位置する北見富士を結ぶ1100〜1300mの稜線上(旧白滝村と滝上町の境界線上)のそのほぼ中間にある緩やかなピークである。その稜線上では一番高い山なのに、翌日、南側の雲霧山から見ても微かに高くなってはいるが、ほとんど目立たない山であるしかし、2日後、北側の北見富士から見たらその山容がはっきりと分かった(1)。

 この山名は「ゆうはくざん」と読むのだが、後日、同行した『知床半島の山と沢』の著者である網走のIさんから掲示板に下記のような書き込みをいただいた。オシラネップ川の「オシラ」に「雄柏(おしら)」の当て字をしたのが山名の由来ですが、現代の感覚では相当強引な当て字に思えますが・・。普通は「尾白」と当てるのが多いのですが。

 そもそもこの山行計画は、10/10で今年の仕事を終えた斜里岳清岳荘の管理人である熊ぷ〜さんの慰労会(みんなを一番お世話したのは彼であったが)を兼ねた藪漕ぎ登山愛好者のオフミ登山である。「地図がガイドの山歩き」のSaさんの呼びかけに応じた豪華な顔ぶれの17名が、前夜滝上町のオシラネップ川沿いの道路(丸瀬布町へ抜ける工事中の道路)のゲート前広場に集合し、交流を深める。私は幸い札幌で会議があったので、終了後、その足で駆け付けた。


 前々日までは、林道が頂上の近くまで延びている白滝側から登る予定であったが、自衛隊の演習が入るとのことで林道が利用できなくなり、前日急遽、誰も登ったことのない滝上町側の西尾根ルートに変わったのである。もちろん登山道はない。

 翌朝、すでに別ルートから登頂済みの3名は帰路に就き、体調の優れない1名を残して13名と熊ぷ〜さんの愛犬エルが、ゲートの先の道路をさらに進み、尾根の取り付き予定地点を目指す。その途中から、辿る予定の1188ピークまでの尾根とその右の稜線上に頂上が見えている(2)

 地図上に記されている道路の最終地点の先にも道路が延びていて、しかも、幸運なことに、その途中から我々が取り付こうと思っていた尾根の末端付近まで林道か作業道が下りている。さらに、そこには工事現場の飯場と広い駐車場がある。日曜日の休工日なので、そこに車を置かせてもらって、カミオシラネップ川沿いに下る。

 100mも歩かない内に、尾根取り付きの510地点二股へ到着する。あまりのあっけなさに現在地を確認したほどである。しかも、我々が辿る予定の尾根の上にまで刈り払い道が続いているのには驚きである(3)
 
 のっけから藪漕ぎを覚悟していただけに、その刈り払い道がどこまで続いているのか興味津々で登っていく。眼下に建設中の道路が延びるカミオシラネップ川沿いの深い谷を挟んだ左手の斜面の紅葉が見事である(4)30分ほど登って行くと標高720m付近でその刈り払い道は終了する。そこは工事中のトンネルのちょうど真上の辺りで、工事の測量のための刈り払い道のようである。

 地図上でも分かっていたが、だんだん急になり、両側が切れ落ちた痩せ尾根になってくるが、見上げたところ心配していた岩場はないようである・・・と思っていたら、突然岩場が現れた。しかし、それは倒木の根が剥がれて岩盤が露出したところであった(5)岩場や木の枝渡りの苦手な愛犬エルは自分できちんとルートファンディングをして付いてくるのには感心しきりである。

 痩せ尾根のせいか藪は灌木だけで、強烈な藪漕ぎの心配もなく(6)先々で行く手を遮る太い倒木だけが邪魔である。やがて、雨が降ってくるが、本格的な雨ではない。そんな急な尾根登りを2時間半ほど続けると、1188ピークの上に出る。地形的に見てもここの方が絶対登頂感があり、北側には北見国の最高峰・北見富士が見える(7)

 そこからは南側に方向を変えて緩い尾根を辿ると緩やかな幅広の稜線に出る。予想どおり心配していた笹薮となってくる。頂上に近づくに連れてその密度も濃くなり、背丈も高くなってくる(8)それを掻き分けながら稜線の中央を30分ほど進むと、どこが頂上かよく分からないような高みに到着する。藪山専科の多いメンバーにとっては物足りない感じのルートであった。

 三角点探しの競争になるが、密かに情報を仕入れていたSaさんがあっさりと見つける。よく見たらそばの木の幹にピンクテープが巻かれていた。そこは北側の急斜面に近いところで、周りはきれいに刈り払われていて、三等三角点が設置されていた。エルに一緒に収まってもらう(9)

 腰を下ろすこともできない笹薮で、展望は北見富士が見えるだけで、ほかは周りの深い笹と木が邪魔で全然見えないのが残念である(10)。

 いつの間にか雨も上がり、腹ごしらえをしながら30分ほど休憩して下山を開始する。稜線から1188ピークへ方向を変える辺りで、東側の展望が少し広がり、チトカニウシ山が見える。その付近で、南の白滝側から続いているらしい林道跡を発見する。これがどこから続いているか分かれば、苦労せずに登ってこれるようである。

 1188ピークでカッパを脱ぐ。ここからは樹間に鋭く天を突く天塩岳と前天塩岳も覗く。

 倒木を跨いだり潜ったり、さらに灌木に掴まりながらの下山は続く。尾根の表面に鋭く聳える岩峰の1144ピークと目の前に広がる紅葉が興味を引く(11)いくら藪山でも、きつい登りは下りは速い。登りより1時間15分も早くゴールする。

 下山後、時間的余裕もあるので、工事中の道路をさらに奧に進み、自分たちが歩いた尾根の下を突き抜けるトンネル工事の入口まで行ってみることにする。トンネルは「オシラネップトンネル」という名称であった(12)

 昨夜過ごした広場に戻り、Hi女史が手際よく調理するジンギスカン、そば、お汁粉をご馳走になり、解散する。

 明日、私に付き合って、旧白滝村(現遠軽町)の雲霧山へ案内してくれるという熊ぷ〜さんと愛犬エルはみんなと別れ、白滝温泉へ向かい汗を流す。その後、白滝高原キャンプ場で夜を明かす。


それぞれどこかで繋がる豪華な顔ぶれの17名

 今回の呼びかけに集まった登山道を登るのは物足りない藪漕ぎ登山愛好者たちは、それぞれネットで繋がっているだけでなく、お互いこれまでにどこかの山でご一緒している方々ばかりである。以下、自分との関係で紹介してみたい。

 後列左から、これまでハッタオマナイ岳、辺毛山で同行のNa@札幌さん。幾春別岳同行の藪漕ぎスペシャリストI@札幌さん。北海道内700m以上の全山を踏破目標にしているポンネアンチシ岳〜余別岳で同行のKo@札幌さん。この山行の呼びかけ人で、これまで何度も同行している「地図がガイドの山歩き」Sa@札幌さん。同じく何度も同行している「山の時計」EIZI@名寄さん。今年北海道内1000m以上全山完登を果たした『ガイドブックにない北海道の山50』の著者でピシカチナイ山同行のHa@札幌さん(前列右から3人目)の奥様。ハッタオマナイ、珊内岳、赤石岳で同行しているはまなす山岳会のA@札幌さん、クワウンナイ川、支湧別岳、ニセイチャロマップ岳同行のO@旭川さん、珊内岳、赤石岳同行のはまなす山岳会のSa女史@札幌さん。

 前列左から、珊内岳、赤石岳同行のはまなす山岳会のSa@札幌さん。これまで何度も同行している「地図がガイドの山歩き」チームのHi女史@札幌さん。この度初対面を果たした、現在myHPで宣伝中の『知床半島の山と沢』の著者I@網走さん、エサオマントッタベツでお逢いして以来のお付き合いとなり、支湧別岳、ニセイチャロマップ、仁頃山を案内してくれた今回の世話人・斜里岳清岳荘管理人の「山の旅人」熊ぷ〜@北見さん。今年北海道内1000m以上全山完登を果たした『ガイドブックにない北海道の山50』の著者でピシカチナイ山同行のHa@札幌さん。何度も飲み会ではご一緒しているが、山での初同行が叶った「甘藷岳山荘」あまいものこ@札幌さん。今回初対面のはまなす山岳会のメンバーに同行したYo女史@美唄さん。


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